パパの見た目は15歳〜童顔の大黒柱〜

スーパー・ストロング・マカロン

文字の大きさ
上 下
59 / 88
二章 長女、秋奈を守れ!

58

しおりを挟む
取り乱す夏子をなだめた自宅に着いたばかりであったが、再び上着を羽織り静かに玄関ドアを閉めた。

辺りには街灯がついているが数メートル先は見えずらい。
以前勤めていた職場で書類に目を通している際、細かい文字が読みづらくなって眼科に通った事を思い出した。

眼科医の診断によると老眼との事だった。

そんな春彦は近所のファミレスに向かっている。

秋奈がよく通っているお気に入りの店はもちろんの事、交友関係もほぼ知らない。

しかし、ひっきりなしにポケットからLINE通知が鳴り響く。

この人物に聞けば秋奈の居場所がわかるかもしれない。

さほど期待はしていないが、何の情報もないまま闇雲に繁華街を歩くよりはマシだ。

住宅街を離れて交通量の多いロードサイドを20分程歩いた先に、ファミレスの黄色い灯りが見えてきた。

轟音で耳が痛くなるほどのうるさいバイクや大型トラックが次々に春彦を追い抜いていく。

まだ秋奈が幼かった頃、夏子は冬児の出産で5日間の入院をしていた。

まともに料理ができない春彦は秋奈のリクエストに答えて、このファミレスに通っていた事がある。

秋奈はお子様ランチが大嫌い!
意地悪をして何度もすすめると、パパと同じものを食べたいと言い、キッズチェアでジタバタ身体を揺らし目を細め小さな唇から可愛い文句が出る。

そんな事が昨日の事のように思えて、口元が緩んだ。

ディナーの時間帯ではあったが順番待ちをする事もなく、ウェイトレスに通されてテーブル席に座り込んだ。

料理が記載されているメニュー表を見る前に、ズボンのポケットからスマホを取り出した時、また通知音が鳴る。

連絡元が誰かはわかっていた春彦はスマホを手にしてメッセージを読むと、秋奈の件で偶然知り合った彼女達からのメッセージだった。

主にそれぞれの近況やデートの誘い文が多いなか、1人だけ画像を送ってくる人物がいた。

念の為、その人物のLINEも読む。

"お風呂から出ました。
ハルちゃん、こういうのほんとは好きなんでしょ?
ガマンしなくていいよぉ!
好きに使ってね。"

バスタオルから見える大きな乳房の谷間画像や、パッチリした目元を強調しながら乳房を腕に乗せたり等、過激な画像ばかりだった。

ファミレスにいる春彦は慌ててスマホを閉じて口元を手で覆った。
後ろから春彦が座るテーブル席にウェイトレスが水を持ってきた。

先ほどの画像を見られてしまったのではないかと思うと、恥ずかしさでいっぱいになってしまった。

迂闊うかつにスマホを開いた事を後悔している春彦だった。

















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...