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二章 長女、秋奈を守れ!

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風呂上がりの夏子はターバンのように頭に巻いたバスタオルで髪を乾かしながら、冷蔵庫のドアを開けた。

秋奈が食べなかった手付かずのオカズが目に入る。

「はぁ。」

冬児の次は秋奈が悩み苦しんでいる。
大好きな恋人に深く傷つけられて、粉々に砕け散った心は
すぐに修復はできないだろう。
夏子はネグリジェから少しはだける胸元に冷気を感じた。

「おい?冷蔵庫を開けたままだぞ。」

「あっ。」

春彦に指摘された夏子は、すぐに冷蔵庫の扉を閉めて冬児が使っているスイーツニャンコのマグカップに麦茶を注いた。

「秋奈の事で考え事をしているのだろう?」

「うん…。」

「秋奈から何か聞いていないのか?」

春彦は昼間に出会った4人の女子高校生から、秋奈がなぜ悩んでいるかを聞いているのである程度は把握していた。

夫から問われた夏子は、憔悴しょうすいしている秋奈を自分独りでは抱えきれなくなってる。

しかし秋奈から春彦には黙っているよう口止めされており、首元を無意識で掻いた。

「実のところ、秋奈の相談相手になっていたのだろう?
冬児と違って秋奈は、なんだって夏子にはよく喋っているじゃないか?
もし、知っている事があるなら教えてほしい。」

秋奈との約束を破り、打ち明けるべきかギリギリまで迷った夏子だったが、自分だけでは問題を解決ができる見込みはないと判断し夫に打ち明ける事にした。

夏子はマグカップを持って春彦が座るソファの隣に腰掛ける。

照明を落とした薄暗い部屋で、夏子は声をひそめて時系列順に丁寧に話し始めた。
自然と春彦もそれに合わせるように声のボリュームが下がる。



「なるほど、そういう事だったとはね。」

妻の話を聞いて4人組の女子高校生が秋奈について教えてくれた内容に嘘がなかった事が明らかになったし、妻のおかげで更に新たな情報も得た。

「私がアキちゃんから聞いた事はこれが全て。
今ここで私が春くんに伝えてしまった事は、絶対にアキちゃんには内緒よ?
いいわね?春くん。」

「あぁ、黙っているさ。
全容がわかったから後は問題をいかにして解決するかだな。」

「夫である春くんに話した事で私はだいぶ心が楽になった。
でも冬ちゃんの時とは話は別で暴力沙汰にはなってない。
アキちゃんの悩みは付き合っていた男子に騙された事。
これはあくまで経験の乏しい未成年の恋愛なわけよ?
解決するって言っても、どこまで介入するつもりなの?」

「夏子はこれまで通り秋奈の相談相手になってやってくれ。
俺は探りを入れる。」

麦茶を飲みながら夏子は言った。

「探りって何をするのよ?
探偵みたいなまねをして、アキちゃんにバレたら大変よ。
余計な事はしない方がいいわ。
恋愛だもの遅かれ早かれ誰もが通る道。
他の子達よりかなり複雑で捻れてしまった恋愛だけどね…。
でも私達親に出来ることはアキちゃん自らが心の傷を癒す事、時間が何よりも良薬になるんだって本人が知る事。
だから私達が今すべき事は、寄り添うように優しく相談にのるだけ。
そのほうが賢明じゃない?」

「わかっているよ。
でも、このままにしておけば秋奈は糸の切れた凧のように、どこかへ飛んで行ってしまうかもしれん。
注意深く秋奈から目を離さずにーーーー」

冬児がリビングにやってきて2人に話しかけた。

「あら、冬ちゃんどうしたの?」

「オシッコ。」

眠そうに目を擦っている。

ソファから立ち上がって春彦に微笑を浮かべたあと、冬児をトイレに連れて行った。

「お母さんも髪を乾かさなきゃ!
春、あなたも早くお風呂に入ってね。」

脱衣所からドライヤーの音が聞こえてくる。

秋奈について考えている時、不意に春彦のスマホが鳴った。

4人組の中で1番大人しかった女子高校生からメッセージが届いた。

約2分程の動画で、ブラジャーをゆっくり外し乳首が見えないように手で器用に隠している。
笑顔であるが無言だ。

1番大人しかった女子は大きな乳房を両手で揺らしたり谷間を強調している。

春彦は具合が悪くなり動画を止めた。

更に春彦のスマホにメッセージが届く。

"あのメンバーの中で、私が1番オッパイがおっきいよぉ。
翔子達は経験済みだけど、まだ私は未経験♡
ハルちゃんの都合のつく時でいいので、2人だけで横浜に行きたいなぁ。
横浜デートしたいの。ダメかな?
お返事待ってます♡"

メッセージを読んで春彦は頭を抱えた。

同時に娘である秋奈に野外セックスをして妊娠させようとした、元彼氏との関係を考えたら、酷く心配になり気が気でなくなった。

























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