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二章 長女、秋奈を守れ!

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店の外に出た4人の女子高校生は春彦の腕を引っ張り、無理やりカラオケ店に連れて行こうとする。

「き、君達、学校はどうしたんだ?
私はカラオケなんぞにはいかんぞ!」

「アハハ。
またみたいな話し方しちゃって。」

「コラ!離したまえ!
私は季節原秋奈について知りたいだけなんだぞ。
その手を離してくれ!」

嫌がる春彦を4人はカフェの隣にある雑居ビルまで連れて行き、エレベーターのボタンを押した。

「そんな事言わないで、みんなで楽しくやろうよ!ねぇ?」

「そうだよぉ。歌おうよ!」

4人は春彦を取り囲むようにしてエレベーターに乗り込んだ。

「君達は秋奈について話していたじゃないか。
なぜ、その続きを教えてくれないのだ?」

赤い髪の女子高校生が笑って言った。

「あの店小さいから、けっこう席が近いでしょ?
さすがに話せない内容だったんだ。
1人掛けの席で飲食していたお兄さんにだって、聞こえちゃうくらいだよ?
だから、わりと仲良くしている秋奈ちゃんの情報はプライバシーに関わるから、あれ以上は話せなかった。」

「そうだよね。
野村とかキモイヤツはどうでもいいけど、季節原さんの事は、いくらウチらでも慎重にはなるよね。」

ロングヘアーを茶髪にしている女子高校生が補足した。

「ここなら聞かせてくれるのか?」

赤い髪の女子高校生は得意げな表情で春彦に目を合わせた。

「うん。カラオケだもん。
大声だしていい場所だし。
ここなら秋奈ちゃんの事でも、それ以外でも話せるし。
秋奈ちゃんの事、知りたいんでしょ?」

春彦は、「あぁ。」と言って頷いた。

エレベーターはカラオケ店があるフロアに到着した。

「行こう?お兄さん。」

制服姿の4人は先にエレベーターを出て春彦を笑って見つめている。

真冬であるにも関わらず興奮した為、額から滴り落ちる汗をハンカチで拭った春彦はエレベーターを降りた。


赤い髪の女子高校生が受付にいる店員に慣れた口調で時間を伝える。
そのまま待つ事もなくマイクが入ったケースを持ってスムーズに空いている部屋へ向かった。

「ねぇ、自己紹介はまだだったね。
私は翔子。よろしくね!」

赤い髪の女子高校生が簡単に自己紹介をする。

この流れは俺も自己紹介をこの娘達にしなければならない…。
不本意ではあるが春彦は自分の立場を明かさず、その場しのぎの嘘をついた。

「ぼ、僕はに通う1年の春彦って言うんだ。
よ、よろしく。」

冬児と秋奈には"嘘をつくな、正直者になりなさい"と普段から話している事を思い出して子供達は目の前にはいないが、バツが悪くなった。

「春彦って言うんだぁー!
しかも姫君に通ってるなんてすごい!」

「春彦君をこれから、ハルちゃんて呼ばない?」

「あっ、それいいね!あたしもハルちゃんて呼ぶ!」

「ハルちゃん!」

テンションの高い4人組から何としてでも長女・秋奈の情報を引き出してやろうと、春彦は躍起やっきになっていた。



















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