パパの見た目は15歳〜童顔の大黒柱〜

二章 長女、秋奈を守れ！

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春彦が座る1人掛け席の背後で紺のブレザーを着た4人組の女子高校生が大きな声で会話をしている。

4人掛けのテーブル席で毛嫌いする担任の話、バイトの話等様々な話題を一呼吸置く事もなく盛り上がっている。

4人は学校をサボっているようだ。

「そうそう！みんな聞いて聞いて！
キモ男の野村っているじゃん？昨日授業中に目撃した事なんだけどさ！」

ショートカットの髪を赤く染めた女子高校生が興奮して話している。

「野村がキモイ事はとっくに知ってるけど。どうしたの？」

「ほんと、顔も行動もキモイよね。」

「私なんて野村に舐めるよう見られて困ってる…。」

3人の女子高校生が口々に話し始める。

「あいつさ！最悪な事にあたしの隣の席に座ってんじゃん。
野村が授業中にトイレに行った時、ノートが窓から吹く風でページが捲れたの。
たまたま、目に入ったから見ちゃったんだけどさ、どんな事が書いてあったと思う？」

3人は首を傾げた。

「ウチらクラスの女子のカップとかを推測しているのをめっちゃ細かく書いてあった！
あと、裸の女の身体にクラスの女子の顔を合成してたんだよ！
マジでキモイでしょ！！」

「キモーイ！！！」

赤い髪の女子高校生の発言に、3人の友人は口を揃えて絶叫した。

「野村を退学に追い込んでほしい！
あんなヤバいやつがいたんじゃ、ウチらに被害がいくよ！」

「やっぱ野村は変態だったんだ。
私、狙われているからほんと怖い。
野村なんか死んで欲しいよ…。」

髪型をハーフアップサイドテールにしている女子高校生は、大きく膨らんだ乳房を腕で隠しながら恐怖で泣きそうにしている。

「そうだよね、怖いよね。あんたは可愛いし真面目だから狙われているんだよ。
なにか事件が起きる前に、みんなで対策を考えよっ？
先生にも相談してさ！」

ハーフアップサイドテールにしている女子の頭を撫でて慰めている。

「…事件？事件で思い出したんだけど、秋奈ちゃんが心配だよね。」

「秋奈ちゃんて、季節原さんの事かな？
何かあったの？」

娘の名前を聞いて目の色が変わった春彦は光よりも速いくらいの速度で、後ろを向いて4人を見た。

「あたし、あんま話したことないけど色白で可愛い顔してるよね。」

「あの子さ、宗太郎と別れたみたいでね。
宗太郎に無理やりセックス(小声で話す)を強要されたみたいだよ。」

「はぁ？無理やりなあに？何を強要されたの？」

「あの貧乏な宗太郎が季節原さんに何をしたの？」

赤い髪の女子高校生の向かいに座る2人の友人は身を乗り出して問いかける。

周りをキョロキョロしながら、赤い髪の女子高校生が言った。

「セックス！」

「えぇぇ！！」

3人は絶叫した。

「まぁ、カップルなら全然おかしかないけど、2人の関係ってかなり複雑でさ…。
なんで私がこの件を知ってると思う？」

「セックスって強要しちゃいけないでしょ？」

茶髪のロングヘアの女子高校生が言うと、隣から気配を感じて座席から見上げた。

「突然、ごめんよ。
君達は季節原秋奈の話をしていたね？
おじさんに詳しく教えてくれないかな？
その…秋奈に強要した男子の話をさ。」