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ラスト あれから
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ウミは何かを言おうと頭の中で適切な言葉を探したが、どれもこれも薄っぺらい表現でしかなく心にも無い事を言うくらいなら黙っている方がマシだと感じ、やや俯むいて軽トラックのハンドルを握っていた。
「…どうして何も言わないの?
私は嫌われているのかな…。」
「ちげえよ。なんて言えばいいのかわかんなかったんだ。
いい加減な事を言うのは違うだろ?
俺は自分自身に嘘をつきたく無いしな。」
「なんか怖いな、ウミの言い方。
嘘をつきたく無いってどういう意味?」
「俺は適当な事を言っておまえを丸め込もうとしたり、自分を偽った言葉を吐いて格好つけんのは嫌なんだよ。」
「難しく考えなくていいのに…。」
「えっ?」
ソラは助手席の窓側にプイッと顔を背けた。
窓に激しく雨粒が当たってボヤけた景色を見ているーーーー
厳密にいうと夜中の駐車場は暗い為、ソラの視界には雨粒しか見えない。
景色を見るフリをして何かを待っているようだ。
「ずっと側にいて欲しい?
それともどこか遠くへ行って欲しい?
永遠に会えなくなるくらい、うんと遠くへ。」
"永遠に会えなくなるくらい"という思いつきで口にした言葉ーーーー
ソラは自分で話ておいて恐ろしくなってしまいウミに抱き付いてしまいたくなったが、グッと恐怖心を押さえ込んだ。
「嫌だよ、俺は…永遠におまえに会えねえなんてよ。」
「それなら、なんか言うべき言葉があるんじゃない?」
「えっ?」
「もうやめてよぉ!さっきから"えっ?"て聞き返すのは!
私、"えっ?"嫌い!
今から"えっ?"を禁止にします!」
ウミはまたしても、禁止ワードを口にしそうになり両手で口を塞いだ。
雨は弱まるどころがますます激しさを増していく。
車内は沈黙に包まれ、車に当たる雨音がまるでマシンガンをブッ放す銃声のようだ。
「て、天気予報なんざ当てにならねえな。今日は曇りだったはずだぜ?」
「違うよぉ。天気予報はハズレていません。今日は朝方まで大雨です。」
重い雰囲気のなか、絞り出して話した夫の発言に妻はあっさりダメ出しをした。
「そっか、ハハハ…。」
「私達が高校3年生だった頃、ウミに伝えた私の本心を覚えている?
私が武装をせずに丸一日、授業を受けた日の事。」(※プロローグ参照)
無意識のうちに腕を組み、目玉をクルクル回転させた夫は妻の話しているシチュエーションをなんとか思い出せた。
「あの日、私は言ったよね?
ウミも私と同じ。
狂っても、死んでも、私だけを見て。
私だけを愛して。でないと…でないとウミの事、どんな手を使ってでも愛という名の元に苦しめてあげるからねって。」
ウミは無言で首を縦に振った。
記憶にあったから頷いたのか、ソラの歪んだ愛情に理解を示しているから頷いたのかは本人にしかわからない。
「お願い。私の愛に応えて?
私は身も心もウミに尽したいの…。
今もほかの男の子達とは気持ち悪くて関わりたくないし、同じ空間にいるだけでも苦痛だよぉ。
ねえ?俯いてばかりいないで、私の顔を見て。」
逆らわずウミはソラを見つめた。
「私、ウミがいなければ生きていけない。
でもウミの邪魔はしたくない。
その狭間で頭が割れてしまうくらい辛いの。
いっそ、ウミを殺そうかと思っているよぉ。
その後、冷凍保存したりとかね…。
これなら誰にも邪魔されず、ずっと2人でいられるじゃん。
可愛いウミは私の側から離れられないし、私の言いなり…。
こんな事を言う私はおかしいかな?」
「殺されちまうのは嫌だけどよ、俺はおまえが側にいてほしい。」
深く考え込まず、ウミはありのままの感情でソラに向き合った。
ソラはウミの腕を掴んだ。
「や、やめろよ。ソラ?俺はこんな所でなんか…。」
「腕を掴んだだけじゃない。私の心の中を読まないで。」
「…どうして何も言わないの?
私は嫌われているのかな…。」
「ちげえよ。なんて言えばいいのかわかんなかったんだ。
いい加減な事を言うのは違うだろ?
俺は自分自身に嘘をつきたく無いしな。」
「なんか怖いな、ウミの言い方。
嘘をつきたく無いってどういう意味?」
「俺は適当な事を言っておまえを丸め込もうとしたり、自分を偽った言葉を吐いて格好つけんのは嫌なんだよ。」
「難しく考えなくていいのに…。」
「えっ?」
ソラは助手席の窓側にプイッと顔を背けた。
窓に激しく雨粒が当たってボヤけた景色を見ているーーーー
厳密にいうと夜中の駐車場は暗い為、ソラの視界には雨粒しか見えない。
景色を見るフリをして何かを待っているようだ。
「ずっと側にいて欲しい?
それともどこか遠くへ行って欲しい?
永遠に会えなくなるくらい、うんと遠くへ。」
"永遠に会えなくなるくらい"という思いつきで口にした言葉ーーーー
ソラは自分で話ておいて恐ろしくなってしまいウミに抱き付いてしまいたくなったが、グッと恐怖心を押さえ込んだ。
「嫌だよ、俺は…永遠におまえに会えねえなんてよ。」
「それなら、なんか言うべき言葉があるんじゃない?」
「えっ?」
「もうやめてよぉ!さっきから"えっ?"て聞き返すのは!
私、"えっ?"嫌い!
今から"えっ?"を禁止にします!」
ウミはまたしても、禁止ワードを口にしそうになり両手で口を塞いだ。
雨は弱まるどころがますます激しさを増していく。
車内は沈黙に包まれ、車に当たる雨音がまるでマシンガンをブッ放す銃声のようだ。
「て、天気予報なんざ当てにならねえな。今日は曇りだったはずだぜ?」
「違うよぉ。天気予報はハズレていません。今日は朝方まで大雨です。」
重い雰囲気のなか、絞り出して話した夫の発言に妻はあっさりダメ出しをした。
「そっか、ハハハ…。」
「私達が高校3年生だった頃、ウミに伝えた私の本心を覚えている?
私が武装をせずに丸一日、授業を受けた日の事。」(※プロローグ参照)
無意識のうちに腕を組み、目玉をクルクル回転させた夫は妻の話しているシチュエーションをなんとか思い出せた。
「あの日、私は言ったよね?
ウミも私と同じ。
狂っても、死んでも、私だけを見て。
私だけを愛して。でないと…でないとウミの事、どんな手を使ってでも愛という名の元に苦しめてあげるからねって。」
ウミは無言で首を縦に振った。
記憶にあったから頷いたのか、ソラの歪んだ愛情に理解を示しているから頷いたのかは本人にしかわからない。
「お願い。私の愛に応えて?
私は身も心もウミに尽したいの…。
今もほかの男の子達とは気持ち悪くて関わりたくないし、同じ空間にいるだけでも苦痛だよぉ。
ねえ?俯いてばかりいないで、私の顔を見て。」
逆らわずウミはソラを見つめた。
「私、ウミがいなければ生きていけない。
でもウミの邪魔はしたくない。
その狭間で頭が割れてしまうくらい辛いの。
いっそ、ウミを殺そうかと思っているよぉ。
その後、冷凍保存したりとかね…。
これなら誰にも邪魔されず、ずっと2人でいられるじゃん。
可愛いウミは私の側から離れられないし、私の言いなり…。
こんな事を言う私はおかしいかな?」
「殺されちまうのは嫌だけどよ、俺はおまえが側にいてほしい。」
深く考え込まず、ウミはありのままの感情でソラに向き合った。
ソラはウミの腕を掴んだ。
「や、やめろよ。ソラ?俺はこんな所でなんか…。」
「腕を掴んだだけじゃない。私の心の中を読まないで。」
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