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覚醒!怒り狂うソラ!
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おまえのようなチンピラの分際で、俺が愛する女神を妻に娶り、立派なホールで、それも大勢の人がいる前で歌なんざ歌いやがって…。
俺は絶対に許さないぞ!強烈な逆恨みをするミカミは心の中で叫んだ。
パッ!
鮮やかなブルーのスポットライトがウミだけを照らす。
曲は見せ場のひとつでもあるギターソロに突入した。
会場は割れんばかりの熱狂で燃え盛るボルテージはとどまる事をしらない。
ステージ上で汗を散らしギターをかき鳴らすウミの元へ更に近づこうと、ミカミは群衆の中を力づくで掻き分け寄っていく。
「どけどけ!」
消化器を両手で抱き抱えながらオーディエンスにタックルをしていく。
目の前まで辿り着いたミカミは前方に身長が高く、わりとガッシリした体型の男を踏み台にした。
これにより、ステージ上のウミと視線がほぼ同じ位置になった。
周囲の人々もトランクスのみで、ほぼ全裸に近い男が消化器をステージに向けている異様な光景に驚き始める。
「ギター野郎!おまえの晴れ舞台はこれで台無しだぁぁぁ!!」
目を閉じて自分の世界に入り込み、ギターを演奏をしていたウミは騒めくオーディエンスに違和感を持つと、瞳を開けた瞬間、ミカミは消化器をウミに噴射したのだ。
「あっ!?」
ギターを抱えたウミは反射的に後ろへ下がった。
真っ白い粉が大量に散布される事態を飲み込めずにいる。
状況把握しようと頭を切り替えるのに務めた。
「ウミィ!!!」
一挙手一投足、ライブパフォーマンスをする夫から目を離さなかった妻はミカミの襲撃を見逃さなかった。
ウミの元へ駆け寄ろうとするソラを砂城院家の屈強な男達は、ソラがステージ中央に向かうのを阻止した。
「どいてよぉ!!!私のウミを傷つけたら、アイツを殺すから!!!」
「おまえらは演奏を止めんな!」
ウミはバンドメンバーに呼びかけてから、抱えていたエレキギターのネックを両手で掴み観客席で暴れるミカミに対してギターを力いっぱい薪を割るように振り下ろした。
「てめぇ死にやがれ!」
観客に揉みくちゃにされているミカミの頭部をギターのボディでかち割った。
大の字で横たわるミカミの周辺には、取り囲むようにポッカリ小さなサークルができて騒ついている。
「止めんなって言っただろうが!このタコ助!!」
鬼の形相でウミはカズを怒鳴りつける。
新規で加入したメンバー2人が青ざめた顔でウミの元へ駆け寄ってきた。
「気にすんな。おかしな奴が乱入しただけだ。
すぐ再開しよう。」
汗を拭いながらメンバーにライブを続行する事を伝えている矢先、ステージ袖から走りだしてきた人物を見て目を疑った。
砂城院家の従業員の隙をついて飛び出してきたソラは、ステージ中央まてやってきてマイクを使い仰向けで倒れているミカミに向かってがなりたてた。
「おい!!この変態ネズミ!?
私はここよぉ!」
頭をギターで殴打され意識を失っていたミカミだが、愛するソラの声に反応し水槽から飛び出して床に着地した金魚の如くピクピク身体を痙攣させている。
「私のウミに危害を加えた事、絶対に許さない!!
おまえなんか私が殺してやるぅ!!」
「どうして目を離したのっ!?」
かつらの呼びかけに応じ、砂城院家の男達もステージに向かう。
セラ達もステージに駆け寄っていく。
どよめく観客を前にソラはステージ下へ降りてゆき、オールスタンディングである観客席で倒れ込むミカミの足元まで向かった。
「ソラぁぁぁ!」
ウミもステージ下へ降りてゆく。
俺は絶対に許さないぞ!強烈な逆恨みをするミカミは心の中で叫んだ。
パッ!
鮮やかなブルーのスポットライトがウミだけを照らす。
曲は見せ場のひとつでもあるギターソロに突入した。
会場は割れんばかりの熱狂で燃え盛るボルテージはとどまる事をしらない。
ステージ上で汗を散らしギターをかき鳴らすウミの元へ更に近づこうと、ミカミは群衆の中を力づくで掻き分け寄っていく。
「どけどけ!」
消化器を両手で抱き抱えながらオーディエンスにタックルをしていく。
目の前まで辿り着いたミカミは前方に身長が高く、わりとガッシリした体型の男を踏み台にした。
これにより、ステージ上のウミと視線がほぼ同じ位置になった。
周囲の人々もトランクスのみで、ほぼ全裸に近い男が消化器をステージに向けている異様な光景に驚き始める。
「ギター野郎!おまえの晴れ舞台はこれで台無しだぁぁぁ!!」
目を閉じて自分の世界に入り込み、ギターを演奏をしていたウミは騒めくオーディエンスに違和感を持つと、瞳を開けた瞬間、ミカミは消化器をウミに噴射したのだ。
「あっ!?」
ギターを抱えたウミは反射的に後ろへ下がった。
真っ白い粉が大量に散布される事態を飲み込めずにいる。
状況把握しようと頭を切り替えるのに務めた。
「ウミィ!!!」
一挙手一投足、ライブパフォーマンスをする夫から目を離さなかった妻はミカミの襲撃を見逃さなかった。
ウミの元へ駆け寄ろうとするソラを砂城院家の屈強な男達は、ソラがステージ中央に向かうのを阻止した。
「どいてよぉ!!!私のウミを傷つけたら、アイツを殺すから!!!」
「おまえらは演奏を止めんな!」
ウミはバンドメンバーに呼びかけてから、抱えていたエレキギターのネックを両手で掴み観客席で暴れるミカミに対してギターを力いっぱい薪を割るように振り下ろした。
「てめぇ死にやがれ!」
観客に揉みくちゃにされているミカミの頭部をギターのボディでかち割った。
大の字で横たわるミカミの周辺には、取り囲むようにポッカリ小さなサークルができて騒ついている。
「止めんなって言っただろうが!このタコ助!!」
鬼の形相でウミはカズを怒鳴りつける。
新規で加入したメンバー2人が青ざめた顔でウミの元へ駆け寄ってきた。
「気にすんな。おかしな奴が乱入しただけだ。
すぐ再開しよう。」
汗を拭いながらメンバーにライブを続行する事を伝えている矢先、ステージ袖から走りだしてきた人物を見て目を疑った。
砂城院家の従業員の隙をついて飛び出してきたソラは、ステージ中央まてやってきてマイクを使い仰向けで倒れているミカミに向かってがなりたてた。
「おい!!この変態ネズミ!?
私はここよぉ!」
頭をギターで殴打され意識を失っていたミカミだが、愛するソラの声に反応し水槽から飛び出して床に着地した金魚の如くピクピク身体を痙攣させている。
「私のウミに危害を加えた事、絶対に許さない!!
おまえなんか私が殺してやるぅ!!」
「どうして目を離したのっ!?」
かつらの呼びかけに応じ、砂城院家の男達もステージに向かう。
セラ達もステージに駆け寄っていく。
どよめく観客を前にソラはステージ下へ降りてゆき、オールスタンディングである観客席で倒れ込むミカミの足元まで向かった。
「ソラぁぁぁ!」
ウミもステージ下へ降りてゆく。
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