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迫り来る恐怖!
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汗だくになったウミは着ていたTシャツを脱いで観客席へ投げつけた。
熱気を帯びた上半身から湯気が立ち昇っている。
「新曲。」
一言だけ呟き、印象的なギターリフをイントロで弾きはじめる。
「世界が美しく崩壊する日まで」
「生まれたらあっという間に
死ぬ約束を強制させられるんだ
皆は知ったつもりで生きている
君も君が好きな彼も
変わらないものはないと言う
心の内面を見つめてみようよ
皆は誰かがそう言うから疑問さえ抱かない
君も君が好きな彼女も
good-by
醜い世界が美しく崩壊する日まで
生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
筆舌に尽くし難いほど退屈だね
good-by
醜い世界が美しく崩壊する日まで
生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
この身を絶望に委ねたかったのさ
good-by
醜い世界が美しく崩壊する日まで
生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
あなたと滅びゆく大地で抱き合いたかった」
「この歌、ウミが作曲をしている段階から私は知っているよぉ!
夜中にギターを弾いてうるさかった時のだから印象に残っちゃってるの。
何度も注意をしてもやめないもんだから嫌がらせしてやろうと思って、後ろからウミの顔を私のオッパイで挟んでやった!」
「姉貴はそういう夫婦生活をしてんのね…。
身内だからこそ、あんまり聞きたくない情報だわ。」
「えっ!?なぁに?聞き取れない!」
姉は妹に耳をそば立てて言った。
「あの時のウミってば、口では邪魔をするなと言って嫌がる素振りをしていたけど、持っていたピック?を落として力が抜けて無抵抗になっていたよぉ!」
「もうその話はしなくていいっての!
ライブを観なさい!ライブを!!」
セラは珍しく姉を怒鳴った。
「さぁ、この辺でいいだろう。」
「爆弾魔を野に放つ瞬間です。」
ニシとギタリストはキャリーバッグを開きミカミを呼び出した。
「ああ…ふう、ふう…。」
「息苦しかった?」
ミカミはギタリストに対して当たり前の事をわざわざ聞くなよといった表情で頷いた。
「どうしよう。コイツを観客席に放り出します?」
「それは無謀だな。砂城院家がガッチガチにガードをしているからね~。
彼を観客席へ仕向けたところで、何もできず捕まってしまうのではないかな?」
「ちょっといい?お二人さん。」
ゴホンと大きく一つ咳払いしてからミカミは言った。
「ギター野郎を襲撃する前にどうしても女神を、ギター野郎のお嫁さんとエッチしたいんだ。
それができたら死んでも本望!」
ニシとギタリストは眉間に皺を寄せ、細めた目を合わせた。
「なんだよ、その顔は。ダメだなんて言わせない。
アンタらだって女神を襲っていい、派手にやれと言ったじゃないか。
今更、反対するなよ。
反対したら、おまえらも関わっていた事を必ず警察にチクるからな。」
「…そのウミの奥さんはどちらへ?」
「ウミの嫁さんなら舞台袖にいるのを俺は見かけました。
なぜだかわかりませんが、KISSのメンバーみたいな格好をしていましたよ。」
「あ!あの美人さんか!?派手なメイクでコスプレしていてもわかるほどの美人さんだったぞ!
まさに奇跡の美人だ!」
「ええ。普段は変装をしているらしいですが、ウミのスマホから偶然、嫁さんの顔が写った写真を見たことが一度だけあって。
まるで神話の世界から飛び出してきたようなヒロインって感じでしたね。」
「あの娘を歌手デビューさせたら国内どころか、全世界で大活躍間違いなしだ。
いやいや、正統派のアイドルの方がいいかもしれない!」
金儲けが得意なプロデューサーであるニシは、頭の中でシミュレーションをしているようだ。
「おい!俺は女神をヤるんだ!ちゃんとお膳立てしてくれなくちゃ困る!
ギター野郎のライブを台無しにするだけが目的じゃないぞ!」
熱気を帯びた上半身から湯気が立ち昇っている。
「新曲。」
一言だけ呟き、印象的なギターリフをイントロで弾きはじめる。
「世界が美しく崩壊する日まで」
「生まれたらあっという間に
死ぬ約束を強制させられるんだ
皆は知ったつもりで生きている
君も君が好きな彼も
変わらないものはないと言う
心の内面を見つめてみようよ
皆は誰かがそう言うから疑問さえ抱かない
君も君が好きな彼女も
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醜い世界が美しく崩壊する日まで
生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
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生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
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生きながえる事は不可能
Ah 瞬間に立ち合えない
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何度も注意をしてもやめないもんだから嫌がらせしてやろうと思って、後ろからウミの顔を私のオッパイで挟んでやった!」
「姉貴はそういう夫婦生活をしてんのね…。
身内だからこそ、あんまり聞きたくない情報だわ。」
「えっ!?なぁに?聞き取れない!」
姉は妹に耳をそば立てて言った。
「あの時のウミってば、口では邪魔をするなと言って嫌がる素振りをしていたけど、持っていたピック?を落として力が抜けて無抵抗になっていたよぉ!」
「もうその話はしなくていいっての!
ライブを観なさい!ライブを!!」
セラは珍しく姉を怒鳴った。
「さぁ、この辺でいいだろう。」
「爆弾魔を野に放つ瞬間です。」
ニシとギタリストはキャリーバッグを開きミカミを呼び出した。
「ああ…ふう、ふう…。」
「息苦しかった?」
ミカミはギタリストに対して当たり前の事をわざわざ聞くなよといった表情で頷いた。
「どうしよう。コイツを観客席に放り出します?」
「それは無謀だな。砂城院家がガッチガチにガードをしているからね~。
彼を観客席へ仕向けたところで、何もできず捕まってしまうのではないかな?」
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「ギター野郎を襲撃する前にどうしても女神を、ギター野郎のお嫁さんとエッチしたいんだ。
それができたら死んでも本望!」
ニシとギタリストは眉間に皺を寄せ、細めた目を合わせた。
「なんだよ、その顔は。ダメだなんて言わせない。
アンタらだって女神を襲っていい、派手にやれと言ったじゃないか。
今更、反対するなよ。
反対したら、おまえらも関わっていた事を必ず警察にチクるからな。」
「…そのウミの奥さんはどちらへ?」
「ウミの嫁さんなら舞台袖にいるのを俺は見かけました。
なぜだかわかりませんが、KISSのメンバーみたいな格好をしていましたよ。」
「あ!あの美人さんか!?派手なメイクでコスプレしていてもわかるほどの美人さんだったぞ!
まさに奇跡の美人だ!」
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まるで神話の世界から飛び出してきたようなヒロインって感じでしたね。」
「あの娘を歌手デビューさせたら国内どころか、全世界で大活躍間違いなしだ。
いやいや、正統派のアイドルの方がいいかもしれない!」
金儲けが得意なプロデューサーであるニシは、頭の中でシミュレーションをしているようだ。
「おい!俺は女神をヤるんだ!ちゃんとお膳立てしてくれなくちゃ困る!
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