私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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砂城院邸は門から屋敷まで徒歩1時間

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「どっひゃあ!かつらちゃんてスッゴイお家に住んでんのね。」

セラが大口を開けてたまげていると、ウミが義妹の肩をポンと叩いて言った。

「セラちゃん。かつらの家はこっからがヤバイんだぜ。」

威厳のある門を潜れば美しい日本庭園が見える。
大きな池があり、錦鯉が優雅に泳いでいた。

「なにこれー!あたしが祭りですくってきた金魚とは比べもんにならないよ!」

「シュゴー、ちょっとぉセラ。あまり大きな声で喚かないでよね。
かつらちゃんや、かつらちゃんのご近所さんに迷惑でしょ。」

「でっけぇ声で叫んだって近所迷惑にゃならねえよ。
屋敷だけでなく、見ての通り庭がクソ広い。
まるで代々木公園並みに広いんだぜ?
迷惑もへったくれもねえだろ…ん、あれは!?」

笑いながらソラに話すウミは、目の前の木を見つめるとすぐに手を伸ばした。

「おい、みんなカブトムシだぞ!これは俺がゲットしたんだ。貰っていいよな?な、な?」

「お義兄さん!あたしにも見せてよ!」

一行のなかでウミに負けず劣らず元気いっぱいのセラが、飛び跳ねるようにウミに近づいていく。

「シュゴー、まったく。ウミもセラも小学生みたいで恥ずかしいわ。
その点、あの2人と違って私達は大人ですね。ヒロコさん。」

「この景色最高!めっちゃ良いアングルだよ。」

ヒロコは愛用の一眼レフを手にして写真を撮っていた。

「シュゴ…ヒロコさんまで。」

景色だけでなく、そばに居たソラにカメラを向けた。

「美女も撮っておかなきゃ。」

ソラは両腕を伸ばしてピースをしたり頬を片側だけぷくっと膨らませたりポーズをとっている。

「お姉ちゃん可愛い!」

「ヒロコさんが撮ってくれた写真は、後でウミにあげます。シュゴー。」

「旦那さんきっと喜ぶよ。まさにおしどり夫婦だわ。」

ヒロコはシャッターを切っていく。

「オオニシさんも、来れば良かったのに。」

「オオニシさん?
オオニシさんはさすがにウチらと行動するのは照れ臭かったみたい。」

「硬派ですもんね。オオニシさん。シュゴー。」

ソラは好奇心でヒロコとオオニシの関係について詳しく聞こうと思ったが、喉元まででかかった質問をギリギリで飲み込んだ。

2人の関係を野次馬根性で聞き出すのは、お世話になっているヒロコに対して失礼な行為だと思ったからだ。


「ご覧の通りかつらの屋敷は謎に包まれている。
まだまだこの庭には色んな虫がいるはずなんだ。
俺はこの一帯を探検してヤンバルテナガコガネでも探してみようと思う。」

ウミは、したり顔をして"できる男"を演出している。

「ヤンバルなんとかって、この辺にもいるの?
あたしは、昆虫もいいけどモグラを探してみようかな?
前にテレビで観た時、可愛かったんだぁ。」

「おぉモグラか。
では一旦は別れてこの広大な庭を探検しようではないか。
1時間後、ここで待ち合わせとしよう。」

「ちょっと待ちなさい!」

ソラが夫と妹の首根っこを掴んで言った。

「シュゴー、ここは人様のお庭よ。勝手な事は許されないわ。
第一、かつらちゃんが私達を待っていてくれているのよぉ。」

幼稚な2人を前に呆れたソラは腕時計で時刻を見た。

「いっけない!もうこんな時間じゃない。これじゃ遅刻だわ。」

腕時計のない妹はソラの腕を見る。

「まだ、30分もあるじゃん。遅刻にはならないよ。」

「遅刻どころかちょっと早過ぎじゃない?」

ヒロコも疑問を口にした。

「違うのよ。かつらちゃんのお屋敷に辿り着くまで歩いて1時間はかかるの。シュゴー。」

「ええー!」

驚愕したセラとヒロコは口を合わせた。

「ソラの言う通りなんだ。まぁ、俺なら走って15分くらいだろうがな。」

「シュゴー、何も知らないヒロコさんとセラはともかく、ウミィ!アンタは知っていて道草していたのだから、悪質だわ。
お仕置きするから、今すぐパンツ脱いでお尻だしなさぁい!シュゴー。」

ソラはウミが履いているタイトなブルージーンズのボタンを強引に外そうとしている。

「や、止めろよ!ソラァ!2人が見てんだぞ!恥ずかしいだろうが!」

ソラにジーンズを足首まで下ろされてパンツ一枚だけの姿になった。
ウミが履いているパンツは小熊がおしゃぶりを咥えている可愛いイラストのパンツだった。

「さぁ、ウミィ。もう観念しなさいね。」

セラとヒロコはウミの霰もない姿を見て顔を赤らませている。

「ちょっと姉貴?それ以上はまずいって!」

「ソラちゃん、やり過ぎだよ。もうやめようよ。ね!」

「シュゴー、ウミは私の大切な旦那様だけど、幼稚だから教えてやらなきゃダメなのぉ。」

「ソラ!俺が悪かった!許してくれぇ!」

「ダメ!早くそのパンツを脱いで。ここでお尻出してね。」

その時、オープンカーがソラ達に近づいてきた。




























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