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歪んだまま
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サナエのマンションは窓が重く分厚い。
窓から見える景色は我が物顔で高速道路を突っ走る自動車ばかりだ。
「ここよりもっといいとこにも住めるんだけど今の私には住処はここで十分。」
サナエは電子煙草を手に持ってせっかちにスパスパ吸っている。
「吸う?」
モモは首を横に振った。
「シャワー浴びてサッパリしただろ?
ちょっとは冷静になれたんじゃない?」
モモはプイと顔をサナエから逸らした。
「ちょっと聞いていい?モモちんはさぁ、夢みがちな女子だったじゃん?
世界的なファッションデザイナーになって、女の子達を可愛くしたいとか。
しばらくしたら、スタイリストになって有名人の魅力を最大限に引き出したいって言ってもいた。
どうしてこうなった?確かにさ、両親とは不仲だったみたいだけど…。」
「やめて!モモはそんな昔の夢なんてとっくに捨ててるんだからね。」
サナエから借りたオーバーサイズの白いTシャツとウエストロープの付いたイエローのショートパンツに着替えていた。
「…この話をされるのは辛いわけね。
まぁ、私も数々の夢を諦めたし人の事は言えたもんじゃないしな。
でもね、ここはモモちんの偉大な先輩として忠告させてもらおう。
もう黒ギャルとその家族を攻撃するのは辞めな。
モモちんの逆恨みだよ?」
「サナエ先輩、変わった。」
「変わった?私が?」
電子煙草をスパスパ吸う。
「やられたらやり返せ!やられる前にやっちゃえ!」
モモはかつてのサナエが口癖にしていた言葉を座右の銘にしていた。
「あはっ、アホだった頃の私の捻くれた美学を引っ張り出さないでよ。」
サナエはバツが悪そうに貧乏ゆすりをしている。
「ずっと変わらないでいて欲しかったな。モモにとってサナエ先輩は憧れだったんだもん。」
モモは寂しげな表情で腫れた尻を撫でた。
「あちゃあ。私のせいだわ。悪影響を与えちゃったね。
今はさ働いてお金を稼ぎ、人よりもちょっとは良いもの食べて、人よりもちょっとは良い服着て、好きな男の事しか考えてないんだよ。
私も歳をとったんだもん。そりゃ変わるよ。寧ろ変われて良かった。」
「サナエ先輩は負け犬だと思う。
あんだけ強かったのに、今やただの小金持ちのキャバ嬢じゃん。」
バチン
頬を叩く乾いた音がした。
サナエの一方的なビンタにモモは無抵抗をあえて貫いた。
「負け犬だって?
てめぇ、ざけんなよ!いつまでもガキのまんまのくせしやがって知ったような口きいてんじゃねぇ!」
モモは口をへの字にして眉を下げ目に涙を溜めている。
「い、痛くないもん。」
フーフーと荒い呼吸を抑えて歯を食いしばって耐えてはいたが、モモの頬から涙が溢る。
「モモは負けたくないの。」
「てめえは意地を張る方向が間違ってんだよ。」
モモは必死に声を殺して泣いている。
サナエは昂る感情を落ち着かせようと電子煙草を深く吸って吐いた。
「痛かったか?さっき引っ叩いた事は謝る…ごめんな。
死ぬまで暴力なんか振るわないって誓ったのに自分で作った約束を破っちゃったよ…。
暴力は最低だ。」
サナエは冷静さを取り戻しつつあった。
「だけどさ…モモちんは今までちゃんと叱ってもらった事がないんだろ?
ずっと両親からはあたかもその場にはいないように扱われていたってゆってたし。」
サナエに言われた過去のトラウマを我慢できずモモは号泣した。
「モモちん。ケツが痛いんだってね。
パンティ脱いで。ケツにクリーム塗ったげる。」
窓から見える景色は我が物顔で高速道路を突っ走る自動車ばかりだ。
「ここよりもっといいとこにも住めるんだけど今の私には住処はここで十分。」
サナエは電子煙草を手に持ってせっかちにスパスパ吸っている。
「吸う?」
モモは首を横に振った。
「シャワー浴びてサッパリしただろ?
ちょっとは冷静になれたんじゃない?」
モモはプイと顔をサナエから逸らした。
「ちょっと聞いていい?モモちんはさぁ、夢みがちな女子だったじゃん?
世界的なファッションデザイナーになって、女の子達を可愛くしたいとか。
しばらくしたら、スタイリストになって有名人の魅力を最大限に引き出したいって言ってもいた。
どうしてこうなった?確かにさ、両親とは不仲だったみたいだけど…。」
「やめて!モモはそんな昔の夢なんてとっくに捨ててるんだからね。」
サナエから借りたオーバーサイズの白いTシャツとウエストロープの付いたイエローのショートパンツに着替えていた。
「…この話をされるのは辛いわけね。
まぁ、私も数々の夢を諦めたし人の事は言えたもんじゃないしな。
でもね、ここはモモちんの偉大な先輩として忠告させてもらおう。
もう黒ギャルとその家族を攻撃するのは辞めな。
モモちんの逆恨みだよ?」
「サナエ先輩、変わった。」
「変わった?私が?」
電子煙草をスパスパ吸う。
「やられたらやり返せ!やられる前にやっちゃえ!」
モモはかつてのサナエが口癖にしていた言葉を座右の銘にしていた。
「あはっ、アホだった頃の私の捻くれた美学を引っ張り出さないでよ。」
サナエはバツが悪そうに貧乏ゆすりをしている。
「ずっと変わらないでいて欲しかったな。モモにとってサナエ先輩は憧れだったんだもん。」
モモは寂しげな表情で腫れた尻を撫でた。
「あちゃあ。私のせいだわ。悪影響を与えちゃったね。
今はさ働いてお金を稼ぎ、人よりもちょっとは良いもの食べて、人よりもちょっとは良い服着て、好きな男の事しか考えてないんだよ。
私も歳をとったんだもん。そりゃ変わるよ。寧ろ変われて良かった。」
「サナエ先輩は負け犬だと思う。
あんだけ強かったのに、今やただの小金持ちのキャバ嬢じゃん。」
バチン
頬を叩く乾いた音がした。
サナエの一方的なビンタにモモは無抵抗をあえて貫いた。
「負け犬だって?
てめぇ、ざけんなよ!いつまでもガキのまんまのくせしやがって知ったような口きいてんじゃねぇ!」
モモは口をへの字にして眉を下げ目に涙を溜めている。
「い、痛くないもん。」
フーフーと荒い呼吸を抑えて歯を食いしばって耐えてはいたが、モモの頬から涙が溢る。
「モモは負けたくないの。」
「てめえは意地を張る方向が間違ってんだよ。」
モモは必死に声を殺して泣いている。
サナエは昂る感情を落ち着かせようと電子煙草を深く吸って吐いた。
「痛かったか?さっき引っ叩いた事は謝る…ごめんな。
死ぬまで暴力なんか振るわないって誓ったのに自分で作った約束を破っちゃったよ…。
暴力は最低だ。」
サナエは冷静さを取り戻しつつあった。
「だけどさ…モモちんは今までちゃんと叱ってもらった事がないんだろ?
ずっと両親からはあたかもその場にはいないように扱われていたってゆってたし。」
サナエに言われた過去のトラウマを我慢できずモモは号泣した。
「モモちん。ケツが痛いんだってね。
パンティ脱いで。ケツにクリーム塗ったげる。」
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