202 / 275
第5部 追う人、逃げる人、悪い人。
201
しおりを挟む
「無事でいてくれよ…ソラのお母さん。」
ウミは祈るような気持ちでタクシーの後部座席で窓から景色を眺める事を一度たりともせず、ただただ俯くばかりであった。
「相手は女とはいえ凶器を所持しているかもしれない。油断するなよ。」
スーツを着たオールバックの男がそういうと施錠されていなかった玄関を開け大嵐家に侵入した。
2人の男は素早い動きではあるが、ほとんど足音を鳴らす事をしない。
オールバックの男はリビングから気配を感じ、もう1人の男に合図を送った。
「どうした?」
「こっちだ。女の声と…妙な音も聞こえてくるぞ。」
ヴィーーーン
「アッアッアッ。アァン。もう止めてぇ。手を止めてぇ。」
電動で動く機械音とともに女の呻き声がリビングから漏れ伝わってくる。
2人の男は頷きリビングのドアを勢いよく開けた。
ガチャ
「これは…。」
「アァン!痛い!お願いだからもう止めてよ!」
「たとえ女の子でも暴力は許さないわよ!」
「これだって暴力じゃない?」
「アナタは大人に本気で叱ってもらった事がないのかしら?」
2人の男が見た光景は美人姉妹の母であり美熟女のユラがモモのショーツを下ろして生尻を叩いている姿だった。
「誰よアナタ達?勝手に人様の家に上がり込んで!サングラスなんかかけて偉そうね!」
オールバックの男が想定外の光景を見て、ぽかんとしていたがユラに強い口調で問われ、なぜこの場にいるか簡潔に説明した。
「ふうん。私を助けにねぇ。でもこの子には擦り傷一つも負わされてないわ。
ただね突然私に暴力を振るってきたからお仕置きしてるとこよ。」
バチン!
ユラは手のひらに"ハァァ"と息をかけてモモの尻を叩いた。
「アァン。痛いよ。もう離してぇ!」
尻を叩かれる度に身体がビクンと反応してピンク色に染まった尻が天井を向く。
「モモちゃん?ごめんなさいは?」
「ごめんなさい。」
モモは泣きじゃくっている。
「こんなに可愛いお顔とお尻をした女の子がどこでおかしくなっちゃったのかしら?
2人の年頃の娘を持つ母としておばさんは悲しいわ。」
2人の男は茫然と立ち尽くしている。
「ちょっとアンタ達!いつまで女の子のお尻を見ているのよ?
部屋から出ていきなさい!」
2人の男はユラの迫力に押され、すごすご廊下へ向かった。
「俺達は何の為にここへ来たんだ?」
「まさか変な小娘の尻を見るなんてな…。」
リビングを出た2人の男は同時にため息をついた。
「ほら、モモちゃん。自分で立てる?」
「…痛くて立てましぇん。」
「それならおばさんの肩に手を置きなさい。」
産まれたての子馬のようにモモはヨロヨロしながらも、ユラによって立ち上がるのを手伝ってもらいピンクのショーツを履かされている。
「まずは右足をあげてね。」
「はぁい。」
みみず腫れした痛々しい尻ではしばらく椅子に座る事はできないだろう。
「モモちゃん。アナタは本当は良い子の筈よ。
どうしてこんな事をしたの?」
「…モモは良い子じゃない。」
「いいえ。本来のアナタはきっと良い子のはずだわ。
ただアナタがおばさんをぶとうとしたのは許される行為ではないってわかるわね?
でも誤解しないで。暴力の対象がおばさんだから叱っているのではないの。
相手が誰であろうと絶対に暴力を振るっては駄目なのよ。
モモちゃんのお手てはね、人をぶつ為のものではないのよ。
アナタのお手ては何の為にあるお手てだと思う?」
号泣するモモはわからないと言い続けながら首を横に振っている。
「モモちゃんのお手てはね愛する人を優しく撫でたり、困っている人に手を差し伸べたりする為のお手なのよ。
決してさっきのような事に使ってはいけないの。」
ユラは優しく話しながらショーツを膝から鼠蹊部まで一気に履かせた。
「モモは悪い女なの。誰からも本気で愛された事はないの。
奥様やセラやソラとは違うのよ!」
ガチャーン
玄関ドアを乱暴に開け閉めする音が聞こえた。
「てめえら、そこをどけえ!」
その時、血相を変えたウミが廊下で立ち尽くす男2人を吹っ飛ばしユラとモモが居るリビングまで近づいてきた。
「ソラのお母さん!!俺ですウミです!」
ウミは祈るような気持ちでタクシーの後部座席で窓から景色を眺める事を一度たりともせず、ただただ俯くばかりであった。
「相手は女とはいえ凶器を所持しているかもしれない。油断するなよ。」
スーツを着たオールバックの男がそういうと施錠されていなかった玄関を開け大嵐家に侵入した。
2人の男は素早い動きではあるが、ほとんど足音を鳴らす事をしない。
オールバックの男はリビングから気配を感じ、もう1人の男に合図を送った。
「どうした?」
「こっちだ。女の声と…妙な音も聞こえてくるぞ。」
ヴィーーーン
「アッアッアッ。アァン。もう止めてぇ。手を止めてぇ。」
電動で動く機械音とともに女の呻き声がリビングから漏れ伝わってくる。
2人の男は頷きリビングのドアを勢いよく開けた。
ガチャ
「これは…。」
「アァン!痛い!お願いだからもう止めてよ!」
「たとえ女の子でも暴力は許さないわよ!」
「これだって暴力じゃない?」
「アナタは大人に本気で叱ってもらった事がないのかしら?」
2人の男が見た光景は美人姉妹の母であり美熟女のユラがモモのショーツを下ろして生尻を叩いている姿だった。
「誰よアナタ達?勝手に人様の家に上がり込んで!サングラスなんかかけて偉そうね!」
オールバックの男が想定外の光景を見て、ぽかんとしていたがユラに強い口調で問われ、なぜこの場にいるか簡潔に説明した。
「ふうん。私を助けにねぇ。でもこの子には擦り傷一つも負わされてないわ。
ただね突然私に暴力を振るってきたからお仕置きしてるとこよ。」
バチン!
ユラは手のひらに"ハァァ"と息をかけてモモの尻を叩いた。
「アァン。痛いよ。もう離してぇ!」
尻を叩かれる度に身体がビクンと反応してピンク色に染まった尻が天井を向く。
「モモちゃん?ごめんなさいは?」
「ごめんなさい。」
モモは泣きじゃくっている。
「こんなに可愛いお顔とお尻をした女の子がどこでおかしくなっちゃったのかしら?
2人の年頃の娘を持つ母としておばさんは悲しいわ。」
2人の男は茫然と立ち尽くしている。
「ちょっとアンタ達!いつまで女の子のお尻を見ているのよ?
部屋から出ていきなさい!」
2人の男はユラの迫力に押され、すごすご廊下へ向かった。
「俺達は何の為にここへ来たんだ?」
「まさか変な小娘の尻を見るなんてな…。」
リビングを出た2人の男は同時にため息をついた。
「ほら、モモちゃん。自分で立てる?」
「…痛くて立てましぇん。」
「それならおばさんの肩に手を置きなさい。」
産まれたての子馬のようにモモはヨロヨロしながらも、ユラによって立ち上がるのを手伝ってもらいピンクのショーツを履かされている。
「まずは右足をあげてね。」
「はぁい。」
みみず腫れした痛々しい尻ではしばらく椅子に座る事はできないだろう。
「モモちゃん。アナタは本当は良い子の筈よ。
どうしてこんな事をしたの?」
「…モモは良い子じゃない。」
「いいえ。本来のアナタはきっと良い子のはずだわ。
ただアナタがおばさんをぶとうとしたのは許される行為ではないってわかるわね?
でも誤解しないで。暴力の対象がおばさんだから叱っているのではないの。
相手が誰であろうと絶対に暴力を振るっては駄目なのよ。
モモちゃんのお手てはね、人をぶつ為のものではないのよ。
アナタのお手ては何の為にあるお手てだと思う?」
号泣するモモはわからないと言い続けながら首を横に振っている。
「モモちゃんのお手てはね愛する人を優しく撫でたり、困っている人に手を差し伸べたりする為のお手なのよ。
決してさっきのような事に使ってはいけないの。」
ユラは優しく話しながらショーツを膝から鼠蹊部まで一気に履かせた。
「モモは悪い女なの。誰からも本気で愛された事はないの。
奥様やセラやソラとは違うのよ!」
ガチャーン
玄関ドアを乱暴に開け閉めする音が聞こえた。
「てめえら、そこをどけえ!」
その時、血相を変えたウミが廊下で立ち尽くす男2人を吹っ飛ばしユラとモモが居るリビングまで近づいてきた。
「ソラのお母さん!!俺ですウミです!」
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる