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反撃開始!
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(セラ、ありがと…。でも私は大丈夫よ。自分の力でミカミを捕まえてみせるから。)
(はぁ?そんなん無謀すぎるよ。
新富福町の交番でしょ?今すぐ行くから警察官の指示に従っていてね。)
疲労が蓄積した足を止め、急いでスマホをポケットから取り出し姉の居場所を検索しはじめた。
どういう経緯で交番にいるかわからなかったが、安全の確保はされていると思い胸を撫で下ろしていた。
(実はね、交番にお巡りさんはいないのよ。目の前にいるのはミカミなの…。)
か細いソラの声がセラの頭にダイレクトで入ってきて、ショックのあまり持っていたスマホを手元から落としてしまった。
(近くには何かないのか!?なんでもいいから武器にしてミカミをやるんだ!
武器になるものがないなら隙をついて金的をおもいきり蹴り上げろ!
掴まれたら目ん玉を引っこ抜いてもいいからね!
野郎が痛みで悶え苦しんでいる間に姉貴はすぐ逃げろぉぉぉ!)
大きな声で捲し立てたセラは、その場に自分がいない事を心底憎んだ。
(ミカミに追い詰められて怖かったけど、アンタの声を聞いて勇気が湧いたよ。
大丈夫、私の身体にミカミは指一本も触れる事はできないわ。)
(そうは言ったって姉貴では無理だよ!)
(覚悟を決めた私に水を差さないで!自分の力で解決するんだから!)
(姉貴ぃ!?)
ソラは一方的にセラを遮断した。
みるみるうちに靄は小さくなってゆき消えていった。
「さっきから黙りこくってどうしたの?
お人形さんみたいに瞬きもしないから、俺の事が見えていないかのようだったよ。」
焦点をミカミに合わせたソラはプルッとした瑞々しく可憐な唇を動かした。
「なんだって?聞こえないなぁ~ソラちゃん。なんて言ったの?ねぇ?」
ミカミは右耳に右手を添えてニヤニヤしながらソラに問いただす。
「シュゴー、あなたの目的は私でしょ。
もう他の人に迷惑をかけるのは辞めてほしいの。」
ソラは心にある恐怖心をうち消す事はできなかったが、覚悟を決めて恐怖を抑え込んだ。
「他人に迷惑をかけたつもりはないよ。
ただ俺が崇めるソラちゃんが欲しいんだ。
それだけなのにみんなして俺を排除しようとする…。」
ニヤけた顔が一変し隠しようがない突き出た歯を剥き出しにしてソラへ言った。
「おしゃべりはお終いにして早く脱いでもらおうか。
いくら不在交番だといっても、タイミング悪く警官がきちゃったら、豊満なお乳や桃尻を味わえなくなってしまうからねぇ。」
「なにを勝手な事を言ってるのよ…。」
ソラはボソッと呟いた。
「あん?」
突き出た歯と共にマヌケな顔を伸ばしてソラを見た。
「だから勝手な事をばっかり言ってんじゃないわよって言ってるの!シュゴゴゴ。」
「ナハハハ。もしや怒ってるの?
ソラちゃんが怒ったところで俺はなーんも怖かないぞ。
奇跡の美女に怒られるのはある意味ご褒美で…。」
「シュゴー、うるさぁい!黙なさい!私の気持ちなんてこれっぽっちも考えず、いやらしいことばかりを繰り返しているアンタなんかに発言権はない!シュゴー。
自分がやっている事をちゃんと自覚しているの?
言っておくけどね、これは犯罪よ?犯罪!とても重い犯罪なのよ!
アンタは最低な事をしている自覚を持ちなさい!
こんな事をして許されるわけないんだから!シュゴー。」
ソラはミカミが話しているのを遮って感情をぶつけた。
「犯罪?冗談はよしてほしいな。
ギター野郎に蔑ろにされてヤサグレちゃったのだろう?
ソラちゃんをこんな風にしたアイツが許せないよ。」
腕をわざとらしく見せつけるように曲げて男らしさをアピールした。
「でもね、これからは俺がいるからもう心配ご無用。
心から敬愛するソラちゃんの為に、たくさん愛してあげるよ。
だから結婚してほしいし、エッチをしたいんだ。
照れずに素直になって俺を受け入れてほ…。」
「シュゴー。黙れー!この大馬鹿者!!ただの変態の分際でアンタが愛という言葉を使わないで!!!」
再度、話を遮られたうえに罵られたミカミは唇をブルブル震わせて言った。
「うぅ…また変態扱いしたな…。
い、いくらソラちゃんが宇宙の神秘が生んだ美女であろうと、今の発言を撤回しなければ、俺も手をあげるぞ!
さぁ、早く脱ぐんだ。無理やりされたくなきゃね。」
「早く脱いでだって?バカ言わないでよ!
誰がアンタなんかの前で裸にならなきゃいけないのよ!
ふざけるのもいい加減しなさい!この変態ネズミ!
私には最愛の夫がいるんだから!シュゴー。」
ソラは恐怖心が消え、ミカミへの激しい怒りが火山の如く噴火した。
(はぁ?そんなん無謀すぎるよ。
新富福町の交番でしょ?今すぐ行くから警察官の指示に従っていてね。)
疲労が蓄積した足を止め、急いでスマホをポケットから取り出し姉の居場所を検索しはじめた。
どういう経緯で交番にいるかわからなかったが、安全の確保はされていると思い胸を撫で下ろしていた。
(実はね、交番にお巡りさんはいないのよ。目の前にいるのはミカミなの…。)
か細いソラの声がセラの頭にダイレクトで入ってきて、ショックのあまり持っていたスマホを手元から落としてしまった。
(近くには何かないのか!?なんでもいいから武器にしてミカミをやるんだ!
武器になるものがないなら隙をついて金的をおもいきり蹴り上げろ!
掴まれたら目ん玉を引っこ抜いてもいいからね!
野郎が痛みで悶え苦しんでいる間に姉貴はすぐ逃げろぉぉぉ!)
大きな声で捲し立てたセラは、その場に自分がいない事を心底憎んだ。
(ミカミに追い詰められて怖かったけど、アンタの声を聞いて勇気が湧いたよ。
大丈夫、私の身体にミカミは指一本も触れる事はできないわ。)
(そうは言ったって姉貴では無理だよ!)
(覚悟を決めた私に水を差さないで!自分の力で解決するんだから!)
(姉貴ぃ!?)
ソラは一方的にセラを遮断した。
みるみるうちに靄は小さくなってゆき消えていった。
「さっきから黙りこくってどうしたの?
お人形さんみたいに瞬きもしないから、俺の事が見えていないかのようだったよ。」
焦点をミカミに合わせたソラはプルッとした瑞々しく可憐な唇を動かした。
「なんだって?聞こえないなぁ~ソラちゃん。なんて言ったの?ねぇ?」
ミカミは右耳に右手を添えてニヤニヤしながらソラに問いただす。
「シュゴー、あなたの目的は私でしょ。
もう他の人に迷惑をかけるのは辞めてほしいの。」
ソラは心にある恐怖心をうち消す事はできなかったが、覚悟を決めて恐怖を抑え込んだ。
「他人に迷惑をかけたつもりはないよ。
ただ俺が崇めるソラちゃんが欲しいんだ。
それだけなのにみんなして俺を排除しようとする…。」
ニヤけた顔が一変し隠しようがない突き出た歯を剥き出しにしてソラへ言った。
「おしゃべりはお終いにして早く脱いでもらおうか。
いくら不在交番だといっても、タイミング悪く警官がきちゃったら、豊満なお乳や桃尻を味わえなくなってしまうからねぇ。」
「なにを勝手な事を言ってるのよ…。」
ソラはボソッと呟いた。
「あん?」
突き出た歯と共にマヌケな顔を伸ばしてソラを見た。
「だから勝手な事をばっかり言ってんじゃないわよって言ってるの!シュゴゴゴ。」
「ナハハハ。もしや怒ってるの?
ソラちゃんが怒ったところで俺はなーんも怖かないぞ。
奇跡の美女に怒られるのはある意味ご褒美で…。」
「シュゴー、うるさぁい!黙なさい!私の気持ちなんてこれっぽっちも考えず、いやらしいことばかりを繰り返しているアンタなんかに発言権はない!シュゴー。
自分がやっている事をちゃんと自覚しているの?
言っておくけどね、これは犯罪よ?犯罪!とても重い犯罪なのよ!
アンタは最低な事をしている自覚を持ちなさい!
こんな事をして許されるわけないんだから!シュゴー。」
ソラはミカミが話しているのを遮って感情をぶつけた。
「犯罪?冗談はよしてほしいな。
ギター野郎に蔑ろにされてヤサグレちゃったのだろう?
ソラちゃんをこんな風にしたアイツが許せないよ。」
腕をわざとらしく見せつけるように曲げて男らしさをアピールした。
「でもね、これからは俺がいるからもう心配ご無用。
心から敬愛するソラちゃんの為に、たくさん愛してあげるよ。
だから結婚してほしいし、エッチをしたいんだ。
照れずに素直になって俺を受け入れてほ…。」
「シュゴー。黙れー!この大馬鹿者!!ただの変態の分際でアンタが愛という言葉を使わないで!!!」
再度、話を遮られたうえに罵られたミカミは唇をブルブル震わせて言った。
「うぅ…また変態扱いしたな…。
い、いくらソラちゃんが宇宙の神秘が生んだ美女であろうと、今の発言を撤回しなければ、俺も手をあげるぞ!
さぁ、早く脱ぐんだ。無理やりされたくなきゃね。」
「早く脱いでだって?バカ言わないでよ!
誰がアンタなんかの前で裸にならなきゃいけないのよ!
ふざけるのもいい加減しなさい!この変態ネズミ!
私には最愛の夫がいるんだから!シュゴー。」
ソラは恐怖心が消え、ミカミへの激しい怒りが火山の如く噴火した。
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