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妹のピンチ、姉は大ピンチ!?

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「いくら逃げたって奥様は俺のもの!ウヒャヒャヒャヒャー!」

獣のように奇声をあげ、ソラを捕まえようと目を血走らせている。

「あっ!交番にいくのかよ!」

ソラが脇目も振らず交番に入っていくのを見て、ミカミは警察を恐れて手前で止まりスニーカーのアウトソールをコンクリートですり減らした。

「シュゴー、シュゴー、オマワリさぁん!助けてください!シュゴー、シュゴー。
ストーカーに追われています!シュゴー、シュゴー。」

ノックをして呼びつけても奥にある休息室のドアは内側から固く施錠されており人の気配はなかった。

ソラは大量の汗を流しながら"不在交番"という空間のなかで右往左往している。

古い木目のデスクに固定電話が設置されいて、卓上案内板に番号が記載されいた。

受話器を握って通報をする事を考えたが状況説明をする暇なんてない。ミカミはすぐ目の前まで迫ってきているのだ。

今から交番を飛び出したところで、ミカミに捕まる可能性が高い。

もはや万事休す。

ソラは迫り来る今そこにある危機に絶望していた。

「やっぱりセラの言う通りだったんだ…。私なんかが1人でミカミをやっつけようなんて、そんな大それた事できっこなかったよぉ。
ウミィ…怖いよぉ…助けて。」

弱気になるとソラはせきを切ったように涙が溢れた。

足音が聞こえてくる。追いかけらている時と同じ足音だ。

ソラは武装の下、とめどなく溢れる涙で顔面が溺れてしまうのではないかと思った。

「おばんです。素敵な奥様。
ここは役立たずの交番だな。やっぱり警察官は税金泥棒だというのがわかった。」

ミカミが交番の引き戸を開けて中へ侵入してきた。

「シュゴー、来ないでぇ!!この変態ネズミ!!」

声が詰まりそうになりながらもソラはできるだけ大きな声で威嚇するように言った。

「森の中を散策する小さなリスが吠えたところでなんの恐怖もないよ。
ああ~、泣き叫ぶ声も可愛い…癒される…。」

「うるさいうるさい!私になんかしたらアンタなんかすぐ逮捕されるんだからね!シュゴー。」

私を探してくださいと記載された行方不明者のポスターや、過激派や指名手配犯のおどろおどろしいポスターが貼られた部屋で、ミカミと2人きりになってしまったソラは負けじと声を張った。

「奥様はこんなところでしたいの?すぐ近くにラブホがあるんだ。
もう諦めて俺についてきてよ。愛しているよ。ソラちゅあん。」

古い木目のデスクを挟んだ向こうから、ソラの元へやってきた。

「まさか清純派のソラちゃんが、交番でキモチよくしてほしい願望があるわけないよね。
そんなマニアックな性的趣向があるの?」

ソラは無言で八百屋で買ったネギを買い物袋から取り出して、剣道を習っている剣士のような姿勢をしてネギを手に持った。

「なははは!ソラちゃん。そのネギは竹刀しないのつもりかな?」

ミカミは大口を開けて笑った。

「俺はあの日からずっとソラちゃんを女神と思い崇拝してきたんだよ?
お顔、お乳、くびれ、桃尻、おみ足。全てがパーフェクト。
性格も優しくて清純。ちょっと天然なところもあるけどそれが男心をくすぐる。
ギター野郎とは離婚して、俺と再婚してほしいなぁ。
ソラちゃんは俺の子どもができたらバカなギター野郎は捨てるだろ?」

ミカミは前屈みになって木目のデスクをゆっくりどかした。

「ラブホよりこんな場所でヤるとは夢にも思わなかったよ。
一発で命中させる自信あるよ。
あ、でもね男のガキはいらん。可愛い女の子を産んでね。
ソラちゃんと俺の遺伝子なんだから可愛いに決まっているかぁ。」

ソラはネギを握りしめながら、この最悪な状況を無傷で脱出する方法を考えている。

「まぁ俺とソラちゃんの輝かしい未来の話は一旦おいて、この時間は快楽に溺れよっか。
可愛い喘ぎ声を聞かせてよぉ。ヒョヒョヒョヒョヒョオォ!」


ミカミは首を左右にコキコキ鳴らしてソラの元へ歩み寄っていく。























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