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妹のピンチ、姉は大ピンチ!?
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ケンスケはヤナセの肩を優しく叩き、おまえには手に負える女じゃない。
彼女を諦めろと優しく諭した。
ケンスケにとってヤナセは、かませ犬でありセラの性格や機嫌を知る為にヤナセを送り出したに過ぎない。
「いくら美人だからって、なんでヤナセ君はあのビッチに告ってんのよ。はぁー、もう意味わかんない。
あんさ、ケンスケ?ケンスケはモモに逆らった黒ギャルビッチにちゃんと焼きを入れるよね?」
誘導する為に"美人"や"巨乳"といったワードを使い二人の興味をそそらせ誘い出す事に成功したが、それは手段でありモモはセラを暴力的な追い込みをかけて痛めつける事が目的だ。
セラをスカウトしようなんてとっくに頭から消滅している。
しかしながら、追い込みをかけてくれると見込んでいたヤナセが、セラにベタ惚れしてしまい初対面でありながらも告白するというまさかの事態に落胆した。
そんなヤナセの失敗事例を目の当たりにしたモモは、自分の彼氏であるケンスケがヤナセの二の舞になるのではないか不安が募っていた。
「モモ、俺はそこの気の強い女に決めたよ。おまえの言う通り、良い女だ。
見つけてきてくれた事を感謝している。」
「えっ?でもあのビッチは絶対にモモ達とはヤりたがらないよ、きっと。
それより、焼きを入れたら?良い女はまだいるよ。
また3人でヤる為だけの女をモモが見つけてきてあげる。」
「いや、ダメだ。俺はあの女が欲しい。」
「あんさ、念のため聞くよ?
いい?本命はモモだよね?
あのビッチはマンネリ気味だからカンフル剤程度で使うだけの女だよね?
今まで通り身体だけで遊んだ後はちゃんと捨てるよね?」
モモは語気を強めてケンスケに詰め寄った。
ああ、と頷きはしたがヤナセ同様にセラに一目惚れをしたケンスケの本音はセラを自分の女にしたい、今すぐにでも手に入れたい。
食い尽くして無様な残飯になったモモなんぞ、早くゴミ箱にでも捨ててしまいたい存在だった。
「モモ、ケンスケの事を信じているからね。」
モモとは目を合わさず、問いかけにも返事はしなかった。
ケンスケはセラに夢中だ。
初恋をした時のように胸をドキドキ高鳴らせている。
ヤナセが行ったようにセナの前に立ち塞がって、声をかけるべきか考えている時、電柱に隠れるセラを見て不審に思い声をかけるのを躊躇っていた。
姉のソラは道なりに進み、曲がり角を曲がった。
後をつけて行くセラも曲がり角を曲がってパチンコ屋の出入り口付近に差し掛かった。
その際、セラは気配を感じて振り返り、ケンスケより先に発声した。
「おい…おまえはさっきのピンク女や刈り込んだ髪型の男と一緒にいたよな…。」
小さく口を動かすセラは先ほどとは異なり、怒鳴ることはせず青筋をたてるような顔でもない。
波のない静かな湖のようだ。
ケンスケは吸い込まれるように、ゆっくり美しいセラへ近づいていく。
残暑の厳しい日向で立ち止まってセラを見つめる。
もう二歩ほど歩み寄れば、引き締まった腰に手を回せる距離だ。
ケンスケは更に近づいてゆきメラメラ燃える太陽に手を伸ばした。
西陽がケンスケの目を狙い撃ちしたかと思うほど、辺りが真っ赤になって膝から崩れ落ちた。
彼女を諦めろと優しく諭した。
ケンスケにとってヤナセは、かませ犬でありセラの性格や機嫌を知る為にヤナセを送り出したに過ぎない。
「いくら美人だからって、なんでヤナセ君はあのビッチに告ってんのよ。はぁー、もう意味わかんない。
あんさ、ケンスケ?ケンスケはモモに逆らった黒ギャルビッチにちゃんと焼きを入れるよね?」
誘導する為に"美人"や"巨乳"といったワードを使い二人の興味をそそらせ誘い出す事に成功したが、それは手段でありモモはセラを暴力的な追い込みをかけて痛めつける事が目的だ。
セラをスカウトしようなんてとっくに頭から消滅している。
しかしながら、追い込みをかけてくれると見込んでいたヤナセが、セラにベタ惚れしてしまい初対面でありながらも告白するというまさかの事態に落胆した。
そんなヤナセの失敗事例を目の当たりにしたモモは、自分の彼氏であるケンスケがヤナセの二の舞になるのではないか不安が募っていた。
「モモ、俺はそこの気の強い女に決めたよ。おまえの言う通り、良い女だ。
見つけてきてくれた事を感謝している。」
「えっ?でもあのビッチは絶対にモモ達とはヤりたがらないよ、きっと。
それより、焼きを入れたら?良い女はまだいるよ。
また3人でヤる為だけの女をモモが見つけてきてあげる。」
「いや、ダメだ。俺はあの女が欲しい。」
「あんさ、念のため聞くよ?
いい?本命はモモだよね?
あのビッチはマンネリ気味だからカンフル剤程度で使うだけの女だよね?
今まで通り身体だけで遊んだ後はちゃんと捨てるよね?」
モモは語気を強めてケンスケに詰め寄った。
ああ、と頷きはしたがヤナセ同様にセラに一目惚れをしたケンスケの本音はセラを自分の女にしたい、今すぐにでも手に入れたい。
食い尽くして無様な残飯になったモモなんぞ、早くゴミ箱にでも捨ててしまいたい存在だった。
「モモ、ケンスケの事を信じているからね。」
モモとは目を合わさず、問いかけにも返事はしなかった。
ケンスケはセラに夢中だ。
初恋をした時のように胸をドキドキ高鳴らせている。
ヤナセが行ったようにセナの前に立ち塞がって、声をかけるべきか考えている時、電柱に隠れるセラを見て不審に思い声をかけるのを躊躇っていた。
姉のソラは道なりに進み、曲がり角を曲がった。
後をつけて行くセラも曲がり角を曲がってパチンコ屋の出入り口付近に差し掛かった。
その際、セラは気配を感じて振り返り、ケンスケより先に発声した。
「おい…おまえはさっきのピンク女や刈り込んだ髪型の男と一緒にいたよな…。」
小さく口を動かすセラは先ほどとは異なり、怒鳴ることはせず青筋をたてるような顔でもない。
波のない静かな湖のようだ。
ケンスケは吸い込まれるように、ゆっくり美しいセラへ近づいていく。
残暑の厳しい日向で立ち止まってセラを見つめる。
もう二歩ほど歩み寄れば、引き締まった腰に手を回せる距離だ。
ケンスケは更に近づいてゆきメラメラ燃える太陽に手を伸ばした。
西陽がケンスケの目を狙い撃ちしたかと思うほど、辺りが真っ赤になって膝から崩れ落ちた。
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