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妹のピンチ、姉は大ピンチ!?
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「そんな遠くからガンつける事なんて、誰だってできるよーだ!この弱虫!」
ソラに怒鳴られたあげく願いを拒否されたモモは、その恨みをセラにぶつけた。
「ヘンチクリン女に変わってアンタをスカウトしよっかなと思ったけどさ、止めたよ。
だってアンタ、ビッチじゃん。
変なビョーキを持ってたら怖いもん。
ほらほら!
もう用無しなんだからいつまでもガンつけてないでどっか行っちゃいなよー。
バイバーイ!キャハハハハ!」
「ビッチだぁ?人が我慢していれば調子にのりやがって!むかつくからアイツ、やっちまおうかな…。」
元来、野生的なセラは喧嘩を売られた際にする、メスのトラのような鋭い眼光を放った。
姉と瓜二つの顔をした妹ではあるが、ソラにはない生まれ持った表情を持ち合わせている。
「な、なにあの顔…ちょっとヤバくない?」
先ほどより睨みを効かせた本気のセラにモモは恐れをなした。
恐怖に支配されつつあるモモはジリジリ、後ずさっていく。
セラはハッとした。
思わず口にしたくらいだった。
何より大切な事を思い出したのだ。
思いもよらないモモという頭のおかしい人物から挑発をされ、ソラから目を離してしまった事に気付く。
慌てたセラはすぐさま、後ろを振り返った。
死んだ街をゾンビのようにあてもなく蠢く人々のなかにいても、決して混じる事のないソラを探す手間は不要だった。
ソラの歩行速度は決して速くはない。
同年代の女子に比べれば遅い方だろう。
それでもピンと背筋を伸ばし、指先に力を入れ両手をしっかり振って歩く姿は以前のソラとはひと味違っていた。
何かを掴んだような凛とした後ろ姿で歩く姉を、見失わずに済んだ事でホッとしたのと同時に怒りに支配された自分を恥じた。
もしもここで大好きな姉を見失い、凄惨な事件にでも巻き込まれてしまったらーーーー尊い命こそ奪われなかったとしても、大切な身体と心に一生の傷を負わされてしまったらーーーー
セラにはその十字架を背負って生きられないだろう。
「あらぁ?あらあらあら?さっきの威勢はどこへ行ったのかなぁ?
あんなにモモをガンつけておいて、今になってビビっちゃったわけ?
ダッサー!クソダッサー!」
物事を縦にしか考えられず奥行きのはない思考力のモモには、セラを単なるハッタリだけの女だと判断した。
セラの握り拳は震えていたが、数十メートル先のソラを追いかけるのに集中させた。
「アホや、あの女。なんにも知らんから突っかかっていけるんだ。
妹ちゃんの怖さをとくと味わった俺には命知らずにしか思えん…。」
ミカミはとある事務所の敷地内でブツブツ呟いているその時だ。
「おう、誰が命知らずだって?」
ソラに怒鳴られたあげく願いを拒否されたモモは、その恨みをセラにぶつけた。
「ヘンチクリン女に変わってアンタをスカウトしよっかなと思ったけどさ、止めたよ。
だってアンタ、ビッチじゃん。
変なビョーキを持ってたら怖いもん。
ほらほら!
もう用無しなんだからいつまでもガンつけてないでどっか行っちゃいなよー。
バイバーイ!キャハハハハ!」
「ビッチだぁ?人が我慢していれば調子にのりやがって!むかつくからアイツ、やっちまおうかな…。」
元来、野生的なセラは喧嘩を売られた際にする、メスのトラのような鋭い眼光を放った。
姉と瓜二つの顔をした妹ではあるが、ソラにはない生まれ持った表情を持ち合わせている。
「な、なにあの顔…ちょっとヤバくない?」
先ほどより睨みを効かせた本気のセラにモモは恐れをなした。
恐怖に支配されつつあるモモはジリジリ、後ずさっていく。
セラはハッとした。
思わず口にしたくらいだった。
何より大切な事を思い出したのだ。
思いもよらないモモという頭のおかしい人物から挑発をされ、ソラから目を離してしまった事に気付く。
慌てたセラはすぐさま、後ろを振り返った。
死んだ街をゾンビのようにあてもなく蠢く人々のなかにいても、決して混じる事のないソラを探す手間は不要だった。
ソラの歩行速度は決して速くはない。
同年代の女子に比べれば遅い方だろう。
それでもピンと背筋を伸ばし、指先に力を入れ両手をしっかり振って歩く姿は以前のソラとはひと味違っていた。
何かを掴んだような凛とした後ろ姿で歩く姉を、見失わずに済んだ事でホッとしたのと同時に怒りに支配された自分を恥じた。
もしもここで大好きな姉を見失い、凄惨な事件にでも巻き込まれてしまったらーーーー尊い命こそ奪われなかったとしても、大切な身体と心に一生の傷を負わされてしまったらーーーー
セラにはその十字架を背負って生きられないだろう。
「あらぁ?あらあらあら?さっきの威勢はどこへ行ったのかなぁ?
あんなにモモをガンつけておいて、今になってビビっちゃったわけ?
ダッサー!クソダッサー!」
物事を縦にしか考えられず奥行きのはない思考力のモモには、セラを単なるハッタリだけの女だと判断した。
セラの握り拳は震えていたが、数十メートル先のソラを追いかけるのに集中させた。
「アホや、あの女。なんにも知らんから突っかかっていけるんだ。
妹ちゃんの怖さをとくと味わった俺には命知らずにしか思えん…。」
ミカミはとある事務所の敷地内でブツブツ呟いているその時だ。
「おう、誰が命知らずだって?」
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