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第4部 姉貴を尾行!

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ソラは商店街を抜けて踏切を渡り線路沿いを歩いていく。

「行動が読めないわ。
あたしといる時、姉貴が怖いもの見たさで一度だけ線路沿いより向こう側を歩いた事があるけれど、暗く寂れた空間にドン引きして2度と行かないって言っていたのに…どうして?」

尾行をするセラは顎先を摩りながら考えている。

「女神はどうしてあちらへ行くんだ?
俺とは違って若く美しい女神には場違いだぞ。
そもそも、妹ちゃんの様子がおかしい。まるで女神の後をつけているようだな。」

ミカミは尾行をしているセラの背後をバレないよう間隔を保ち歩いている。

世帯じみている商店街とは打って変わり、街並みがガラリと変わった。

ソープ、ヘルス、ラブホテルが軒を連ねている通りをソラは一定の速度を保ったまま歩いて行く。

「俺からすりゃ好都合だ。愛しき女神をラブホに連れ込めば後はこっちのもんだしな。」

ミカミはソラを妊娠させてしまえば、ウミと離婚をして俺と再婚するはずだ。
18歳という若さでバツイチにさせてしまうのは申し訳ない。
ミカミはソラを尾行する妹のセラの尻を見ながら妄想にふけていた。

「しかし、あの魅惑の尻を持つ妹ちゃんをどうにかしないとなあ。」

過去、セラに殴られた鼻を押さえた。

放置されズラリと並ぶ違法駐車の横をソラは歩き続けて行く。

「マジでどこへ行くつもりなのさ。」

予測不能な行動をするソラに、たまらず声をかけてしまおうとしたがセラはぐっと耐えた。

「シュゴー、シュゴー。」

武装をしているソラはポンプから呼吸音を吐き出している。

昭和を引き摺るような古臭い商店街ではあったが、店も利用する人々も一般的な人々ばかり。
ソラの武装をした姿を見て道をあけていく。
皆、異様な風体をしたソラとは関わりたくないのだ。

だが、真っ赤に燃え上がる太陽でさえ顔を背いてしまうほど陽が当たらない路地裏ではソラの武装など、さほど気にも留めない者ばかりだった。

生ゴミが散乱している歩道をソラ、セラ、ミカミの順に歩く。
腐臭を放つ歩道から小便の匂いが入り混じり悪臭が辺り一帯を覆う。
カラスやドブネズミでさえ寄り付かないほどだ。

向かいから野球帽を被った60代くらいの男がワンカップを手に持ち、千鳥足で歩いている。
ソラに「おう!」と声をかけると、太鼓腹を押さえて嘔吐した。

吐瀉物を吐く男の横を通り抜けるソラ、セラ、ミカミは、この酔っ払い男に対して三者三様だ。

武装の下から横目で見た酔っ払いを"可哀想"と思うソラ。

次にソラを心配し尾行するセラは"姉貴にちょっかいをだしたら殺す"であり、最後尾を歩くミカミは酔っ払いなんて眼中になく、ソラを上手いことさらう方法で頭がいっぱいだった。


歩みを止めないソラは、酔っ払いが吐いた地点から20メートルほど歩いていると、長い髪をピンクに染め、穴だらけの白いタンクトップとテカテカしたフェイクレザーのミニスカート姿の女がソラに話しかけてきた。




























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