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だってウミは王子様だもん!

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「実はね、私の所にミカミが何度も出没しているの。
私だけでなく他の人を何人も巻き込んで大変な事件に発展しているのよぉ。」

「それなら、早く居場所を教えろよ!俺がお前を守るんだからよ!
ミカミの野郎をぶちのめしてやんぜ!」

ウミはソラの話を聞いて居ても立っても居られなくなり、早口で捲し立てた。

セラは姉夫婦の少々、いびつながらもラブラブな雰囲気を肌で感じ、ニコニコしてソラに近づいた。

「ありがとうね、本当にありがとう…ウミィ。ウミの愛が私をここまで導いたのよ。
アンタが、いや旦那様がいなければ、私は男性の愛を知らずに一生を終えたのでしょうね。
嗚呼ああ、私はより深く|永遠に愛し続けるわ…だって私は旦那様の妻だもの。」

ソラは腕を高く上げてミュージカル女優のように熱のこもった口調だが、デニムを下げた状態で白いショーツを丸出しにしており、滑稽こっけいであった。

尻を出しながら瞳を潤ませるソラの愛の言葉に、セラは口を押さえて必死に込み上げてくる笑いを堪えている。

「それなら、今すぐおまえの居場所を俺に教えてくれ。さぁ早く!」

「ううん。それはできない。」

「なんでだよ!?」

ウミは怒鳴った。

「居場所は私の口からは言わないわ。
ウミ?あなたは私の旦那様であり強くて優しい王子様でもあるのよ。
王子様なら自力で、か弱い私を見つけ出してほしいなぁ。
だから、私からは居場所を教える事はできません…。」

エキセントリックな姉の発言にセラは白目を剥きそうになっている。

「ソラ、おまえの居場所がわからねぇから、俺がこうして聞いているんだぞ?どこにいるか全く手掛かりがねえのさ。
意味をしっかり理解してくれよ。
変態ミカミに狙われているんだろ?
何かあってからじゃあ遅いんだぞ!」

ウミは先ほどのミカミの汚い部屋に侵入した事によりストレスを抱えていたが、更にここで頓珍漢とんちんかんな発言をするソラに腹が立って怒りがマックスになっている。
しかし怒鳴っては逆効果だ。ウミは怒りをぐっと堪えた。

「なぁソラよぉ?何度も言うがおまえが心配なんだ。
これはおまえが考える乙女のゲームなんかではないんだぜ?
旦那が愛する妻を心配して居場所を聞いているんだよ。
わけのわからない事を言っていないで、どこにいるか教えてくれ。」

「ウミの気持ちは、もちろん私にもわかるよぉ。
でもね、私達の愛の力が試されているの。
ウミなら私が居場所を教えなくても、きっと私を見つけ出せるわ!」

無気力に近い状態になったウミはスマホを切った。

「ダメだ…。ソラの考えがサッパリわからねえ。」

半乾きの髪の毛をタオルで巻いたまま畳に大の字になった。

「あら、電話が切れちゃった。ウミのスマホの電池が切れたのかなぁ?」

セラがゆっくり近づき、ヘソの下へ手を突っ込み姉のショーツをズリ下げた。

「人のオマタに何をするのよぉ~。」

ソラは恥ずかしそうに手でショーツを股まで上げて履き直した。

「姉貴はせっかくのチャンスをドブに捨てたのも同然だ!
このままお義兄さんと仲直りできたはずなのに!
もう信じらんないよ!」

セラは唇をプルプル震わせて悲しんでいる。

「大丈夫よ、セラ。だって私とウミは相思相愛。
きっと私を探し出すはずだわ。
今までだって私を数々のピンチから救ってくれたんだもの。
愛は偉大よ。
アンタも早く素敵な王子様を見つけることね。」

姉は妹に可愛らしくウィンクをした。

セラはしたり顔をして話すソラに腹が立ってきて、ソラの白いショーツに手をかけ今度は膝下までズリおろした。

「セラったら、また私にエッチなイタズラをして!
姉のオマタを見てなにが楽しいわけ!?」

「そんなら、おバカな姉貴のお尻をペンペンしてやろっか?」

「ちょっとぉー!やめなさいよぉ!変な事言わないでっ!」

本気の顔で言うセラを見て恐怖を感じたソラはトイレに駆け込み素早く鍵をかけた。





















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