私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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オオニシvs変態ミカミ

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「過去にも殴られたり、突き飛ばされた子達もいるんですよ。」

憤りを感じたソラは2人の警察官に言った。

「あんたらなんもしてないじゃん!それどころか、あたしがミカミを追い詰めた時、邪魔しちゃってさ!
早く逮捕してくんなきゃ、これからも被害が出てしまうよ!」

ベッドで寝込むヒロコを指差しながらセラは食ってかかった。
姉妹の主張を聞いて真摯に相槌をうつ若い警察官とは異なりベテランの警察官は黙ってやり過ごそうとしている。

「おい?あんたはあたしらの話聞いてんの?ちゃんとやってくんなきゃマジ困るんだけど。」

セラはベテランの警察官の目を見ながら言った。

「ちゃんと聞いてますよ。」

ベテランの警察官は鬱陶しいハエを払うかのように答えた。

「きっと次も来るはずだ。通報したらすぐ飛んで来いよな。
コンコルドより早く現場に到着する気持ちだぞ。」

怒りに満ちた表情で腕組みをしたセラの谷間は更に寄せられている。

「いくら被害者であってもね、そんな言い方されるとこちらとしてもだね。」

「こちらとしてもなんだ?言ってみろ。」

野生のメスヒョウのようなセラが捲し立てる。

オオニシがセラの肩を掴み、会話に入ってきた。

「おまわりさんよぉ、しっかりしてくれよ。
女の子達がこんだけ被害に遭っているんだぞ。
この必死な形相を見りゃわかるだろうが。」

「戸締りや女性の独り歩きは極力避けてください。」

オオニシの発言にベテランの警察官は通り一遍いっぺんの話をすると顎をプイと動かして若い警察官に玄関を出るよう指示をした。

やる気のない、そのあからさまな態度に皆が気づいた。

「あんたさ、ミカミのグルなのかい?」

セラが言うと、オオニシは「あの変態の親玉かもな。」と言った。
2人は苦笑いを浮かべながら、制服を着た二人組が玄関を出ていくのを見届けている。

煙草を吸おうとしたオオニシは自分の家ではない事に気づき再びポケットにしまおうとした時だ。

「こうなったら私がミカミと直接、戦うから!」

手足は震え、顔を赤くしながらソラは強い口調で言った。

セラとオオニシ、2人の警察官が一斉にソラを見た。

「ここにいる人達や高校生の男の子達にも被害が及んでいるのだもの。
私を狙うストーカーのせいで、みなさんに迷惑をかけてしまったから責任は私自身がとります…。」

「お嬢さん、悪いのはあの男なんだ。責任を感じる必要はどこにもない。」

「そうだよ。姉貴は被害者だよ。ヘタに動いたらミカミに何をされるかわかったもんじゃないよ!
アイツはど変態なんだからね!」

セラに言われてソラは表情を曇らせたが、お世話になっているヒロコがベッドで横たわるのを見てソラの覚悟は定まったようだ。

「自分の事だもん。
私、逃げない!私がミカミを捕まえて警察に引き渡してやるから!」

















































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