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オオニシvs変態ミカミ

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憎きミカミを追うつもりでいたが、苦しそうに座り込んでいるヒロコを見捨てるわけにはいかなかった。

「お姉さん、大丈夫かい?さぁ肩を貸すから掴まりな。」

ミカミに絞めらたせいで顔を真っ赤にしたヒロコはコクリと無言で頷き、オオニシに寄りかかった。

「このマンションの住人だろ?部屋まで行くよ。何階だい?」

オオニシは肩を貸すだけだったが、ヒロコの身体は華奢だ。
肩を貸すだけでは足取りが不安定な為、ヒロコだけでなくオオニシにとっても歩きづらかった。

「…お姉さん、いっそおぶってやるよ。そっちの方が安全だ。
何も気にする必要はないんだぞ。女を助けるのは当たり前の事だからな。」

ヒロコは見た目とは裏腹に優しいオオニシの言葉を聞いて声を殺して泣いた。

「お姉さん。俺が必ず仇はとってやるからな。あのボケはどうせまた来る。その時は警察に突き出そう。
実は俺もアイツに今のを含めて2回もやられてるんでね。
仕返しは倍返しじゃ済まないよ。」

筋肉質でゴツゴツした逞しい背中にヒロコは顔を埋めてガラシャツを涙で濡らしている。

ヒロコが泣いている事はオオニシもすぐ気がついたが敢えて何も言わなかった。
でなければ、どこへ逃げたかわからないミカミを怒りに任せて追いかけてしまう衝動にかられてしまうと考えたからだ。

ヒロコは自分が経営する"写真スタジオ・ヒロコ"のあるフロアをオオニシに教えてエレベーターに乗り、上に昇った。


エレベーターを降りて通路を歩く。

サイレンを鳴らしたパトカーがマンション付近に停まるのをオオニシは軽蔑しながら見ている。

「ケッ、今更、マッポのお出ましかよ。もっと早く来やがれってんだ!」

その時、写真スタジオ・ヒロコの玄関が勢いよく開いた。

「おっと!」

鼻先をぶつけそうになったオオニシはヒロコをおぶった態勢ながら、上手くかわした。

「ヒロコさん!」

セラがドアを開けるとすぐ後ろにソラも雪崩れ込んでくるように飛び出してきた。

「あれ!?どうしたの!?」

ヒロコをおぶっているオオニシを見て驚いた美人姉妹は口を揃えて同じ顔、同じ発言をしている。

「あれ?娘さん達じゃないか!」

オオニシも姉妹と同様に驚きを隠せずにいた。

「私達、パトカーのサイレンに気づいて出てきたんです!」

「姉貴にはストーカーがいるんだ。
そんでパトカーが来たから、またあの変態が何かをやらかしたんじゃないか気になったんだ。」

セラがソラの発言を補足した。

「このお姉さんにも、さっき聞いたよ。あのモヤシ野郎は過去にもやらかしていたようだな。
どうしようもないヤツだよ。まったく!」

こないだの警察官が2名やってきたのを玄関先でみたセラはため息をついている。















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