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オオニシvs変態ミカミ
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「モゾモゾなにをやっている?泣いたって許しはせんぞ。」
ポケットを弄るミカミにドスの効いた声で言った。
ミカミの隣にいるオオニシとは違い正面にいるヒロコにはミカミの行動がはっきり見えている。
ミカミがオオニシから逃げようとポケットから手を取り出した時、何を所持しているかわからなかったがヒロコは危険を察知していた。
「危ない!」
ヒロコは叫んだが間に合わなかった。
「ええい!」
マッチ棒のような細い腕でミカミはオオニシの眼元へライターを当てた。
「あちぃ、てめぇ!」
ミカミの首根っこを掴んでいた左手を離し、ライターで攻撃された目を咄嗟に押さえた。
「ひょひょひょひょ!」
奇声を発しながらミカミはマンションから逃げ出す。
「あんた、あの姉妹の上司だろ?なかなか美人だな。今度、可愛がってやるから俺の前で全裸で踊れよ。
お乳を揺らしてさ!」
ヒロコとすれ違いざまにミカミは気色悪い表情で卑猥な捨て台詞を残した。
ヒロコは29年間生きてきた中で初めて、ミカミの陰湿でヌメヌメしたような猥褻な発言にショックを受けてしまい悲鳴をあげた。
「舐め腐りやがって、こんの外道がぁー!」
オオニシは青筋を立ててミカミを捉えようと全力で追った。
「ダメだぁぁぁ逃げきれない!」
細い身体をしたミカミはゴツイ体型のオオニシから、どうやって逃げようか必死だ。
「そ、そうだ!」
変態で卑劣なマッチ棒男はある事を思いついた。
走り出したミカミだったが、買い物袋を持って茫然と立ちつくしているヒロコを捕まえた。
ガッ!
「それ以上俺を追うと、こ、この女をどうにかしちゃうぞぅ!」
ヒロコの首を腕で締めあげている。
「苦しい放して!」
苦しさにジタバタするヒロコは3人で食べようと買い物したパンが入った袋を地面に落とした。
「さぁ、今から俺の条件をのまなかったら、この女は恐ろしい目に合うだろう!」
ミカミは強引にヒロコを人質に捉えてオオニシと交渉しようと試みた。
「こんの野郎!!」
「はぁはぁ、いいか?今からおまえとの距離を広げていく。
俺が納得いく距離になったその時、この女を解放するつもりだ。
もし、一歩でも動いてみろ。コイツの首を締め上げて失神させてやるよ。」
興奮しながら話すミカミの息遣いにヒロコは顔を背けた。
オオニシは抑えきれない激しい怒りで両手の握り拳が震えている。
「まだまだ…まだだ!まだ来るなよ!」
オオニシとの距離は少しずつ離れていく。
「コホコホ、苦しい…。」
腕で首を圧迫されているヒロコは苦しそうに咳こんでいる。
「クソ…なす術がない…。」
「そうだ、そのままおとなしくしていろ。」
ミカミは顔を動かして周りを見た後、この辺ならオオニシから逃げられると考えた。
「よし、この女を解放してやる!」
ミカミは間髪入れずにヒロコを解放すると、後ろを振り向かず走り出した。
精神的なショックと首を絞められた苦しさにヒロコはその場でへたり込んでしまった。
ポケットを弄るミカミにドスの効いた声で言った。
ミカミの隣にいるオオニシとは違い正面にいるヒロコにはミカミの行動がはっきり見えている。
ミカミがオオニシから逃げようとポケットから手を取り出した時、何を所持しているかわからなかったがヒロコは危険を察知していた。
「危ない!」
ヒロコは叫んだが間に合わなかった。
「ええい!」
マッチ棒のような細い腕でミカミはオオニシの眼元へライターを当てた。
「あちぃ、てめぇ!」
ミカミの首根っこを掴んでいた左手を離し、ライターで攻撃された目を咄嗟に押さえた。
「ひょひょひょひょ!」
奇声を発しながらミカミはマンションから逃げ出す。
「あんた、あの姉妹の上司だろ?なかなか美人だな。今度、可愛がってやるから俺の前で全裸で踊れよ。
お乳を揺らしてさ!」
ヒロコとすれ違いざまにミカミは気色悪い表情で卑猥な捨て台詞を残した。
ヒロコは29年間生きてきた中で初めて、ミカミの陰湿でヌメヌメしたような猥褻な発言にショックを受けてしまい悲鳴をあげた。
「舐め腐りやがって、こんの外道がぁー!」
オオニシは青筋を立ててミカミを捉えようと全力で追った。
「ダメだぁぁぁ逃げきれない!」
細い身体をしたミカミはゴツイ体型のオオニシから、どうやって逃げようか必死だ。
「そ、そうだ!」
変態で卑劣なマッチ棒男はある事を思いついた。
走り出したミカミだったが、買い物袋を持って茫然と立ちつくしているヒロコを捕まえた。
ガッ!
「それ以上俺を追うと、こ、この女をどうにかしちゃうぞぅ!」
ヒロコの首を腕で締めあげている。
「苦しい放して!」
苦しさにジタバタするヒロコは3人で食べようと買い物したパンが入った袋を地面に落とした。
「さぁ、今から俺の条件をのまなかったら、この女は恐ろしい目に合うだろう!」
ミカミは強引にヒロコを人質に捉えてオオニシと交渉しようと試みた。
「こんの野郎!!」
「はぁはぁ、いいか?今からおまえとの距離を広げていく。
俺が納得いく距離になったその時、この女を解放するつもりだ。
もし、一歩でも動いてみろ。コイツの首を締め上げて失神させてやるよ。」
興奮しながら話すミカミの息遣いにヒロコは顔を背けた。
オオニシは抑えきれない激しい怒りで両手の握り拳が震えている。
「まだまだ…まだだ!まだ来るなよ!」
オオニシとの距離は少しずつ離れていく。
「コホコホ、苦しい…。」
腕で首を圧迫されているヒロコは苦しそうに咳こんでいる。
「クソ…なす術がない…。」
「そうだ、そのままおとなしくしていろ。」
ミカミは顔を動かして周りを見た後、この辺ならオオニシから逃げられると考えた。
「よし、この女を解放してやる!」
ミカミは間髪入れずにヒロコを解放すると、後ろを振り向かず走り出した。
精神的なショックと首を絞められた苦しさにヒロコはその場でへたり込んでしまった。
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