私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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オオニシvs変態ミカミ

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「ようやく9月に入ったけど永遠に暑いままなんじゃないか?」
ランニングシャツとトランクス姿のオオニシは月曜日の昼下がりに扇風機に当たりながら独り言を呟いている。

スマホで求人情報を長時間閲覧していたせいで、疲れ目に耐えきれなくなりスマホを床に置いて目頭を押さえた。

「はぁ~。イマイチな求人ばっかりだ。」

惨めな気持ちを抱え煙草に火をつけた。

「仕事をしてなくても、不幸の中にいても腹は減る…。」

オオニシは柄シャツを羽織り外に出た。

「最近、あの娘さん達に合わないな。」

姉妹が住むマンションを玄関先で下から見上げた。
咥え煙草のオオニシは、セラが借りている部屋に不審な人物を目撃した。

不審者は茶色の紙袋をドアノブにかけている。

「アイツはこの前、俺にぶつかってきた男じゃないか。娘さん達の部屋で何をしているんだ?怪しいヤツめ。」

ミカミの顔を忘れず覚えていたオオニシは迷う事なく、マンションのエレベーターで姉妹が住むフロアに向かう。

チン

オオニシは目的のフロアに着くと自分の記憶力の高さに笑みが溢れる。
エレベータードアの向こうにあの時、ぶつかって逃げたミカミが立っていたからだ。

「おい、あんちゃん。俺を覚えているか?俺は兄ちゃんの事をしっかり覚えていたよ。
|。」

「えっ?どなたさんで?」

怪訝な表情でミカミは言った。

「こないだタクシーから降りた俺に突然ぶつかってきて、謝りもせず逃げたのをなかった事にしようってのかい?」

ミカミは目を見開き、あの日の夜を思い出した。

「こんなところでなにをされているんですか?」

「それは俺の言うセリフだ。あんた、あの双子の姉妹が住む部屋をウロチョロしていただろう?何をしていたんだい?」

オオニシは笑って話したが目は座っている。

「お、俺は、いや、私はですね、あの~姉妹の友人でして頼まれた物を渡しただけです。はい。」

「おまえみてえな奴があの姉妹と友人だぁ?嘘臭えな。」

「そ、そんなぁ!信じてください!」

「まあそれとは別にして、あの時の借りは返させてもらうとするか。」

「あの時は貴方様に無礼を働いてしまい、申し訳ございません!」

ミカミは足を震わせながら泣きべそをかき始めた。

「泣くんじゃねえよ。おまえも野郎だろうが。」

オオニシは辺りを見回しながら言った。

「このマンションは古いわりに防犯カメラがあるから、おまえを殴れば証拠がバッチリ残ってしまう。
防犯カメラのない路地裏でやっちまえば足はつかねえ。
とりあえずエレベーターにおまえも乗れや。」

ミカミは恐ろしさで悲鳴をあげた。

「まだ殴ってもいねえのに泣き叫ぶんかい。どうしようもないヤツだな。」





























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