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ユウシン&トモキVS変態ミカミ
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俺が命懸けで飛び降りたってのに、女神の妹は簡単にやりやがった…。
ミカミは改めてセラの強さを思い知り舌を巻いた。
「もう逃げられないぞ!変態ネズミ!」
セラがミカミに接近して行った時だ。
けたたましくサイレンを鳴らしたパトカーが、ちょうど2人の中間に止まった。
2人の警察官がパトカーから降りてマンションのエレベーターへ小走りで向かって行く。
「お巡りさん!犯人はソイツですよ!」
セラは叫んだ。
「ひぃぃぃ!捕まってたまるかぁ!」
セラの発言で2人の警察官のうち、若い警察官が逃げるミカミを追って走った。
怒りが収まらないセラは警察官に任せて終わりにするのは癪《しゃく》に感じ、ミカミを追おうとしたが、40代くらいの警察官に止められてしまった。
「なんですか?お巡りさん、そこをどいてください!」
「お姉さん、落ち着こうよ。あとはこちらに任せて。」
「あんたらに任せてらんないよ!どけっての!」
背丈のある警察官が腕を広げ立ち塞がりセラの行く手を阻んだ。
「ママチャリだ!チャリが乗り捨てられている!」
ゴミ捨て場付近に薄汚れた赤い自転車が横たわっているのを見つけたミカミは歩道から少し外れて、自転車に近づき立て直した。
「鍵はかかっていない、うはぁ!今回もなんとかなるかも!」
ミカミは自転車に跨り走り出した。
「止まれ!」
若い警察官は腕を伸ばして子供を乗せる後部座席を掴もうとしたがスレスレで届かない。
ミカミは無我夢中で立ち漕ぎをしてスピードを上げた。
ミカミが運転する自転車の後輪が水溜まりを弾いて若い警察官の制服を濡らした。
「捕まりたくない!逃げ切って見せるぅぅ!」
鼻水を垂らしながらミカミは力いっぱいペダルを漕いでいく。
警察官との距離はみるみるひらいてしまった。
「ほら、あれを見てよ!逃しちゃってんじゃん!だからあんたらに任せらなかったんだ!」
警察官にミカミを追う邪魔をされたセラは絶望に近い表情だった。
後から右目を押さえながらセラの近くまでやってきたトモキが逃げていくミカミを悔しそうに見つめている。
「逃したか…。」
「あたしが逃したんじゃないよ!警察官がだらしないんだからね!」
「あっはい!わかってますよ。」
「お姉さん、だらしないって言い方はないでしょう?私達も通報があったからこうやって駆けつけたんだよ。」
警察官は被っている警官帽のつばを触りながら言った。
「だらしないって!捕まえられなかったんだからさ!
てかさっきからアンタ、身体をくっつけてくるんじゃないよ!
あたしのオッパイに当たってんだぞ!
好きな男にしか触らせないんだからさ!」
ミカミは改めてセラの強さを思い知り舌を巻いた。
「もう逃げられないぞ!変態ネズミ!」
セラがミカミに接近して行った時だ。
けたたましくサイレンを鳴らしたパトカーが、ちょうど2人の中間に止まった。
2人の警察官がパトカーから降りてマンションのエレベーターへ小走りで向かって行く。
「お巡りさん!犯人はソイツですよ!」
セラは叫んだ。
「ひぃぃぃ!捕まってたまるかぁ!」
セラの発言で2人の警察官のうち、若い警察官が逃げるミカミを追って走った。
怒りが収まらないセラは警察官に任せて終わりにするのは癪《しゃく》に感じ、ミカミを追おうとしたが、40代くらいの警察官に止められてしまった。
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「捕まりたくない!逃げ切って見せるぅぅ!」
鼻水を垂らしながらミカミは力いっぱいペダルを漕いでいく。
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「ほら、あれを見てよ!逃しちゃってんじゃん!だからあんたらに任せらなかったんだ!」
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後から右目を押さえながらセラの近くまでやってきたトモキが逃げていくミカミを悔しそうに見つめている。
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「だらしないって!捕まえられなかったんだからさ!
てかさっきからアンタ、身体をくっつけてくるんじゃないよ!
あたしのオッパイに当たってんだぞ!
好きな男にしか触らせないんだからさ!」
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※完結しました! 執筆状態を「完結」にするともう話を追加できないのを知らず、何のコメントもないまま普通に終わらせてしまいましたが、読んでくださった方、応援してくださった方ありがとうございました!
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