130 / 275
大嵐セラVS変態ミカミ
129
しおりを挟む
「イテテ…。」
ミカミは鼻を押さえて鏡を見ている。
「血は止まったが触ると痛い。あの凶暴な妹め、優しい女神と双子とは思えないくらいめちゃくちゃな女だ。」
「しかし、俺はこれで終わらないぞ。」
絆創膏を貼り替えてニヤリと笑った。
翌日(休日)
「姉貴?あたし夕飯を買いに行ってくるけど、食べたい物、欲しい物はあるかな?」
「待ってよぉ。私も行く!」
外出する為、武装をしようと準備を始めた。
「ミカミがつけまわしてくるかもしれないよ。自宅で留守番をしている方が安全じゃない?」
「えぇ~そうかな?私1人じゃ不安だし、セラも1人じゃ危ないんじゃないかな?」
「あたしは大丈夫!でも姉貴は独りで留守番をするのが怖いか…。」
セラはネックレスを指でジャラジャラさせながら考えた。
ピンポン
チャイムが鳴り2人は顔を見合わせた。
ソラはベッドに頭を抱えながら座り込む。
ウミがミカミには関わるなと言った事の意味をようやく理解できた。
「またミカミかな?」
「慌てちゃダメ!あたしがいるよ。」
セラはインターフォンの受話器を取った。
「どちらさんですか?」
「4階の船木です。」
受話器を耳から外してソラに言った。
「4階の船木さんだって。昨日の男の子のお母さんだと思う。」
「開けてくる。」
ソラは二つの鍵を解除して玄関を開けた。
後からセラも玄関へ向かう。
ガチャ
「あっ、夜分遅くにすみません。大嵐さんでよろしいでしょうか?
息子からお話を伺いまして。ストーカーに狙われていたとの事で本当に怖い思いをされましたね。」
ユウシンの母は深刻な表情で姉妹に話した。
「かなりヤバイ人だったんで、すぐ警察を呼びました。でもまたあの男はやってくると思います。
わざわざ、姉が住むアパートからあたしが住むこのマンションまで追いかけてくるほどの執念深さですからね。」
セラは眉間を寄せて話した。
「…そうだったんですね。今の話を聞いてまるでサスペンスドラマのような話に驚いています。
肝心な男の情報ですが、確かミカミという名前で見た目がネズミ顔だとユウシンから聞いてます。
このミカミに関しましてね、私は新たに調べたのですけどもやはりマンションの住民ではありません。
過去にミカミという苗字の入居者も私が知る限り18年間おりませんでした。」
「そうなると、ここのマンションと関わりがなく私が以前住んでいたアパートから、わざわざこちらに来ているのですね。」
ソラは気落ちしながら言った。
「もしかしたら、ミカミの身内や友人がマンションのどこかに住んでいるケースもあるかと思います。あとは近くのアパートを借りているとかネットカフェを利用しているかもしれませんし。」
「私は怖くて表を歩けなくなりそうです…。」
「何かあってからでは遅いですからね。なるべく複数人で行動をされるとか自衛をするしか今のところないですもんね…。」
俯くソラを見てユウシンの母も酷く落ち込んでしまった。
「あたしがいるから!安心して!また来たら今度はもっとエグいの食らわせてやるんだ!」
2人の前でセラは威勢よくシャドウを披露した。
ミカミは鼻を押さえて鏡を見ている。
「血は止まったが触ると痛い。あの凶暴な妹め、優しい女神と双子とは思えないくらいめちゃくちゃな女だ。」
「しかし、俺はこれで終わらないぞ。」
絆創膏を貼り替えてニヤリと笑った。
翌日(休日)
「姉貴?あたし夕飯を買いに行ってくるけど、食べたい物、欲しい物はあるかな?」
「待ってよぉ。私も行く!」
外出する為、武装をしようと準備を始めた。
「ミカミがつけまわしてくるかもしれないよ。自宅で留守番をしている方が安全じゃない?」
「えぇ~そうかな?私1人じゃ不安だし、セラも1人じゃ危ないんじゃないかな?」
「あたしは大丈夫!でも姉貴は独りで留守番をするのが怖いか…。」
セラはネックレスを指でジャラジャラさせながら考えた。
ピンポン
チャイムが鳴り2人は顔を見合わせた。
ソラはベッドに頭を抱えながら座り込む。
ウミがミカミには関わるなと言った事の意味をようやく理解できた。
「またミカミかな?」
「慌てちゃダメ!あたしがいるよ。」
セラはインターフォンの受話器を取った。
「どちらさんですか?」
「4階の船木です。」
受話器を耳から外してソラに言った。
「4階の船木さんだって。昨日の男の子のお母さんだと思う。」
「開けてくる。」
ソラは二つの鍵を解除して玄関を開けた。
後からセラも玄関へ向かう。
ガチャ
「あっ、夜分遅くにすみません。大嵐さんでよろしいでしょうか?
息子からお話を伺いまして。ストーカーに狙われていたとの事で本当に怖い思いをされましたね。」
ユウシンの母は深刻な表情で姉妹に話した。
「かなりヤバイ人だったんで、すぐ警察を呼びました。でもまたあの男はやってくると思います。
わざわざ、姉が住むアパートからあたしが住むこのマンションまで追いかけてくるほどの執念深さですからね。」
セラは眉間を寄せて話した。
「…そうだったんですね。今の話を聞いてまるでサスペンスドラマのような話に驚いています。
肝心な男の情報ですが、確かミカミという名前で見た目がネズミ顔だとユウシンから聞いてます。
このミカミに関しましてね、私は新たに調べたのですけどもやはりマンションの住民ではありません。
過去にミカミという苗字の入居者も私が知る限り18年間おりませんでした。」
「そうなると、ここのマンションと関わりがなく私が以前住んでいたアパートから、わざわざこちらに来ているのですね。」
ソラは気落ちしながら言った。
「もしかしたら、ミカミの身内や友人がマンションのどこかに住んでいるケースもあるかと思います。あとは近くのアパートを借りているとかネットカフェを利用しているかもしれませんし。」
「私は怖くて表を歩けなくなりそうです…。」
「何かあってからでは遅いですからね。なるべく複数人で行動をされるとか自衛をするしか今のところないですもんね…。」
俯くソラを見てユウシンの母も酷く落ち込んでしまった。
「あたしがいるから!安心して!また来たら今度はもっとエグいの食らわせてやるんだ!」
2人の前でセラは威勢よくシャドウを披露した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる