126 / 275
好きになった人は母校の先輩でした
125
しおりを挟む
「別に付き合いたいなんて僕は思ってないよ。」
「恋人にはなれないから、ただ遠くで見ていたい。そんな気持ちなんだろ?
でも、そんな気持ちを抱えたまま生きていたら、いずれユウシンはあのお姉さんに悲しい恋をしてしまうぞ。
永遠に実る事のない悲しい恋をな。」
「永遠に実る事のない恋…。熟すこともなく永遠に青い果実って事?」
「ユウシン、おまえちょっと上手いこと言ったな。
そう、おまえの言った通りだ。残念だが青いまま、虚しい片想いで終わる。」
トモキはカバンを背負った。
「俺、そろそろ帰るよ。おまえの勉強の邪魔になってるみたいだし。」
「トモキ君、どことなく落ち込んでない?」
「ちょっとオッパイが大きくてその辺にいる街の可愛いお姉さんレベルかと思いきや、地上に降り立った天使に俺如きじゃ相手にされるはずかない。」
「やっぱりトモキ君は綺麗なお姉さんに会いたくてウチに来たんだね。」
「あったりめえだ。」
「僕、送るよ。」
「いいよ。男なんかに送ってもらいたくないわ。あの美人なお姉さんに送ってもらいたい。」
トモキはユウシンの母に頭を下げた。
「おばさんお邪魔しました。」
「ありがとう。また遊びに来てね。」
「母さん、トモキ君の事をエレベーターまで送るよ。」
2人はエレベーターで1階まで降りようとした時、通路側から若い女性2人の声が聞こえてくる。
「もしかして?」
「まさか。」
ユウシンは、昨日に引き続き今日も会えるのかと期待に胸が高鳴ってはいたが同時に美しすぎるソラに恐怖を感じていた。
「ヒロコさんに仕事の出来を褒められちゃった!」
「ウチら、今、ノリに乗ってるよね!」
ユウシンとトモキは声のする方向へ自然と振り向いた。
「昨日のお姉さんだ。」
「間近で見ると更に美しさがわかるな…。隣の金髪のお姉さんも野生的でセクシーだ。」
「あのお姉さんは双子なんだね。」
ソラとセラはエレベーターを待っている2人の後ろに立った。
タイプが異なる超絶美女2人が俺の後ろにいる…なんだこのプレッシャーは!
トモキは心で叫んだ。
トモキ君の心の叫びが僕にも聞こえてくる気がする。
ずっとお姉さん達と居たいけど、でも自信のない僕らには同じ空間にいるなんて事耐えられない。
ユウシンは身体を硬直させながら隣にいるトモキの気持ちを読めた。
チョンチョン
ユウシンの肩をソラが人差し指で触った。
「あれ、昨日、エレベーターで鍵を落とした男の子だよね?」
「ふぁい!そうです。」
ユウシンは返事をする時、「はい!」が「ふぁい!」になってしまったと悔やんだが、「そうです。」はハッキリ言えたから及第点だと自分に言い聞かせた。
「ウソー姫君の制服だ!シャツの色でわかったよ。」
可憐だ、なんて可憐なお姉さんなんだ。男子2人はソラに惚れ惚れしている。
「姉貴の後輩だね!ってことは勉強ができる子達か。」
ヘソを丸出しにしたクロップドトップスをセクシーに着こなしたセラが男子2人に歩み寄って2人を交互に見た。
男子2人はセクシーなセラに目を合わす勇気がなかった。
「花見桜子先生はお元気?」
ユウシンはゴクリと息を飲んだ後、「はい。元気です。ぼ、僕らの担任です。」と伝えた。
「お兄さん達も?実は私が1年生の時の担任だったのよ。美しい桜の花が咲いたから名前が桜子になった話は今もしている?」
手のひらを胸元で合わせ笑顔でユウシンに聞いた。
「は、はい。初日のホームルームで花見先生から聞かされました。」
「先生の鉄板ネタだったのね。」
話している間にエレベーターがやってきて、ソラとセラは自宅のあるフロアで降りて、男子2人は1階まで降りた。
「おまえばっか、お姉さん達と仲良く話やがって!」
トモキは逆水平チョップをユウシンの胸元に1発浴びせた。
「いて!仕方ないよ。お姉さん達から僕に話しかけてきたんだから!
そもそもトモキ君は相手にされないからという理由で2人を諦めたんじゃなかったの?」
「うるせえや!チャンスがあれば俺だってお姉さん達と話したかったぜ!」
「あっ?」
ユウシンが右手を後頭部に添えた。
「僕、うっかりエレベーターで1階まで降りてきちゃった。」
「恋人にはなれないから、ただ遠くで見ていたい。そんな気持ちなんだろ?
でも、そんな気持ちを抱えたまま生きていたら、いずれユウシンはあのお姉さんに悲しい恋をしてしまうぞ。
永遠に実る事のない悲しい恋をな。」
「永遠に実る事のない恋…。熟すこともなく永遠に青い果実って事?」
「ユウシン、おまえちょっと上手いこと言ったな。
そう、おまえの言った通りだ。残念だが青いまま、虚しい片想いで終わる。」
トモキはカバンを背負った。
「俺、そろそろ帰るよ。おまえの勉強の邪魔になってるみたいだし。」
「トモキ君、どことなく落ち込んでない?」
「ちょっとオッパイが大きくてその辺にいる街の可愛いお姉さんレベルかと思いきや、地上に降り立った天使に俺如きじゃ相手にされるはずかない。」
「やっぱりトモキ君は綺麗なお姉さんに会いたくてウチに来たんだね。」
「あったりめえだ。」
「僕、送るよ。」
「いいよ。男なんかに送ってもらいたくないわ。あの美人なお姉さんに送ってもらいたい。」
トモキはユウシンの母に頭を下げた。
「おばさんお邪魔しました。」
「ありがとう。また遊びに来てね。」
「母さん、トモキ君の事をエレベーターまで送るよ。」
2人はエレベーターで1階まで降りようとした時、通路側から若い女性2人の声が聞こえてくる。
「もしかして?」
「まさか。」
ユウシンは、昨日に引き続き今日も会えるのかと期待に胸が高鳴ってはいたが同時に美しすぎるソラに恐怖を感じていた。
「ヒロコさんに仕事の出来を褒められちゃった!」
「ウチら、今、ノリに乗ってるよね!」
ユウシンとトモキは声のする方向へ自然と振り向いた。
「昨日のお姉さんだ。」
「間近で見ると更に美しさがわかるな…。隣の金髪のお姉さんも野生的でセクシーだ。」
「あのお姉さんは双子なんだね。」
ソラとセラはエレベーターを待っている2人の後ろに立った。
タイプが異なる超絶美女2人が俺の後ろにいる…なんだこのプレッシャーは!
トモキは心で叫んだ。
トモキ君の心の叫びが僕にも聞こえてくる気がする。
ずっとお姉さん達と居たいけど、でも自信のない僕らには同じ空間にいるなんて事耐えられない。
ユウシンは身体を硬直させながら隣にいるトモキの気持ちを読めた。
チョンチョン
ユウシンの肩をソラが人差し指で触った。
「あれ、昨日、エレベーターで鍵を落とした男の子だよね?」
「ふぁい!そうです。」
ユウシンは返事をする時、「はい!」が「ふぁい!」になってしまったと悔やんだが、「そうです。」はハッキリ言えたから及第点だと自分に言い聞かせた。
「ウソー姫君の制服だ!シャツの色でわかったよ。」
可憐だ、なんて可憐なお姉さんなんだ。男子2人はソラに惚れ惚れしている。
「姉貴の後輩だね!ってことは勉強ができる子達か。」
ヘソを丸出しにしたクロップドトップスをセクシーに着こなしたセラが男子2人に歩み寄って2人を交互に見た。
男子2人はセクシーなセラに目を合わす勇気がなかった。
「花見桜子先生はお元気?」
ユウシンはゴクリと息を飲んだ後、「はい。元気です。ぼ、僕らの担任です。」と伝えた。
「お兄さん達も?実は私が1年生の時の担任だったのよ。美しい桜の花が咲いたから名前が桜子になった話は今もしている?」
手のひらを胸元で合わせ笑顔でユウシンに聞いた。
「は、はい。初日のホームルームで花見先生から聞かされました。」
「先生の鉄板ネタだったのね。」
話している間にエレベーターがやってきて、ソラとセラは自宅のあるフロアで降りて、男子2人は1階まで降りた。
「おまえばっか、お姉さん達と仲良く話やがって!」
トモキは逆水平チョップをユウシンの胸元に1発浴びせた。
「いて!仕方ないよ。お姉さん達から僕に話しかけてきたんだから!
そもそもトモキ君は相手にされないからという理由で2人を諦めたんじゃなかったの?」
「うるせえや!チャンスがあれば俺だってお姉さん達と話したかったぜ!」
「あっ?」
ユウシンが右手を後頭部に添えた。
「僕、うっかりエレベーターで1階まで降りてきちゃった。」
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

見えるものしか見ないから
mios
恋愛
公爵家で行われた茶会で、一人のご令嬢が倒れた。彼女は、主催者の公爵家の一人娘から婚約者を奪った令嬢として有名だった。一つわかっていることは、彼女の死因。
第二王子ミカエルは、彼女の無念を晴そうとするが……

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。
Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。
政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。
しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。
「承知致しました」
夫は二つ返事で承諾した。
私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…!
貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。
私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】愛くるしい彼女。
たまこ
恋愛
侯爵令嬢のキャロラインは、所謂悪役令嬢のような容姿と性格で、人から敬遠されてばかり。唯一心を許していた幼馴染のロビンとの婚約話が持ち上がり、大喜びしたのも束の間「この話は無かったことに。」とバッサリ断られてしまう。失意の中、第二王子にアプローチを受けるが、何故かいつもロビンが現れて•••。
2023.3.15
HOTランキング35位/24hランキング63位
ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる