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好きになった人は母校の先輩でした

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「山田君、オヤツを召し上がって。」

「うわぁ美味しそうなチョコレート!」

「これは、老舗レストランが販売しているマキシム・ド・パリのよ。」

「ユウシンのお母さんありがとうございます!さっそくいただきます!」

「山田君、ゆっくりしていってね。」

ユウシンの母は笑顔で部屋から出て行った。

「美味しい!!」

トモキはパクパク口に運んでいく。

「ユウシンはいつもこんな美味いもんばかり食っているのか?なんてずるいヤツなんだ!」

「…僕はプログラミングをやるから。」

デスクに座ってパソコンの電源を入れた。

「おまえん家はゲームとかないの?プレステ5とかスイッチとかさ。」

綺麗に整頓された部屋を見渡す。

ユウシンの部屋は生活に必要な物が最低限あるだけで殺風景な部屋だ。
唯一、目を惹くのは大きな観葉植物くらいだ。
その観葉植物もユウシンの母が、部屋に緑があった方がいいという理由で勝手に置いたものだった。

「僕は持ってないよ。コンシューマーゲームは小さい頃、やったきりなんだ。」

「退屈なヤツだね~。」

トモキはチョコレートを頬張りながら窓を開けた。

「おまえの部屋は換気してねえだろ?空気が澱んでる。」

「窓を開けるとうるさくて、集中できないから閉めてるんだ。」

高速道路が近隣にあり、けたたましい音で大型トラックが通り過ぎて行った。

「こういう事か。だから窓も二重サッシなんだな。」

Pythonパイソンを学習しているユウシンはコクリと頷いた。

「これなら閉めるっきゃねえな。」

トモキは窓を閉めようとした矢先にお目当ての双子の美人姉妹のうち1人を見つけた。

「おい、ユウシン。ユウシンてば!」

「さっきから話しかけてくるトモキ君がうるさくて気が散ってしまうよ。」

「そんなもんやってる場合じゃないって!
おまえが一目惚れしたお姉さんてあの人じゃないのかな?」

デスクトップのパソコンから目を離して、トモキがいる窓際に近づいた。
ここまで他人に興味を示す事がなかったユウシンはソラに夢中になった。

「うん!あのお姉さんだよ。」

「すごく美人だな。オッパイも歩いているだけで揺れるほどおっきい…。きっと地球上で1番の美人だろうな。」

トモキは窓を閉めた。

「え、トモキ君?」

まだソラを見ていたかったユウシンは窓を閉めるトモキの行動が理解できなかった。

「まさかここまで美人なお姉さんだったなんて…。
ユウシン、お姉さんの事は諦めろ。おまえの恋は実りはしないからだ。
俺だってあの美しい人の側には近づく事さえできないよ。
緊張しちゃって上手く喋れる自信がない。
おまえは偶然エレベーターで居合わせたとはいえ、あの神がかった美人のスマイルを見れたのだからそれだけでも幸運さ。」





























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