124 / 275
好きになった人は母校の先輩でした
123
しおりを挟む
「トモキ君…僕の家とは正反対のはずなのになぜついてくるの?」
「おまえは弱いからな。下校時に北高のヤンキーどもに、また絡まれるかもしれないだろう?その時は弱いおまえを強い俺が助けてやらなきゃな。」
「あの時は本当に感謝しているけど、でも僕はこの後、プログラミングの学習をしなきゃならないんだ。」
「それで?俺がいたってプログラミングでもスイミングでもできるだろ?」
「…どうせトモキ君の狙いは僕が昨日出会った綺麗なお姉さん達だろ?
偶然、昨日は会えたけれど今日も会えるとは限らないよ。」
ユウシンはトモキの安直さに呆れている。
「俺をバカ扱いするつもりかよ?どうせ、俺はおまえらと違ってスポーツ特待生だから筆記試験なんかしてないからな。
卒業生にも、音楽で入学した青髪のロックバカがいたようだし。
俺らは勉強は苦手だが一芸に奏でているんだぜ!」
トモキはユウシンが背負っているカバンに蹴りをみまった。
「いたいな。また暴力をふるうの?」
「戯れているだけだ。」
ユウシンの後をついてきたトモキもエレベーターに乗り込んだ。
「本当に僕の家にくるつもり?」
「オフコース!」
エレベーターを降りた後、マンションの角部屋に住んでいるユウシンは自宅の鍵を開けて部屋へ入った。
「母さん、ただいま。」
「お帰りなさい。」
玄関を開けると素敵なメロディが流れて2人を出迎えてくれた。
「お邪魔します。ユウシン君と同じ1年4組の山田友紀です。」
トモキはユウシンの母に簡単な自己紹介を兼ねた挨拶をした。
「あら!いらっしゃい。珍しいわ~、ユウシンが同級生を連れてくるなんて。
ウチの子は友達付き合いが下手だから心配していたのよ。」
「はい!僕達、親友なんです。こないだも北高の不良に絡まれているところを助けたんですよ。」
「不良!?ユウシンが!まさかそんな事があったなんて知らなかったわ。」
驚いた母は口に手を当ててユウシンを見た。
「ユウシン君はあまり口数も多くないし大人しいですから。
だから北高の不良達に狙われたのかもしれません。
でも、空手部の僕がいるのでもう大丈夫です!
ユウシン君はこの僕にお任せください!」
トモキは誇らしげに胸を張った。
「ユウシン、あんた良いお友達を持ったわね!お母さんはすごぉく嬉しいわ。
こないだ、お父さんが出張先のパリで買ってきたお土産のお菓子があったわね!」
母はキッチンに向かった。
トモキは小柄なユウシンの肩をニヤニヤしながら小突いた。
ユウシンはトモキの要領の良さに居心地の悪さを感じた。
「おまえは弱いからな。下校時に北高のヤンキーどもに、また絡まれるかもしれないだろう?その時は弱いおまえを強い俺が助けてやらなきゃな。」
「あの時は本当に感謝しているけど、でも僕はこの後、プログラミングの学習をしなきゃならないんだ。」
「それで?俺がいたってプログラミングでもスイミングでもできるだろ?」
「…どうせトモキ君の狙いは僕が昨日出会った綺麗なお姉さん達だろ?
偶然、昨日は会えたけれど今日も会えるとは限らないよ。」
ユウシンはトモキの安直さに呆れている。
「俺をバカ扱いするつもりかよ?どうせ、俺はおまえらと違ってスポーツ特待生だから筆記試験なんかしてないからな。
卒業生にも、音楽で入学した青髪のロックバカがいたようだし。
俺らは勉強は苦手だが一芸に奏でているんだぜ!」
トモキはユウシンが背負っているカバンに蹴りをみまった。
「いたいな。また暴力をふるうの?」
「戯れているだけだ。」
ユウシンの後をついてきたトモキもエレベーターに乗り込んだ。
「本当に僕の家にくるつもり?」
「オフコース!」
エレベーターを降りた後、マンションの角部屋に住んでいるユウシンは自宅の鍵を開けて部屋へ入った。
「母さん、ただいま。」
「お帰りなさい。」
玄関を開けると素敵なメロディが流れて2人を出迎えてくれた。
「お邪魔します。ユウシン君と同じ1年4組の山田友紀です。」
トモキはユウシンの母に簡単な自己紹介を兼ねた挨拶をした。
「あら!いらっしゃい。珍しいわ~、ユウシンが同級生を連れてくるなんて。
ウチの子は友達付き合いが下手だから心配していたのよ。」
「はい!僕達、親友なんです。こないだも北高の不良に絡まれているところを助けたんですよ。」
「不良!?ユウシンが!まさかそんな事があったなんて知らなかったわ。」
驚いた母は口に手を当ててユウシンを見た。
「ユウシン君はあまり口数も多くないし大人しいですから。
だから北高の不良達に狙われたのかもしれません。
でも、空手部の僕がいるのでもう大丈夫です!
ユウシン君はこの僕にお任せください!」
トモキは誇らしげに胸を張った。
「ユウシン、あんた良いお友達を持ったわね!お母さんはすごぉく嬉しいわ。
こないだ、お父さんが出張先のパリで買ってきたお土産のお菓子があったわね!」
母はキッチンに向かった。
トモキは小柄なユウシンの肩をニヤニヤしながら小突いた。
ユウシンはトモキの要領の良さに居心地の悪さを感じた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

【完結】愛くるしい彼女。
たまこ
恋愛
侯爵令嬢のキャロラインは、所謂悪役令嬢のような容姿と性格で、人から敬遠されてばかり。唯一心を許していた幼馴染のロビンとの婚約話が持ち上がり、大喜びしたのも束の間「この話は無かったことに。」とバッサリ断られてしまう。失意の中、第二王子にアプローチを受けるが、何故かいつもロビンが現れて•••。
2023.3.15
HOTランキング35位/24hランキング63位
ありがとうございました!
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる