私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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好きになった人は母校の先輩でした

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「給料日だー!さっそくATMに直行!」

仕事帰りの姉妹は写真スタジオ・ヒロコで初めての給料日を迎え胸を高鳴らせている。

「セラ、ちょっと待ちなさいよ!」

ソラは先にエレベーターに乗ったセラの後を追いかけてた。

「姉貴が遅すぎるんだよー。」

「私は仕事でクタクタなんだから仕方ないでしょ。」

「今夜は何を食べよっか?ここんとこ自炊やコンビニばっかだから、外食したいじゃん?」

「私はお寿司が食べたい!」

「寿司いいね!今夜は寿司にしよう!あたしはトロ、イクラ!」

「かんぴょう、かっぱ!」

「エンガワ、サーモン!」

「ガリガリガリガリ!」

「キャハハハ!姉貴は渋いもんばっかね。」

セラが爆笑している。

チン

2人が戯れている間にエレベーターは1階に到着した。
ドアが開くと真面目そうな男子高校生が乗ってきた。

男子高校生は降りてくる2人の為にドアを開けて待ってくれている。

「ありがとね!」

セラは陽気に言った。

ソラとセラを先に降ろした後、入れ違いで高校生はエレベーターに乗った。

カチャン

金属音が聞こえたソラは反射的に振り返ると、地面に鍵が落ちていた。

「ん?お兄さん。鍵を落とさなかった?」

「えっ?」

ソラは高校生がポケットから落とした鍵を拾って手渡した。

「危うくお家に入れなくなるとこだったね。落とし物には充分気をつけてね。」

ソラは黒髪をかきあげながらニコッと微笑んだ。

「あひがとぉうございますぅ!」

男子高校生はソラの顔を見てあまりの可愛らしさに腰を抜かすほど驚いてしまい、逃げるようにエレベーターから飛び出して行った。

「…私、怖がらせる事したかな?」

「大人しそうな男の子だったし、いきなり話しかけられて緊張したんだと思う。」

「でも、明らかに怖がってたよね?」

「どう対応すればいいかわかんなかったんじゃない?」

「ウミみたいにシャイなのかな?」


****

「塾の帰りに見かけたあの人。すごく綺麗なお姉さんだったな…。」
頬杖をついて昨日のエレベーターの件を思い出していた。

「親切に鍵を拾ってくれたのに、緊張してお礼もまともに言えず走って逃げちゃったから変な奴だと思われただろうな。
あ~最悪!僕はいつもこうやって後から思い悩むんだ。」

「ユウシン?ユウシン!」

後ろに座っているトモキがユウシンの脳天にチョップをした。

「いて!いきなりなにをするんだよ。」

「俺はずっとおまえを呼んでいたんだぞ。それなのにシカトするからだ。」

「ちょっと考え事をしていたからね。気づかなかったんだよ。」

ユウシンは痛そうにチョップされた頭を撫でている。

「考え事?悩みか?」

「悩みってわけではないけど。」

「こので1番頼りになる俺に言ってみろ。」

「昨日さ、塾の帰りに…。」

「塾の帰りに?」

「いや、なんでもない。忘れて。」

「言いかけて止めるのは気分悪いだろうが!リンゴみたいに潰してやる!」

「いたたた!僕はリンゴじゃないよ!離してくれ!」

トモキは大きな手でユウシンのこめかみを掴みアイアンクローをした。

「それなら吐け。昨日、塾の帰りになんだって?ヒクイドリにでも襲われたのか?」

「わかった。言うから、もうやめてよ!」

































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