私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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ソラが女子高校生だった頃。逃亡先は新横浜

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「わわわ、ちょっと待て!そんな格好で男の俺の前に来ちゃまずいぜ!」

ウミはうつ伏せになって枕に顔を埋めた。

「羽織るものがないから下着のままウミの隣に行くって説明したよ。そしたらウミは"あぁ"って返事したじゃん。私は悪くないもん。」

不機嫌になったソラはベッドに両膝をついてウミに言った。

「デート中着ていた服があるだろ?それを着ろよ。」

「これでわかったわ。ウミは私の話をちゃんと聞いてなかったのね!私は走り回って汗で汚れたワンピは気持ち悪いから着ないって話したんだけどぉ!」

両手もついて枕に顔を埋めるウミの耳元で言った。
ブラジャー越しに、ウミの頭や肩に乳房が当たっている。

「ウミが私に買ってくれた下着、色気がすごいよぉ。私は普段、白ばっかのソフトブラだから赤の大人のブラは新鮮。ウミィ、どう私のオッパイ?ユッサユッサしてるよ。」

話を上の空で聞いていた事に腹が立ち、シャイなウミにちょっと意地悪をしている。

「パンティはね、オマタの部分がちょっと透けてるの。ウミは女の子にこういう格好をさせたかったのかしら?
ウミが買っておいて恥ずかしがるなんて変だと思わない?顔を上げて見てごらん。ウミの趣味でしょ?」

「ソ、ソラァ?俺もシャワー浴びてきていいかな?」

「フン、どうぞご自由に。」

逃げるようにウミはソラから離れて浴室へ向かい着替えようとした時だ。

「あぁ、なんだよ。あるじゃんよ!」

ウミは声を上げた。

「喜べ!2着、ガウンがあったぞー。おまえちゃんと見ろよな。アハハ。」

「私はそんなの着ないよ。それより早くお風呂に入ってきたらどう?
私はウミが入浴中、走り回った疲れで死んでるかもしれない。身体が冷たくなっていたら救急車を呼んでも遅いからね!」

「ソラァ…俺が悪かったよ。これからちゃんと話を聞くからさ、機嫌を直せよ。」

「私、機嫌悪くなんかないもん。
それよりウミが買ってきたお弁当、不味くて食べられないわ。」


アイツ、ちょっと適当に答えただけてなんであんなに怒ってんだよ。ウミはシャワーで掛け湯をしながら考えていた。


****

「あ~気持ち良かった。
浴槽もあるんだなぁ。ソラもシャワーだけでなく浴槽に浸かれば良かったのに。」

汗を流して適度に身体を温めた事により、ウミはリラックスできた。

タオルを首にかけてベッドのある部屋へ行くとソラはガウンを着てうつ伏せで寝ている。

ほとんど明かりがなく黄色い豆電球が弱々しくソラを照らしている。





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