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ソラが女子高校生だった頃。宗成の凶行
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「砂城院運輸でーす!」
「はぁーい!」
ソラの母が玄関を開けて配達員を出迎えた。
「神園ウミさんのお宅でよろしいでしょうか?」
荷物に記載されているラベルを、ソラの母に見せながらハキハキと伝えた。
「はい。ウチの子です。」
ソラの母は満面の笑みを浮かべて荷物を受け取った。
「ウミくーん。ウミ君宛てに荷物が届いたわよ。」
「え、俺宛て?」
呼び出されたウミはソラと一緒に玄関へ向かった。
「砂城院秀高?宗成の親父からだ。なんだってあの野郎の家からここへ?」
「なんだろうね?」
ソラは首を傾げた。
2人はさっそく梱包された段ボールを開けると、中からエレキギターが出てきた。
「ギブソンのレスポールだっ!!」
まさかの事にウミは驚いている。
「あれ、お手紙が添えられているよぉ。」
ソラはコホンと咳払いをしてから手紙を読んだ。
「神園ウミさん、大嵐ソラさんへ。
この度は私の息子である、宗成がお2人に対して耐え難い暴力とそれに伴う精神的な苦痛を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
宗成は私と研究チームが某国で極秘で行っているプロジェクト"マニンゲン"に強制的に参加させております。
このマニンゲンは既存の方法では矯正できず、再犯を繰り返す凶悪で猟奇的な犯罪者達を我々が開発した最新の装置で更生を行い社会に適合させるのを第一の目標としています。
極秘の為、詳細は控えさせて頂きますが、予め培養した人口細胞を用いて更生不可とされた者達の脳細胞の構造を抜本的に変える仕組みです。
しかし倫理的観念から人体実験はできずにおりましたが、地球上から犯罪を無くしたいという我々の強い意思が"マニンゲン"に集約されております。
人体実験についてはまだまだ、偏見の絶えない社会情勢ではありますが息子の宗成には実験の第一号として、見事役割を果たしてもらおうと考えております。
最新の設備、世界から集められた超優秀な頭脳を持つ科学者達がこの壮大なプロジェクトに参加致しておりますが、全てが初の試みであり成功率が非常に低いです。(成功率は2~7%と言われており、失敗となれば廃人になってしまう。)
しかしながら人類の発展及び、犯罪の撲滅を願う我々は歩みを止めるわけにはなりません。
大変長くなってしまいましたが、改めてお二人にご迷惑をおかけした事を猛省し罪を償う所存でございます。
こちらの手紙とともにお送りいたしました、エレキギターはギブソン社製の59年に製造されたレスポールです。
宗成に余罪を聞いたところ、神園ウミさんが所有する大切なエレキギターを故意に破損させたとの事。」
「俺のギターをぶっ壊したのは宗成だったのか!!」
手紙を読むソラを遮って怒りを露わにした。
「…私としても愚息の犯行に心苦しい思いでいっぱいです。せめてものの罪滅ぼしにこちらのエレキギターをお送りします…。だって!」
「59年かよ…俺なんかじゃ逆立ちしたって買える代物じゃねえよ。」
「100万円とか?」
顔を横にぶんぶんふってウミは答えた。
「俺もハッキリとはわかんねぇけど2000万から3000万はするはずだ。」
「ひぃえぇぇぇ!」
ミニのジャンパースカートを着ているソラは後ろにひっくり返った。
「ウミくぅぅん、お姉ちゃーん、お昼よー。下に降りてらっしゃい。」
キッチンから母が2人を呼ぶ。
「はぁーい!」
「はい!」
2人は宗成が強制的に参加させられた人体実験の成功率の低さや、人体実験という道徳に反する恐ろしい行いよりも、高額なエレキギターが手に入った喜びでいっぱいだった。
「はぁーい!」
ソラの母が玄関を開けて配達員を出迎えた。
「神園ウミさんのお宅でよろしいでしょうか?」
荷物に記載されているラベルを、ソラの母に見せながらハキハキと伝えた。
「はい。ウチの子です。」
ソラの母は満面の笑みを浮かべて荷物を受け取った。
「ウミくーん。ウミ君宛てに荷物が届いたわよ。」
「え、俺宛て?」
呼び出されたウミはソラと一緒に玄関へ向かった。
「砂城院秀高?宗成の親父からだ。なんだってあの野郎の家からここへ?」
「なんだろうね?」
ソラは首を傾げた。
2人はさっそく梱包された段ボールを開けると、中からエレキギターが出てきた。
「ギブソンのレスポールだっ!!」
まさかの事にウミは驚いている。
「あれ、お手紙が添えられているよぉ。」
ソラはコホンと咳払いをしてから手紙を読んだ。
「神園ウミさん、大嵐ソラさんへ。
この度は私の息子である、宗成がお2人に対して耐え難い暴力とそれに伴う精神的な苦痛を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
宗成は私と研究チームが某国で極秘で行っているプロジェクト"マニンゲン"に強制的に参加させております。
このマニンゲンは既存の方法では矯正できず、再犯を繰り返す凶悪で猟奇的な犯罪者達を我々が開発した最新の装置で更生を行い社会に適合させるのを第一の目標としています。
極秘の為、詳細は控えさせて頂きますが、予め培養した人口細胞を用いて更生不可とされた者達の脳細胞の構造を抜本的に変える仕組みです。
しかし倫理的観念から人体実験はできずにおりましたが、地球上から犯罪を無くしたいという我々の強い意思が"マニンゲン"に集約されております。
人体実験についてはまだまだ、偏見の絶えない社会情勢ではありますが息子の宗成には実験の第一号として、見事役割を果たしてもらおうと考えております。
最新の設備、世界から集められた超優秀な頭脳を持つ科学者達がこの壮大なプロジェクトに参加致しておりますが、全てが初の試みであり成功率が非常に低いです。(成功率は2~7%と言われており、失敗となれば廃人になってしまう。)
しかしながら人類の発展及び、犯罪の撲滅を願う我々は歩みを止めるわけにはなりません。
大変長くなってしまいましたが、改めてお二人にご迷惑をおかけした事を猛省し罪を償う所存でございます。
こちらの手紙とともにお送りいたしました、エレキギターはギブソン社製の59年に製造されたレスポールです。
宗成に余罪を聞いたところ、神園ウミさんが所有する大切なエレキギターを故意に破損させたとの事。」
「俺のギターをぶっ壊したのは宗成だったのか!!」
手紙を読むソラを遮って怒りを露わにした。
「…私としても愚息の犯行に心苦しい思いでいっぱいです。せめてものの罪滅ぼしにこちらのエレキギターをお送りします…。だって!」
「59年かよ…俺なんかじゃ逆立ちしたって買える代物じゃねえよ。」
「100万円とか?」
顔を横にぶんぶんふってウミは答えた。
「俺もハッキリとはわかんねぇけど2000万から3000万はするはずだ。」
「ひぃえぇぇぇ!」
ミニのジャンパースカートを着ているソラは後ろにひっくり返った。
「ウミくぅぅん、お姉ちゃーん、お昼よー。下に降りてらっしゃい。」
キッチンから母が2人を呼ぶ。
「はぁーい!」
「はい!」
2人は宗成が強制的に参加させられた人体実験の成功率の低さや、人体実験という道徳に反する恐ろしい行いよりも、高額なエレキギターが手に入った喜びでいっぱいだった。
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