私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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ソラが女子高校生だった頃。宗成の凶行

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ソラはウミと校門をくぐり下校をした。

「シュゴー、いつもならここでウミとはお別れなんだよ。でも今日から一緒に下校できるし、お夕食も一緒、寝る時も一緒。私は幸せ~。」

ソラはスカートをヒラヒラさせて踊った後、ウミに寄りかかり腕に顔をつけて時折、サングラスをずらし上目遣いでウミを見つめている。

「ソラ?」

ウミは突然、立ち止まった。

「なあに?」

「あれ、宗成だな。」

ウミが指をさした先に宗成と3年生と思われる男子が3人、女子が1人、待ち伏せをしていた。

「2人ともお疲れちゃん。」

宗成が半笑いで言う。

「宗成、てめえはなんのようだ?」

「そう言うと思っていたよ。ダハハハハ!」

「何がおかしいんだ?」

「テンプレ通りのセリフを言うか、彼と賭けをしていたのさ。ほら、100円寄越しな。」

いつも宗成といる男子は財布から100円玉を取り出し無言で渡した。

「そうそうあの可愛い顔したあの子、あたしやっぱ惚れちまってるわ。」

髪を金髪に染めた宗成の仲間らしき女子が言った。

「こんな青ボウズで良ければおまえにやるよ。」

金髪女子にウィンクした。

「えへへ、あたしの好きにしていいのね。」

金髪女子はウミの全身を舐め回すように見ている。

「俺らにも"甘い汁"を吸わせて貰える約束だが?」

横にいた190センチくらいあるガタイのいいスポーツ刈りが宗成に聞いた。

「お目当ては俺の人妻コレクションだったな。彼女らの弱みを握ってるから俺の言いなりなんだ。
ただし作戦が成功しなきゃおまえらに与える事はできない。」

「砂城院。俺ら何年、柔道をやってきたと思ってんだ?」

「ハハハ、これは失敬。」

いつも一緒にいた男子が乗り気ではない顔で宗成に聞いた。

「宗ちゃんよぉ、マジでやるんか?」

「ここにきて怖気ついたのかな?」

凶悪だった妹のかつらと同様、血走った眼で宗成は男子を睨んだ。

「い、いや…。」

「参加してくれるよな?」

「あ…あ。」

宗成と仲の良い友人は冷や汗をかいている。

「こんな玉なし野郎がいなくても俺らだけで充分だろ?砂城院よ?」

スポーツ刈りに匹敵するくらいガタイのいいスキンヘッドが言った。

「作戦だとかよ、小賢しいまねはしなくてもいいんだよ。早いとこ、このガキをぶちのめせばいいんだろ?
人妻とチョメチョメする時の避妊具はおまえが用意しといてくれよな。
ほんなら、はよ終わらせるか!」

筋骨隆々のスキンヘッドがウミに襲いかかってきた。

「シュゴー、ウミィ!!早く逃げて!私はおまわりさんを呼ぶわ!」

ソラは絶叫した。

「コンクリートの上で柔道技をマジでやったら死ぬぞ!」

友人は青ざめた顔で宗成に言った。

スキンヘッドがウミのブレザーに掴み掛かる。

























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