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ソラが女子高校生だった頃。未来の旦那様と2人で初登校
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犯人がどこにいるかもわかりゃしねぇし、第一、犯人をとっ捕まえたところで俺の大切なギターは戻ってこねぇ…。
机を叩き壊したい衝動に駆られたが、ソラがきっと悲しむはずだ。
ウミは思いとどまった。
「ウミィ、今、お話してもいいかな?シュゴ…。」
「お、なんだ?」
世話になっているソラには、なるべく優しく接するべきだと思いウミは笑顔で話した。
「シュゴー、私ね、音楽スタジオに忍び込んでギターを壊した犯人を探したいの。」
「そりゃあ、俺だって同じ気持ちだよ。でも誰が犯行に及んだかわからねぇんだ…。」
ウミの身体は小刻みに揺れている。
ガラガラ
「4組のみんな、おはよう。」
「宗成さん、おはようございます。」
元取り巻き達は口を揃えて挨拶をした。
「えっと、あっ、いたいた。」
宗成はウミとソラが座る窓際席に向かう。
「よぉ、調子はどうだい?青ボウズ。」
宗成はウミの鮮やかな青髪を手でクシャクシャ触った。
「触んな。おまえは何しにきたんだよ?」
宗成の手を払い除けた。
「宗成さん、何かご用ですか?シュゴー。」
「愛しの大嵐さんにどうしても会いたくなってしまってね、僕は恋煩いをしているのさ。」
「ケッ、ナルシスト野郎め。」
「青ボウズ、君は僕と大嵐さんが親密な関係になるのが怖いのかい?」
「あぁ?」
着席しているウミは下から抉るような視線で睨んだ。
「ひぇ、怖えなあ。すげえ目つきの悪い奴だ。大嵐さん、こんな奴とはもう関わらない方がいいよ。
彼は問題児だからね。一緒にいたらきっと君にも災いが降りかかってくるぞ。」
「あの、宗成さん。シュゴー、ウミにちょっかいを出したくてここに来たのですか?ハッキリ言って迷惑です。」
ソラは毅然とした態度で宗成に言った。
「いや、そんなつもりはないさ。ハハハ、ただこの青ボウズより僕の方が全てにおいて優れているって言いたいだけだよ。
彼では君を幸せには出来るわけがない!」
ズボンのポケットに手を突っ込んでいる宗成はソラに伝えた後、隣で座っているウミに言った。
「君だって、姫君に入学できる学力はあるのだからそこまで能無しではないはずだ。
ならば、この僕との格の違いくらいはわかっているだろう?青い髪をした家なき子君。」
「家なき子だとぉ?てめえ!!」
ウミが席から立ちあがろうとした時だ。
パァン!
ソラは宗成の頬に力を込めてビンタをした。
乾いた音が教室中に響き渡る。
「もう出ていって!2度とここには来ないで!」
近くで見ていた元取り巻き達は唖然としている。
宗成はソラにビンタをされて、天と地がひっくり返ってしまったのではないかと思うくらいショックを受けていた。
「あっ、ああ、あぁ…。」
「シュゴー、私はウミが好きなんです。高校を卒業したらウミと結婚して、ウミの子どもを産んで幸せな家庭を築きます。
未来の旦那様を侮辱する事は絶対に許しませんから!シュゴー。」
「青ボウズと結婚だと?笑わせるな!
僕より…この俺よりコイツがいいってのか?
神が与えた奇跡といっていいほど、容姿端麗な君だが残念ながら頭の方は弱かったようだな!
みんなの前でやられたこの辱め、必ず落とし前をつけさせてもらう。」
宗成は赤くなった頬を押さえながら逃げるように1年4組を出ていった。
机を叩き壊したい衝動に駆られたが、ソラがきっと悲しむはずだ。
ウミは思いとどまった。
「ウミィ、今、お話してもいいかな?シュゴ…。」
「お、なんだ?」
世話になっているソラには、なるべく優しく接するべきだと思いウミは笑顔で話した。
「シュゴー、私ね、音楽スタジオに忍び込んでギターを壊した犯人を探したいの。」
「そりゃあ、俺だって同じ気持ちだよ。でも誰が犯行に及んだかわからねぇんだ…。」
ウミの身体は小刻みに揺れている。
ガラガラ
「4組のみんな、おはよう。」
「宗成さん、おはようございます。」
元取り巻き達は口を揃えて挨拶をした。
「えっと、あっ、いたいた。」
宗成はウミとソラが座る窓際席に向かう。
「よぉ、調子はどうだい?青ボウズ。」
宗成はウミの鮮やかな青髪を手でクシャクシャ触った。
「触んな。おまえは何しにきたんだよ?」
宗成の手を払い除けた。
「宗成さん、何かご用ですか?シュゴー。」
「愛しの大嵐さんにどうしても会いたくなってしまってね、僕は恋煩いをしているのさ。」
「ケッ、ナルシスト野郎め。」
「青ボウズ、君は僕と大嵐さんが親密な関係になるのが怖いのかい?」
「あぁ?」
着席しているウミは下から抉るような視線で睨んだ。
「ひぇ、怖えなあ。すげえ目つきの悪い奴だ。大嵐さん、こんな奴とはもう関わらない方がいいよ。
彼は問題児だからね。一緒にいたらきっと君にも災いが降りかかってくるぞ。」
「あの、宗成さん。シュゴー、ウミにちょっかいを出したくてここに来たのですか?ハッキリ言って迷惑です。」
ソラは毅然とした態度で宗成に言った。
「いや、そんなつもりはないさ。ハハハ、ただこの青ボウズより僕の方が全てにおいて優れているって言いたいだけだよ。
彼では君を幸せには出来るわけがない!」
ズボンのポケットに手を突っ込んでいる宗成はソラに伝えた後、隣で座っているウミに言った。
「君だって、姫君に入学できる学力はあるのだからそこまで能無しではないはずだ。
ならば、この僕との格の違いくらいはわかっているだろう?青い髪をした家なき子君。」
「家なき子だとぉ?てめえ!!」
ウミが席から立ちあがろうとした時だ。
パァン!
ソラは宗成の頬に力を込めてビンタをした。
乾いた音が教室中に響き渡る。
「もう出ていって!2度とここには来ないで!」
近くで見ていた元取り巻き達は唖然としている。
宗成はソラにビンタをされて、天と地がひっくり返ってしまったのではないかと思うくらいショックを受けていた。
「あっ、ああ、あぁ…。」
「シュゴー、私はウミが好きなんです。高校を卒業したらウミと結婚して、ウミの子どもを産んで幸せな家庭を築きます。
未来の旦那様を侮辱する事は絶対に許しませんから!シュゴー。」
「青ボウズと結婚だと?笑わせるな!
僕より…この俺よりコイツがいいってのか?
神が与えた奇跡といっていいほど、容姿端麗な君だが残念ながら頭の方は弱かったようだな!
みんなの前でやられたこの辱め、必ず落とし前をつけさせてもらう。」
宗成は赤くなった頬を押さえながら逃げるように1年4組を出ていった。
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