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ソラが女子高校生だった頃。未来の旦那様と2人で初登校

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ガラガラ

「みんなおはよぉ!」

「ソラ、おはよう。いつになく元気ねぇ。」

「シュゴー、まあね!」

「アンタのシュゴシュゴが楽しい時のシュゴシュゴだもん。」

おかっぱがソラのポンプから聞こえてくる呼吸音について話すと、元取り巻き達は笑った。

ソラの真後ろにいたウミも教室にいるみんなに挨拶をした。

「ウッス。」

「神園君、珍しいわね。いつもより早いじゃん。」

カチューシャは教室の壁掛け時計を見て答えた。

「はっはーん。これはもしかして、ソラァ?アンタ、神園君とついに結ばれたんじゃない?」

「またさぁ、変な事を言わないでよ!」

ソラは反論したが内心、悪い気はしなかった。

「なんでソラが神園君とラブラブしたって事がわかんのよ?」

おかっぱはカチューシャに聞いた。

「だって2人で登校してきたのよ?昨日だって夜も一緒に居たみたいだし。
ソラは神園君が相手なら出し惜しみせず女の子の全てを教えちゃうわ。」

ウミは女子の話は聞いておらず、自分の席に座って破壊された音楽スタジオと、何より大切にしていたエレキギターについて考えていた。

小便までかけやがって…いったい誰があんな事をしやがったんだ。
ウミは窓から景色を見る。
青い空と風に揺れる樹々が爽やか過ぎて腹が立つくらいだった。

「神園君の事を見てみて!」

カチューシャが言う。

「まさか首元に付いたキスマークでも見つけたの?」

「そんな事してないわよぉ!」

目を光らせて監視をするママが家にいるのにそんな事、出来っこないじゃん。ソラは思った。

「違うわ。キスマークなんかじゃない。神園君に漂う"余裕"について言ってるの。
落ち着きのなかったあの神園くんがよ?大人っぽくなったと思わない?
ソラを抱いて男の子から男になったのよ。」

カチューシャはおかっぱに言った。

「言われてみれば、そうかもね。童顔で幼稚、乱暴だった神園君が口数が少なくなって哀愁さえ感じる…。」

元取り巻き達の推測は見当違いも甚だしいとソラは思ったが、登校中、学校に近づくにつれウミの口数が少なくなっていたのを気にしていた。

「ウミィ…。」
ソラはカバンを下ろし自分の席に着席して隣に座っているウミを見つめている。

まだギターの件は未解決だもんね…。
私がウミにしてあげられる事ってなんだろう?
思い詰めたソラは武装の下で隠した素顔は落ち込んだ表情だった。

「この先、2人はどうなると思う?」

ツインテールはおかっぱとカチューシャの会話に割って入った。

間を置いたカチューシャはぽつりぽつりと話した。

「…そうね。ソラは妊娠が発覚。
最愛の神園君の子をソラは産む決心をする。
双方の両親に反対された2人はソラのお腹に宿った愛の結晶を守る為、奔走するわ。あたし達は若くて未熟な2人、いや3人を守る為にカンパを募り大人達と正面から戦うのよ。」

「そんなぁ!」

ツインテールは不安気だ。

「アンタ、こんな話をマジになって聞いちゃダメよ。」

おかっぱは呆れて言った。



















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