87 / 275
ソラが女子高校生だった頃。宗成の逆襲
86
しおりを挟む
ソラを含む4組の生徒は校庭から教室に戻り制服に着替え始めた。
「やっと、帰れるわ。クタクタだからお家に着いたらすぐ横になるぅ~。」
「そうね、今日は寄り道しないで帰ろう…。」
元取り巻き達は疲労困憊だ。
「ソラはどうすんの?あぁ~そっか。また神園君とラブラブすんのね。」
カチューシャが言った。
「ソラの大きなオッパイは神園君のものか。」
おかっぱが言う。
「私がソラなら神園君ではなくて、宗成さんにオッパイを捧げるわ。」
続いてツインテールが言う。
「はぁ…。もうそんな話ばっかりね!」
ソラは呆れて声が裏返った。
着替えが済み、ソラは環状線沿いにあるラーメン屋の自販機に向かった。
「ウミに買っていってあげよっ。」
天気も良くルンルン気分で歩いていると正面に見覚えのある長身の男子生徒がいる。
「やぁ。大嵐さん。天気が良くて気持ちが良いね。」
中庭の木漏れ日の中から宗成は笑顔で歩いてきた。
「宗成さん。」
「どこへ行くんだい?コーラを2本も持って。まさかキミ1人で2本も飲むわけがないよね?」
「えっと、これは…。」
ソラはウミと自分の分だと言おうか迷ったが、黙っていた。
黙った理由は今朝、ウミと宗成の小競り合いがあったからだ。
「まさか今朝、俺に喧嘩を売った青い髪色のガキに飲ませようとして買ったコーラのわけないよな?」
ソラは図星を突かれて身体をビクッとさせた。
宗成はソラのリアクションを見逃さなかった。
「そうか。そういうことか…。大嵐さんは僕よりあのガキが好きだったんだな。まさかな…。この僕より、アイツを選ぶなんて。」
「あの、そろそろ…私失礼しますっ!」
宗成が豹変したように感じたソラは怖くなって話を切り上げた。
ウミが改修したスタジオへ早歩きで向かっている時、ふと立ち止まって後ろを見た。
宗成は身動きを一つとらず、ずっとソラを見つめていた。
なんかあの人も変だ…。ソラは胸騒ぎがしていた。
コンコン
ソラはノックをした。
「誰だ?」
「私、大嵐ソラ。」
「紫の?」
「ハイウェイ。」
「よし、入れ。」
「おう。遅かったな。なんかあったのか?」
「ううん、特になにもないよ。それより、ハイこれ。」
ペットボトルのコーラを一本手渡した。
「ありがとう!さっそくいただくぜ!」
ウミはコーラをグビグビ飲み始めた。
「よっしゃ!また練習だぁ!」
ウミはコーラをアンプに置くと、ぶっ通しで演奏を始めた。
ギターを弾く集中力は凄まじく、ソラの方からなかなか話しかけられる雰囲気ではなかった。
「やっと、帰れるわ。クタクタだからお家に着いたらすぐ横になるぅ~。」
「そうね、今日は寄り道しないで帰ろう…。」
元取り巻き達は疲労困憊だ。
「ソラはどうすんの?あぁ~そっか。また神園君とラブラブすんのね。」
カチューシャが言った。
「ソラの大きなオッパイは神園君のものか。」
おかっぱが言う。
「私がソラなら神園君ではなくて、宗成さんにオッパイを捧げるわ。」
続いてツインテールが言う。
「はぁ…。もうそんな話ばっかりね!」
ソラは呆れて声が裏返った。
着替えが済み、ソラは環状線沿いにあるラーメン屋の自販機に向かった。
「ウミに買っていってあげよっ。」
天気も良くルンルン気分で歩いていると正面に見覚えのある長身の男子生徒がいる。
「やぁ。大嵐さん。天気が良くて気持ちが良いね。」
中庭の木漏れ日の中から宗成は笑顔で歩いてきた。
「宗成さん。」
「どこへ行くんだい?コーラを2本も持って。まさかキミ1人で2本も飲むわけがないよね?」
「えっと、これは…。」
ソラはウミと自分の分だと言おうか迷ったが、黙っていた。
黙った理由は今朝、ウミと宗成の小競り合いがあったからだ。
「まさか今朝、俺に喧嘩を売った青い髪色のガキに飲ませようとして買ったコーラのわけないよな?」
ソラは図星を突かれて身体をビクッとさせた。
宗成はソラのリアクションを見逃さなかった。
「そうか。そういうことか…。大嵐さんは僕よりあのガキが好きだったんだな。まさかな…。この僕より、アイツを選ぶなんて。」
「あの、そろそろ…私失礼しますっ!」
宗成が豹変したように感じたソラは怖くなって話を切り上げた。
ウミが改修したスタジオへ早歩きで向かっている時、ふと立ち止まって後ろを見た。
宗成は身動きを一つとらず、ずっとソラを見つめていた。
なんかあの人も変だ…。ソラは胸騒ぎがしていた。
コンコン
ソラはノックをした。
「誰だ?」
「私、大嵐ソラ。」
「紫の?」
「ハイウェイ。」
「よし、入れ。」
「おう。遅かったな。なんかあったのか?」
「ううん、特になにもないよ。それより、ハイこれ。」
ペットボトルのコーラを一本手渡した。
「ありがとう!さっそくいただくぜ!」
ウミはコーラをグビグビ飲み始めた。
「よっしゃ!また練習だぁ!」
ウミはコーラをアンプに置くと、ぶっ通しで演奏を始めた。
ギターを弾く集中力は凄まじく、ソラの方からなかなか話しかけられる雰囲気ではなかった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
偽りの結婚生活 スピンオフ(短編集)
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
前作のヒロイン、朱莉を取り巻く彼らのその後の物語
<偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡>
これはヒロイン朱莉に関わった人々のその後を追った物語。朱莉に失恋した航、翔、京極、蓮・・彼らはその後どうなったのか―?
※ カクヨムにも掲載しています
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
なにひとつ、まちがっていない。
いぬい たすく
恋愛
若くして王となるレジナルドは従妹でもある公爵令嬢エレノーラとの婚約を解消した。
それにかわる恋人との結婚に胸を躍らせる彼には見えなかった。
――なにもかもを間違えた。
そう後悔する自分の将来の姿が。
Q この世界の、この国の技術レベルってどのくらい?政治体制はどんな感じなの?
A 作者もそこまで考えていません。
どうぞ頭のネジを二三本緩めてからお読みください。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる