私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

文字の大きさ
上 下
85 / 275
ソラが女子高校生だった頃。宗成の逆襲

84

しおりを挟む
ガラガラ

「ぐわぁ!いてぇなあ誰だよテメェ!」

勢いよく入ってきたウミは宗成とぶつかった。

「…僕も痛かったぞ。人様にぶつかっておいてその口の聞き方はなんだい?
キミはバカなのか?」

「出入り口でボケッとしてるテメェに言われたかねぇよ。何がバカだバカ!」

「ウミィ!喧嘩しちゃダメよ。」

ソラがウミに近づきなだめている。

「いや、だってよぉ。」

「ウミだって周りを注意して教室に入って来なきゃダメなのに走ってたじゃない。」

「ほうら、大嵐さんはよく見ていてくれたよ。わかったかい?青い髪の坊主?」

宗成はソラが味方をしてくれたと思い、ウミに対して勝ち誇ったような表情になった。

「そろそろホームルームの時間だ。これで失礼するよ。大嵐さん、僕はまだ諦めちゃいないからね。」

宗成は3年の教室へ向かった。

「ソラ?なんであんなヤツの味方をすんだよ!」

ウミは眉間に皺を寄せた。

「私は味方なんかしてないよぉ。」

「やっぱママとキッズだわ…。」

ボブカットが呆れた顔で言った。

「最近、仲良しだもんね。神園君にお弁当を作ってあげたりさ~。」

カチューシャが言った。

「ソラは神園君の事が好きだもんね。私は宗成さんの方がいいけどなぁ~。」

おかっぱがそう言うとツインテールが「ソラは将来、男で苦労しそう。」とボソッと言った。

「へっ!あのクソむかつく宗なんとかってヤツが来ちまったから、胸糞悪い!お清めの塩を撒いとけ!」

プンプンしながらウミは窓際にある自分の席へ座った。

「ねぇ?ソラはなんで神園君が好きなの?」

おかっぱが聞いた。

「いや、なによ、急にぃぃ。」

ソラは照れてモジモジしている。

「やっぱ好きなんだねぇ~。」

おかっぱがクスクス笑った。

「でもさ、ウチらから見ると神園君のおもりをしているようにしか見えないよ。」

ツインテールが言う。

「ソラ?神園君のママは辞めて、宗成さんにしとき。彼はまだ諦めてないみたいだから、今なら間に合うよ。」

そう言った後、ボブカットは乳房から母乳を出して赤ん坊に飲ませるポーズをした。

「シュゴー、またそれ?シュゴー、いい加減にしてよぉ!!」

ソラは怒った口調で話した。




キーンコーンカーンコーン

「やっと6限まで来たわね。」

「連休明けの初日の授業の締めは体育か。」

「しかも短距離走をやるんでしょ?最悪じゃん。」

元取り巻き達は不平不満を言いながらダラダラ体操着に着替えている。

「あれ?ソラは?」

「ソラならもう先にグラウンドへ行ったわ。」


「いっちにぃ、シュゴシュゴ、いっちにぃ、シュゴシュゴ。」

みんなより早く着替えを済ませたソラは、気持ちの良い青空の下で元気よくストレッチをしていた。




























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

見えるものしか見ないから

mios
恋愛
公爵家で行われた茶会で、一人のご令嬢が倒れた。彼女は、主催者の公爵家の一人娘から婚約者を奪った令嬢として有名だった。一つわかっていることは、彼女の死因。 第二王子ミカエルは、彼女の無念を晴そうとするが……

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】愛くるしい彼女。

たまこ
恋愛
侯爵令嬢のキャロラインは、所謂悪役令嬢のような容姿と性格で、人から敬遠されてばかり。唯一心を許していた幼馴染のロビンとの婚約話が持ち上がり、大喜びしたのも束の間「この話は無かったことに。」とバッサリ断られてしまう。失意の中、第二王子にアプローチを受けるが、何故かいつもロビンが現れて•••。 2023.3.15 HOTランキング35位/24hランキング63位 ありがとうございました!

余命1年の侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
余命を宣告されたその日に、主人に離婚を言い渡されました

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...