私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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ソラが女子高校生だった頃。宗成の逆襲

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ゴールデンウィークが終わり、姫君学院に通う生徒達も普段の生活に戻った。

「あ~怠いなぁ。」

「休みに順応しちゃったから、日常が苦痛よね。」

「ぶっちゃけリモートでよくない?通う意味なくね?」

砂城院かつらの、元取り巻き達は休み明けで疲れ切った顔をしている。

ガラガラ

「みんなおはよぉ。」

「おはよう…ソラは元気あんのね。ウチらは、連休明けで憂鬱よ。」

死にそうな顔をしたおかっぱが言った。

「でっかいオッパイも揺れに揺れて元気そうね。その柔らかそうなオッパイを枕にして寝たいわ。」

ツインテールがボーっとソラの乳房を見ながら言った。

「シュゴー、変な事言うのはやめてよぉ。」


ガラガラ

ドアを開ける音がして、ソラ達は一斉に廊下側を見た。

「やぁ、大嵐さんおはよう。」

4組にやってきたのはかつらの兄、宗成だ。

「おはようございます。」

ソラは小さく頭を下げた。

「砂城院さんは元気にやってますか?」

カチューシャが宗成に聞いた。

「かつらかい?以前より穏やかな性格に変わったよ。
かつては、人をぞんざいに扱ってお姫様気取りだったが今では誰に対しても優しい女の子になっている。
かつらが変わったのも、全て大嵐さんのおかげさ。
あいつも、大嵐さんに感謝しているんだよ。
"ワタクシにとって偉大な人"だって。」

「いえ、私は…。」

ソラは突然褒められて動揺している。

「ここに来た理由は、なにもかつらの近況を報告しに来たわけじゃない。大嵐さんに用があったのさ。」

宗成は教室の壁に寄りかかり、キザな表情を浮かべた。

「私に、ですか?」

「そうさ。まどろっこしいのは苦手だから、ズバリ言わせて貰おう。
キミが好きだ。この僕と付き合ってほしい。」

「キャーー!」

元取り巻き達は歓声をあげた。

「ウッソ!まさかの展開じゃん!」

「ソラ?宗成さんだよ?オッケーしなよ!」

「良いなぁ!ソラは!」

宗成の告白に興奮した女子生徒達はソラの返事をドキドキしながら待っている。

「ごめんなさい…。お付き合いはできないです。」

今度は深々とお辞儀をした。

「はぁぁぁ!」

ため息とともに元取り巻き達は語気を強めてソラを説得し始めた。

「あんたはバカ?イケメンで、お金持ちの宗成さんよ!断るなんて頭おかしいわ!」

「マジで信じらんないわ!ビッグチャンスを棒に振るうなんて…。」

「ソラ…あんたは幸せになるのが怖いの?」

「いきなり告白した僕が悪かった。
やはり恋愛はカップ麺のように、すぐってわけにはいかないよな。
不愉快な思いをさせて申し訳なかったよ。
でも、僕はこれでキミを諦めたわけじゃない。」

「アンタ!今なら間に合うわよ!やっぱりお付き合いしますって言いなさい!」

「宗成さんがいつまでも、ソラを好きでいてくれるなんて大間違いなんだよ?」

「この巨乳娘は何を考えてるんだがわかんない!」
背後からおかっぱがソラの乳房を両手で強く揉んだり摘んだりしている。

「あぁ、ちょっとなにしてんの!手を止めてよ。」

交際を断られた宗成はソラ達に背を向けて、ゆっくり教室のドアを開けた時だった。


















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