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ソラが女子高校生だった頃。私が助けるよ!

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力では敵わないのを嫌でも理解しているからこそ、力で反撃するのではなくソラは逃げ出す時間さえ稼げればいいと判断して実行した。


ソラは近くにあった半開きの袋から、石灰を鷲掴みしてマツダイラの顔面へ投げつけた。

「ぐわぁぁ!目になにか投げやがったなぁ!」

粉まみれになったマツダイラは両目を押さえながら片膝をついてへたり込んだ。

跳び箱に座っているかつらに肩を貸して立ち上がらせ、体育倉庫を出た。

「早く早く!逃げなきゃ!」

助けを求めようと校舎に残っている教師を探したが、廊下には誰もおらず、聞こえるのは2人の足音と息づかいだけだ。

「シュゴ、こういう時に限って誰もいないなんて、シュゴ、こうなったら直接、職員室まで行くしかないわ、シュゴ。」




「ウグググ…チクショウ!あのデカパイ女め!絶対に逃さないぞ!」

ズボンを履いたマツダイラは目を擦りながらソラ達を追った。

ドタドタドタ

廊下を叩きつけるように走る足音が聞こえてくる。

足音に気付いたかつらが恐怖に満ちた顔で言った。

「大嵐さん、あそこにマツダイラがいるわ。」

マツダイラは巨体を揺らしながら、血眼になって2人を捕まえようと殺気だっていた。

ソラは職員室へ向かうつもりだったが、このまま直進してしまえばマツダイラに見つかってしまう。

機転を利かせたソラは階段付近にある掃除用具が置いてあるスペースに身を隠した。

「うぅ、いたぁい。」

かつらはソラに介助してもらいながら、ゆっくり床に腰掛けた。

「大丈夫なの?シュゴー、突き飛ばされた時、怪我はしてない?」

「たぶん怪我はしてないけど、床に身体を打ったから…。貴女は大丈夫?」

「シュゴー、私は敷いてあったマットに突き飛ばされたからあまり痛くなかったよ。」

ソラは横で座っている砂城院の顔を見て言った。

「ねぇ、どうしてワタクシの事を助けに来たの?」

「それはね旧校舎の音楽室を出た時、ウミがマツダイラと喧嘩をしたの。
ウミが頭でマツダイラの顔面をゴツンとやったらアイツは鼻血を流して、その場に倒れ込んだ。
ウミと一緒にその場を離れたんだけど、怪我をしたマツダイラの事が心配になって旧校舎の音楽室へ戻った。
私が声をかけようとした時、マツダイラはスマホで電話をかけはじめたの。
ウミが砂城院さんを体育倉庫で待っているって話が聞こえちゃってね。
おかしなぁ、ウミはライブハウスへ向かったはずなのにって。
私は不審に思ってマツダイラの後をつけた
…。」

体育座りをしているソラはその後の顛末を知っている為、弱々しく顔を下げた。

「大嵐さん…ありがとう。貴女が助けに来てくれなければワタクシは…マツダイラに…。」

声を殺して泣くかつらはソラにもたれた。
頬から伝わる涙がソラの肩や胸元を濡らした。

























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