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ソラが女子高校生だった頃。未来の旦那様と接近!
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断ろうと思ったが学校で1人も友達がいないソラは、ウミのようなほぼ初対面でガサツな人物でも遊びに誘ってくれた事が嬉しかったのだ。
「どこへ行くの?」
「昨日、おまえと会った古くせぇ音楽室があったろ?あそこだ。俺のギターをおまえに聴かせてやりたんだよ。」
「えっ?あそこに行くの?」
「今じゃ俺の音楽スタジオだ。俺の許可なしでは誰も入れねえ。
そういった意味ではおまえが第一号よ。」
ソラは認められた気がしてちょっと嬉しかった。
「シュゴー、私も行ってみようかな?」
「よっしゃ!人に見られると俄然やる気が増すぜ!」
ウミに喜ばれたソラは照れて内股になった。
「か、神園君!大嵐さんにまんまと騙されてるわ!」
意識を取り戻したかつらは、ソラとウミが仲良く放課後の約束をしているのを見てムキになって割って入ってきた。
「大嵐さんはこう見えて、ワニのように凶暴で危険なのよ!ワタクシは大嵐さんに殴られて鼻から出血した事もあったわ!
それから、これ!このテロリストみたいな格好を見て!
顔にコンプレックスがあるからって、由緒ある姫君で素顔を隠して生活しているのよ。
まともな娘ではないわ!」
「シュゴ…私は殴ってなんかない…。コレ(武装)にだって理由があるの…。」
か細い声でソラは言った。
「ワニなんてロックじゃんか!ますます気に入ったぜ。」
「私、ロックなの?そっかなぁ。あはは…。」
「神園君!ワタクシはロックが好きよ!」
苦笑いをするソラに、フタを閉めてウミはソラに弁当箱を返した。
「おまえの手作り弁当は最高に美味かったよ!米粒一つ残さず全部食わせてもらった!
ごちそうさまでした!」
「大嵐さんが作った得体のしれないお弁当なんか食べたらお腹を壊すわ!これからはワタクシがお弁当を作ってきてあげますわ!」
キーンコーンカーンコーン
「次の授業ってなんだ?」
「次は体育だよ。」
「次は体育だわ!神園君!」
「ワタクシが先に神園君に体育だと教えたかったのに。貴女はワタクシに対抗しないでちょうだい!」
「対抗なんてしてない。ただ聞かれたから教えただけよ。」
ソラはサングラスの位置を直しながら言った。
「それが余計だって言ってんのよ!神園君には、このワタクシがいるの!邪魔をしないで欲しいわ。」
「…あの砂城院さん、そろそろ体操服に着替えない?授業に遅れちゃうわ。」
気まずそうに話したおかっぱに、かつらはポニーテールを振り乱して後ろにいる取り巻き達を睨んだ。
「いえ、あ、あのお取り込み中、割り込んでごめんなさい。」
おかっぱは迫力に押されて謝罪の言葉を口にした。
「確かに貴女の言う通りね。そろそろ着替えなきゃ。」
かつらから、ショーツやブラジャーを脱がされた過去を振り返り、腹いせにメチャクチャな命令がくるかと不安だったが納得してくれた様子だったので取り巻き達は胸を撫で下ろした。
「ふうん。体育か。じゃあまたあとでな!」
ほかの男子と一緒にウミも教室を出て行った。
「ウフン。またねぇん。神園くぅん。」
かつらの甘えた声に、ソラと取り巻き達は思った。
身体の作りが同じ女である私達と、正反対の構造をした身体を持つ男の神園ウミとでは、こうも態度に雲泥の差が現れるものなんだなとスクールシャツやスカートを脱ぎながら考えていた。
「どこへ行くの?」
「昨日、おまえと会った古くせぇ音楽室があったろ?あそこだ。俺のギターをおまえに聴かせてやりたんだよ。」
「えっ?あそこに行くの?」
「今じゃ俺の音楽スタジオだ。俺の許可なしでは誰も入れねえ。
そういった意味ではおまえが第一号よ。」
ソラは認められた気がしてちょっと嬉しかった。
「シュゴー、私も行ってみようかな?」
「よっしゃ!人に見られると俄然やる気が増すぜ!」
ウミに喜ばれたソラは照れて内股になった。
「か、神園君!大嵐さんにまんまと騙されてるわ!」
意識を取り戻したかつらは、ソラとウミが仲良く放課後の約束をしているのを見てムキになって割って入ってきた。
「大嵐さんはこう見えて、ワニのように凶暴で危険なのよ!ワタクシは大嵐さんに殴られて鼻から出血した事もあったわ!
それから、これ!このテロリストみたいな格好を見て!
顔にコンプレックスがあるからって、由緒ある姫君で素顔を隠して生活しているのよ。
まともな娘ではないわ!」
「シュゴ…私は殴ってなんかない…。コレ(武装)にだって理由があるの…。」
か細い声でソラは言った。
「ワニなんてロックじゃんか!ますます気に入ったぜ。」
「私、ロックなの?そっかなぁ。あはは…。」
「神園君!ワタクシはロックが好きよ!」
苦笑いをするソラに、フタを閉めてウミはソラに弁当箱を返した。
「おまえの手作り弁当は最高に美味かったよ!米粒一つ残さず全部食わせてもらった!
ごちそうさまでした!」
「大嵐さんが作った得体のしれないお弁当なんか食べたらお腹を壊すわ!これからはワタクシがお弁当を作ってきてあげますわ!」
キーンコーンカーンコーン
「次の授業ってなんだ?」
「次は体育だよ。」
「次は体育だわ!神園君!」
「ワタクシが先に神園君に体育だと教えたかったのに。貴女はワタクシに対抗しないでちょうだい!」
「対抗なんてしてない。ただ聞かれたから教えただけよ。」
ソラはサングラスの位置を直しながら言った。
「それが余計だって言ってんのよ!神園君には、このワタクシがいるの!邪魔をしないで欲しいわ。」
「…あの砂城院さん、そろそろ体操服に着替えない?授業に遅れちゃうわ。」
気まずそうに話したおかっぱに、かつらはポニーテールを振り乱して後ろにいる取り巻き達を睨んだ。
「いえ、あ、あのお取り込み中、割り込んでごめんなさい。」
おかっぱは迫力に押されて謝罪の言葉を口にした。
「確かに貴女の言う通りね。そろそろ着替えなきゃ。」
かつらから、ショーツやブラジャーを脱がされた過去を振り返り、腹いせにメチャクチャな命令がくるかと不安だったが納得してくれた様子だったので取り巻き達は胸を撫で下ろした。
「ふうん。体育か。じゃあまたあとでな!」
ほかの男子と一緒にウミも教室を出て行った。
「ウフン。またねぇん。神園くぅん。」
かつらの甘えた声に、ソラと取り巻き達は思った。
身体の作りが同じ女である私達と、正反対の構造をした身体を持つ男の神園ウミとでは、こうも態度に雲泥の差が現れるものなんだなとスクールシャツやスカートを脱ぎながら考えていた。
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