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ソラが女子高校生だった頃。未来の旦那様と接近!

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トイレから戻ってきたウミは、また机に突っ伏した。

グキュルルル…。

隣の机で弁当を広げているソラにも、はっきりウミの腹の音が聞こえた。

「いい匂い…。」

ウミは死にかけた表情でソラに言った。

ソラの手作り弁当のオカズは、デミグラスソースのハンバーグ、豚肉のアスパラ巻き、卵焼き、ミニトマト、ブロッコリー、ほうれん草の胡麻和えが彩りよく詰められていた。

「シュゴー、神園君、お昼は食べないの?」

食事を摂らないウミをソラは不審に思った。

「昼か…。金がなくて昼飯なんて食えねえのさ。全部、ギターやらなんやらで、そっちに金を使っちまってるからな…。」

グキュルグルグルグル!

「ああダメだ。また腹が鳴っちまった。
飯の話はよそう。さっきより腹の音がヤバイぜ。」

ウミは完全に顔を伏せてしまった。

「そうなんだ…。」

さすがに気の毒になったソラはお弁当をウミの机に置いて、肩を優しくポンポン叩いた。

「なんだよ。空腹と戦っているんだ。俺に構わないでくれ…。」

「違うよ。シュゴー、もし良かったら私が作ったお弁当をあげようかなと思って。シュゴー。」

「いいのか!?ほんとにいいのか!?」

ヨダレを垂らしながらソラに顔を近づけてきた。

「ど、どうぞ。」

「いただきます!…こんなに美味い弁当は初めてだよ!」

ウミは涙目になってガツガツ食べている。

「そんな大袈裟な…。」

すごい勢いで食べるウミを見てカバンから水筒を取り出して、コップにお茶を入れるとウミの机に置いてあげた。

「ゲホッゲホッ。ちょうど飲み物が欲しかったんだ。どうもありがとう!」

頬を膨らませたウミは胸をトントン叩きながらソラに礼を言った。


学食で昼ご飯を買って帰ってきたかつら達が教室に入ってきた。

「学食に飽きてきたのでワタクシは自宅から、持ってこようかしら。」

「砂城院さんは自分でお弁当を作るの?」

ツインテールが聞いた。

「ワタクシ?ワタクシは自分でなんか作らないわ。料理は家政婦がやっているのよ。」

「すごいね家政婦さんがいるんだ!なんかドラマや漫画みたい!」

カチューシャの発言に取り巻き達は同意した。

「ワタクシは自分で作るほど暇なんかないのよね…ん!?」

かつらが机に座ろとした時、隣同士のソラとウミが話しながら食事をしているのを見た。
弁当を譲ってもらったウミは満面の笑みを浮かべている。

どういうこと?
どういうこと!?
どういうことなの??

激しく動揺したかつらは学食で買ったパンを机に投げ捨てた。

「なによぉ!こんなもの!」

「キャッ!」

取り巻き達がびっくりしている。

貪るようにジャムパンを食べていたマツダイラはかつらの不穏な態度に気がつき、手にジャムパンを持ったままかつらが座る席へ走っていった。

「大丈夫かい?砂城院さん!」

マツダイラは僕が来たからにはもう大丈夫、と言った表情を浮かべてニコッと笑ってみせた。

かけつけてきたマツダイラを睨みつけたかつらは、マツダイラに指を差して「汚らわしい!菓子パンを立ち食いしているあんたみたいなデブはお呼びではないわ!速やかに巣に戻りなさい!」と怒鳴りつけた。


「そ、そんな。砂城院さん。」

マツダイラは哀れな声でメソメソ泣き始めた。

「うひゃー怖っ!あの女ヤバイな!おまえとは正反対の性格だよ。」

ソラは頷いていいかわからなくて、目が泳いだ。

「おまえ、俺に弁当を譲ってくれたじゃん?昼飯抜いて辛くないか?」

「でも、シュゴー、食後に食べようと思ったイチゴがあるから…。」

ソラはタッパーのフタを開けてイチゴを食べている。

「…今日、おまえは暇か?もし暇なら俺に付き合えよ。」

かつらはウミがソラを誘った発言を聞いてショックのあまり失神した。





























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