私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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ソラが女子高校生だった頃。女子トイレの攻防!

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「謝る気はないようね。仕方ないわ…ワタクシの意に反するけれどわからせてあげる。」

「黙って従えばここまで痛い思いをしないで済んだのにぃ、バッカね~!
大嵐さんあんた、もう終わりよ!砂城院さんをここまで怒らせちゃったんだから!」

おかっぱの女子生徒は釣り上がった目つきで、ソラを煽るとその後の展開を楽しんでいる。

「ちょうどいいわ。貴女に手伝ってもらいたいのだけれど、よろしくて?」

「もちろんよ!」

おかっぱは嬉しそうに答えた。

「貴女、今すぐ穿いているパンティをこの場で脱いで欲しいの。」

「えっ!?な、なんでパンティ?」

おかっぱだけでなく、取り巻き一同も騒ついている。

「ワタクシ、この後、お誘いがあるって言ったわよね?
貴女にいちいち、答える暇はないわ!」

砂城院は獰猛どうもうなヘビのような顔つきになった。
ギラギラした目つきで睨み、口を大きく開けて今にも噛みつこうとしている。

取り巻きのおかっぱは砂城院に圧倒されて、従うしかなった。

おかっぱはスカートの下から手をくぐらせて、躊躇ためらいながらショーツをゆっくり太ももまで下ろしている。

「何をやっているの?早く脱ぎなさいな!」

砂城院は語気を強めた。

「はい…。」

顔を真っ赤にしたおかっぱは、足首までショーツを下ろし、左足の踵を上げている。
短いスカートからショーツを脱ぐ際、前と尻を手で交互に隠しながらやっと脱いだ。

「あ、あのぉ、パンティを脱いだんだけどぉ…。」

おかっぱは極端な内股になり、手に持っているショーツを砂城院の前でいやいや見せた。

「フフフ…貴女、ちょっとシミが付いているわよ。
それにしたって、ベージュのパンティなんてまるでオバンみたいだわね。」

ほかの取り巻き達は手で口元を隠しながらクスクス笑う。

おかっぱは恥ずかしさに耐えられず俯いた。

砂城院は女子トイレに備え付けられているロッカーを開けて、厚手のゴム手袋を両手にはめた。

茫然ぼうぜんとしている、おかっぱの手から奪う。

「シミより生理中だったら面白かったのに。まぁ、これでも充分かな?」

砂城院は独り言を言いながらソラの正面に立った。

「大嵐さん。このシミ付きパンティをどうすると思う?」

ソラは砂城院が何をしでかすのかさっぱり見当がつかず、ただただ身体を震わせて恐れるばかりだ。

「ワタクシに怪我をさせて反省しない貴女は、今すぐ素顔を晒し、この汚いパンティを口に咥えるのよ!」

そう言うと砂城院はいきなり襲いかかっていった。

「ほらほら!謝れないブスはパンティを咥えて、みんなの前で醜態を晒せ!」

ぶつかってきた衝撃でソラは後頭部を壁にぶつけた。

その隙に砂城院はフェースカバーを外そうとするが、ソラは死に物狂いで抵抗している。

平手で右頬を叩くが、ソラは痛みに耐えながら腕でガードした。

「キー!ブスのくせに生意気ね!」

この光景を見てさすがに取り巻き達も唖然あぜんとしている。

砂城院は防戦一方であるがガードの硬いソラに対して攻め方を変えた。
中腰になりソラのスカートに手をかけようとしている。

「脱がしてしまえばここから逃げられないでしょ!」

狂っている砂城院がソラのスカートを脱がそうと、悪魔のような顔で襲いかかっている時、セラから聞いた助言を思い出す。

(一発、殴ったらすぐ逃げて!)

もうこのアドバイスを実行するしかない。

ソラは中腰の砂城院を力一杯、突き飛ばした。

突き飛ばされた砂城院は個室トイレに頭と背中をぶつけて、その場でへたり込んでいる。

異様な光景を目にして、ただ茫然と立ちつくしている取り巻き達は目の前を走るソラを追いかける事が出来なかった。












































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