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ソラが女子高校生だった頃。標的にされたソラ
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昼休憩が終わると体育の授業を受ける為、ソラ達は体操服に着替えなければいけなかった。
「どうしよう、着替えは辛いな。でも顔は隠したいし…。」
顔の武装を外して着替えなければ、体操服の上着をくぐることができない。
あれこれ、頭の中でどのような方法で着替えるべきかシミュレーションを試みたが、どれも武装を外さない限り体操服を着る事は難しい。
「はぁ…。」とため息を口にした時、ソラはトイレで着替えればいいんだとひらめいた。
さっそく上下グリーンの体操服を持って女子トイレに向かおうとした時だ。
「大嵐さん。どこへいくの?」
右側の鎖骨にかかったポニーテールの髪を右手で華麗に払いながら、笑顔で答えた。
「シュゴー、私はトイレに行くだけよ。」
「体操服を持って着替えるつもりでしょ?言っときますがトイレは更衣室ではないわ。そうよね?大嵐さん。」
「そ、そうだけど…私の事は気にしないで。」
ソラは逃げるように砂城院から離れて女子トイレに向かおうとしたが手首を掴まれた。
「トイレは更衣室ではないって言っているでしょうが!なぜ、トイレで着替えるの?ワタクシ達だって教室で着替えたのよ。
ねぇ、みんなそうよね?」
他の女子は目をキョロキョロさせながら、頷いた。
「ワタクシ達、クラスメイトよ。友達じゃない。
ましてや男子ではなく同じ女の子よ。
女同士で着替えたところで恥ずかしくないはずだわ。」
「でも、私は…。」
丁寧ではあるが冷たい話し方をする砂城院かつらの圧力に怯えている。
「わかったわ。もしかして大嵐さんは、ワタクシ達の事を信頼していないんだわ。そうだったのね。大嵐さん?」
「そんな、違うわ!みんなを信頼していないとか、シュゴー、そんな理由じゃないの…。」
「それならば、ここで着替えればいいじゃない。男子はとっくに体育館に行っていないわよ。」
なんて答えればいいかわからずソラは黙っていた。
「…答えられない?口も聞きたくないって事かしら?
やっぱりワタクシ達の事、信頼していないんだわ。それどころか見下しているのよ。」
ソラは少し間を置いたあと、意を決してブレザーのボタンを外していく。
蝶ネクタイを外し、ブレザーを脱いで座っていた椅子の背もたれにかけた。
スクールシャツだけになったソラを見て砂城院は驚いた。
スタイルは良いと思っていたけど、これほどまでに胸が大きくて細いウェストだったなんて…顔にばかり注目していたから気づかなかったわ。
砂城院は自分の身体と比較しながら思った。
「は、早く着替えたら?シャツを着たままで体育をするつもりかしら?
そんななりではセンセに怒られるに決まってるわ。」
ソラは仕方なく着ていたスクールシャツを脱いで、真っ白いブラジャーだけになった。
ここまで誰とも会話をせず、素顔を隠していた控えめな性格のソラに反して、はち切れんばかりにブラジャーから発育のいい白い乳房がうかがえる。
その場にいた同じクラスの女子生徒達は、口に手を当ててソラのスタイルの良さに驚愕していた。
無意識にソラの近くまで来て胸を見たがる娘もいた。
な、なによ大嵐の身体?どうなってるのよ!心の中で喚き散らした。
砂城院は動揺しているが、みんなに動揺しているのを悟られたくないので平然を装っている。
「は、はやく、着替えて!いつまでそうしているつもり?」
しかし、ソラは体操服の上着を着ることはせず尻周りで手を組んでいた。
「大嵐さん、もしかしてその自慢の身体をみんなに見せつけたいわけ?」
ソラは激しく顔を横に振った。
「じゃあ、早く着替えて!さあ早く!」
砂城院はソラの体操服の上着を上から無理やり被せようとした。
「私はここでは武装を脱ぎたくないの!」
「そんな言い訳おかしいわ!」
ソラが泣きそうになりながら抵抗していると、担任の花見が照れくさそうに教室に入ってきた。
「忘れ物~。」
4限で国語を教えており、次の5限で使うプリントを忘れていたのを思い出して取りにきていた。
砂城院は花見が教室にやってきたのに気づくと、何事もなかったように素早くソラから離れて教室を出て行った。
ソラは興奮して呼吸が荒くなり震えも止まらなくなってしまった。
「どうしたの?大嵐さん?早く着替えないと体育の授業に間に合わないわよ?」
砂城院との一件について何も言わず、ソラは震えながら小走りで廊下側へ行き教室を出ようとした。
「大嵐さん!あなたその格好で出ていくつもり!?」
今朝、玄関前でスカートを穿き忘れて母に呼び止められたのと、全く同じシチュエーションだ。
ハッとしたソラはドアの前で体操服の上着を着ていない事に気づいた。
いきなり立ち止まった振動で乳房はブラジャー事、跳ね上がっていた。
「どうしよう、着替えは辛いな。でも顔は隠したいし…。」
顔の武装を外して着替えなければ、体操服の上着をくぐることができない。
あれこれ、頭の中でどのような方法で着替えるべきかシミュレーションを試みたが、どれも武装を外さない限り体操服を着る事は難しい。
「はぁ…。」とため息を口にした時、ソラはトイレで着替えればいいんだとひらめいた。
さっそく上下グリーンの体操服を持って女子トイレに向かおうとした時だ。
「大嵐さん。どこへいくの?」
右側の鎖骨にかかったポニーテールの髪を右手で華麗に払いながら、笑顔で答えた。
「シュゴー、私はトイレに行くだけよ。」
「体操服を持って着替えるつもりでしょ?言っときますがトイレは更衣室ではないわ。そうよね?大嵐さん。」
「そ、そうだけど…私の事は気にしないで。」
ソラは逃げるように砂城院から離れて女子トイレに向かおうとしたが手首を掴まれた。
「トイレは更衣室ではないって言っているでしょうが!なぜ、トイレで着替えるの?ワタクシ達だって教室で着替えたのよ。
ねぇ、みんなそうよね?」
他の女子は目をキョロキョロさせながら、頷いた。
「ワタクシ達、クラスメイトよ。友達じゃない。
ましてや男子ではなく同じ女の子よ。
女同士で着替えたところで恥ずかしくないはずだわ。」
「でも、私は…。」
丁寧ではあるが冷たい話し方をする砂城院かつらの圧力に怯えている。
「わかったわ。もしかして大嵐さんは、ワタクシ達の事を信頼していないんだわ。そうだったのね。大嵐さん?」
「そんな、違うわ!みんなを信頼していないとか、シュゴー、そんな理由じゃないの…。」
「それならば、ここで着替えればいいじゃない。男子はとっくに体育館に行っていないわよ。」
なんて答えればいいかわからずソラは黙っていた。
「…答えられない?口も聞きたくないって事かしら?
やっぱりワタクシ達の事、信頼していないんだわ。それどころか見下しているのよ。」
ソラは少し間を置いたあと、意を決してブレザーのボタンを外していく。
蝶ネクタイを外し、ブレザーを脱いで座っていた椅子の背もたれにかけた。
スクールシャツだけになったソラを見て砂城院は驚いた。
スタイルは良いと思っていたけど、これほどまでに胸が大きくて細いウェストだったなんて…顔にばかり注目していたから気づかなかったわ。
砂城院は自分の身体と比較しながら思った。
「は、早く着替えたら?シャツを着たままで体育をするつもりかしら?
そんななりではセンセに怒られるに決まってるわ。」
ソラは仕方なく着ていたスクールシャツを脱いで、真っ白いブラジャーだけになった。
ここまで誰とも会話をせず、素顔を隠していた控えめな性格のソラに反して、はち切れんばかりにブラジャーから発育のいい白い乳房がうかがえる。
その場にいた同じクラスの女子生徒達は、口に手を当ててソラのスタイルの良さに驚愕していた。
無意識にソラの近くまで来て胸を見たがる娘もいた。
な、なによ大嵐の身体?どうなってるのよ!心の中で喚き散らした。
砂城院は動揺しているが、みんなに動揺しているのを悟られたくないので平然を装っている。
「は、はやく、着替えて!いつまでそうしているつもり?」
しかし、ソラは体操服の上着を着ることはせず尻周りで手を組んでいた。
「大嵐さん、もしかしてその自慢の身体をみんなに見せつけたいわけ?」
ソラは激しく顔を横に振った。
「じゃあ、早く着替えて!さあ早く!」
砂城院はソラの体操服の上着を上から無理やり被せようとした。
「私はここでは武装を脱ぎたくないの!」
「そんな言い訳おかしいわ!」
ソラが泣きそうになりながら抵抗していると、担任の花見が照れくさそうに教室に入ってきた。
「忘れ物~。」
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「どうしたの?大嵐さん?早く着替えないと体育の授業に間に合わないわよ?」
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今朝、玄関前でスカートを穿き忘れて母に呼び止められたのと、全く同じシチュエーションだ。
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