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気にはしている?

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ミカミは姉妹の後を追い、漫画喫茶で宿泊している。

バニラソフトクリームを舐めながら、いかにして姉妹に近づくかよこしまな作戦を練っていた。

「女神が俺の家の隣に住んでいた時とは違い勝手がききやしない。
管理人のいない古くてしょぼいマンションだが、防犯カメラもあるしセキュリティはそこそこ…。
難しいな。どうすればあのお乳とお尻に近づけるんだ?」

リクライニングシートを倒して深くもたれながら、しばらく考えたものの名案が浮かばないミカミは他にやる事もないので気分転換に動画を観る事にした。

「初めはチャンスだと思ったんだけどな…。骨折り損のくたびれもうけで終わるのかな?
わざわざこんな所まで来て満喫で動画を観るなんてアホだ…。」

気の抜けたミカミは画面に映し出された若く綺麗な2人の女性をなんとなく観ている。

薄暗い証明の中で片割れのふっくらした女性がインタビュアーの質問に積極的な男性がタイプだと答えている。
もう片方の高身長の女性は「私も」と言いグイグイくるタイプが好きだと答えた。

「積極的ね~。ここまで追ってきた俺は積極的だよな?」

中年太りした男性インタビュアーが「男は当たって砕けろくらいが丁度良いかもです!」とカメラ目線で視聴者に伝えた。

「好みのルックスは?」

インタビュアーが問う。

えー好み?と2人で顔を見合わせながら、髪を撫でながら照れ臭そうにイケメンが好きだと言った。

「なんだこの女どもは、結局はイケメンかよ?」

「でも、恋愛する上で大切な事があって、どこまで私を愛してくれるかが何より大事です。
顔が良くても誠実じゃなきゃ、お付き合いはできないかな?」

腹が立って動画を消そうと思ったが、この言葉を聞いてもう少し見てやってもいい、そんな気持ちが芽生えた。

「なるほど。サトミちゃんは?」

インタビュアーはサトミという名のぽっちゃりした女性にマイクを向けた。

「私も同感。もちろんイケメンは好きだけど、みんながみんなとは言いませんがイケメンだとけっこう浮気するタイプっていますよね?
世の女性は浮気とかって嫌いですよ。
それと浮気に限らず、なんていうの?精神的に?女の子を怖がらせたり、不愉快な事をしてくる人は例えイケメンでも絶対に無理。」

インタビュアーが話そうとした時、会話を被せてきた高身長の女性にマイクを向けた。

「そうそう!絶対に無理!あり得ないよね~!」

前髪をしきりに気にしながら高身長の女性は答えた。

「なるほど。ルックスが良ければ越した事はないけども、それより性格重視って事だね?」

2人は口を揃えて「はい。」と答える。

「じゃあ、酷いブサイクでもお付き合いしちゃう?」

インタビュアーは少々、意地悪な質問を投げかけた。

2人の女性は大口を開けて笑った。

「やはりこの頭の悪そうな女どもこそ俺にとって不快だ。明らかに偽善者だ。」

しかし、ふっくらした女性の発言でミカミは動画をまたしても消す選択をしなかった。

「なんていうのかな?んーと、見た目について、顔が良いとかそうじゃないってより、清潔感の方が遥かに重要で、身だしなみがちゃんと整っていれば、基本オッケーなんですよね。
服とかヨレヨレだったり、目やについているとか?その辺かな?」

「あっ、身だしなみね!それは同性同士でもやだよな!汚ねえヤツ。カホちゃんは?」

「私も同じで、清潔感は重要だなぁ。
チェックしているわけではないけど自然と目に入っちゃう。
あと、ちょっと話が変わってアレだけど、レストランやコンビニの店員さんにやたら高圧的な男、嫌い。」

長身のカホが新たな話題を提供した。

「それわかる~!私、学生の頃、接客やってたから尚更気持ちわかる!」

「え~話は尽きないですが、この辺で「輝け!男の為のモテモテ塾」、今日のまとめに入らせていただきますっ!」

インタビュアーの男が要点を書いたフリップを取り出して、サトミとカホの話を上手にまとめた。

最後まで番組を鑑賞したミカミは今までの己の行動を恥た。

「これじゃ女神に好かれるどころか、嫌われてしまうよな…。俺は、俺は今まで何をやっていたんだ。」

ミカミはリクライニングシートから飛び上がり、漫画喫茶を後にした。







































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