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帰国した妹はお姉ちゃんと瓜二つ
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「涼しい…。」
ついにエアコンが設置されて部屋は快適な空間になった。
「お高い買い物だったけど、やっぱり買って良かったわ。」
エアコンから送られてくる冷たい風を浴びながら、テーブルに手をつけてソラは立ち上がった。
「よぉし、ウミも頑張っているし私も今日1日、家事を頑張ってやりますか。」
腕を曲げて可愛らしく力こぶを作る仕草をするほど、やる気を漲らせている。
ソラは手始めに掃除機がけをしようとコードを引っ張ってコンセントに差し込んだ時だ。
ピンポン
「あら誰か来たわ。」
つい、確認を怠ってドアを開けようとしたがウミとの防犯訓練をした経験がドアを開ける手を寸前で止めた。
「はややや。ダメダメ。ちゃんと確認しなきゃ。」
ソラは片目をつむりドアスコープで覗くと、目の前にはショートカットの金髪。
こんがり焼けた肌。
白いタンクトップを着たボーイッシュな女の子が立っていた。
一瞬、ソラは誰かわからなかったが、その顔はソラと瓜二つの双子の妹であるセラだと気づいた。
ソラは興奮してドアを開けた。
「ウソッ!?ウソウソ!セラじゃない!久しぶりだねー!
あ~ん。もうびっくしたなぁ。
アンタ、昔から連絡なしにいきなりやってきたりするから。元気してた?」
「姉貴、おひさ!ちょっと姉貴の顔が見たくなってさ。うん。私はこの通り元気だよ!」
やはり双子の姉妹。セラも腕を曲げて力こぶを作ってみせた。
「そう、元気そうで良かった。私も元気、元気!
って、こんな暑い日に立ち話なんて死んじゃうね。
せっかく来たんだから早く上がって上がって。」
「わーい。お邪魔しまーす!ふぅー涼しいね!」
セラは背中に背負った大きなリュックからペットボトルの水を取り出してゴクゴク飲んだ。
「高校を卒業してから約半年、ぜんぜん会ってなかったわね。
どこに行ってたの?」
ソラはテーブルから身を乗り出して聞いた。
「あたし?あたしは高校の卒業式を終えてすぐタイに行ったのさ。」
「タイィィ?なんでタイへ!?」
ソラとセラは中学を卒業後、別々の高校へ進学した。
ソラは私立の共学の高校へ入学。そこでウミと出会う。
対してセラは全寮制の女子高に通いレスリングに夢中になった。
「ほら、あたしって総合格闘技をやってんじゃん?
ちょっと打撃の方ももっと強化したくてさ。
そんでムエタイの本場、タイに飛んだってわけ。
色々、学ぶ事が多かったよ。」
タンクトップの下から手を入れて腹回りを掻いている。
「アンタ、相変わらず行動力があるのね!
私なんかにはマネできないわよぉ。」
ソラは自分とは180度異なる人生を歩んでいる妹に驚きを隠せなかった。
「あたしからすれば姉貴の方がおもいっきりがいいっしょ。
だって、高校を卒業後、脇目もふらず一途に好きな人とすぐ結婚したんだよ。
あたしにはできないね。」
「あはは。面と向かってアンタに言われて恥ずかしいわ。」
ソラは無意味に両目の目尻を指で下げてタレ目のようにしている。
照れているのだろう。
際どいホットパンツ姿のセラは片膝を立てて部屋を見回しているとウミの所有している3本のエレキギターを見つけた。
「お義兄さん、高校時代からロックバンドで生計立てる夢持ってたもんね。
今もちゃんとやってる?」
「うん。やってるよ!
最近はメキメキ頭角を表してけっこう人気になったんだ。
その分、忙しくなっちゃって帰りが遅いもんだから、この前、カンチョーをお見舞いしてやったわ。」
「キャハハハ!姉貴のカンチョー攻撃は痛いんだよなあ。」
妹のセラは手を叩いて笑っている。
「ねぇねぇ、セラ?せっかくなんだから今日はウチで泊まっていきなさいよぉ?
この後、用事はあるの?
ロフトがあるから寝る場所も問題ないわ。」
「用事はないけど、さすがに申し訳ないよ。
だって姉貴は新婚さんじゃん?
あたしが居たら邪魔になっちゃうと思う。」
セラは姉のソラと瓜二つの大きな瞳をソラに向けて答えた。
「いつからそんなに水臭くなったのよ?
半年間、タイで暮らして変わっちゃったわね。
私達の事は遠慮しなくても大丈夫よ!ウミもきっと喜ぶから。
あ、もしかして泊まるの渋ったのは部屋が狭いから?」
「うん、そうだね。狭い部屋は無理だ。
っていうのは冗談。
基本的にあたしはどこでも寝られるよ。
野宿とかした事あるし。」
「野宿ぅぅ?なによそれ?セラ、アンタどんな生活してんのよぉ?」
「あたしは野生だから。
どんな環境下でも生きていく自信はある。」
中学まで同じ環境でともに生活をしてきた双子の姉妹であっても性格や価値観は全く異なっている。
とはいえタイプが違うからこそ、かえってそれが2人の関係を良好なものにしていて、これまでも姉妹の関係に亀裂が入ったことなど一切ない。
姉妹は強い絆で結ばれているのだ。
ついにエアコンが設置されて部屋は快適な空間になった。
「お高い買い物だったけど、やっぱり買って良かったわ。」
エアコンから送られてくる冷たい風を浴びながら、テーブルに手をつけてソラは立ち上がった。
「よぉし、ウミも頑張っているし私も今日1日、家事を頑張ってやりますか。」
腕を曲げて可愛らしく力こぶを作る仕草をするほど、やる気を漲らせている。
ソラは手始めに掃除機がけをしようとコードを引っ張ってコンセントに差し込んだ時だ。
ピンポン
「あら誰か来たわ。」
つい、確認を怠ってドアを開けようとしたがウミとの防犯訓練をした経験がドアを開ける手を寸前で止めた。
「はややや。ダメダメ。ちゃんと確認しなきゃ。」
ソラは片目をつむりドアスコープで覗くと、目の前にはショートカットの金髪。
こんがり焼けた肌。
白いタンクトップを着たボーイッシュな女の子が立っていた。
一瞬、ソラは誰かわからなかったが、その顔はソラと瓜二つの双子の妹であるセラだと気づいた。
ソラは興奮してドアを開けた。
「ウソッ!?ウソウソ!セラじゃない!久しぶりだねー!
あ~ん。もうびっくしたなぁ。
アンタ、昔から連絡なしにいきなりやってきたりするから。元気してた?」
「姉貴、おひさ!ちょっと姉貴の顔が見たくなってさ。うん。私はこの通り元気だよ!」
やはり双子の姉妹。セラも腕を曲げて力こぶを作ってみせた。
「そう、元気そうで良かった。私も元気、元気!
って、こんな暑い日に立ち話なんて死んじゃうね。
せっかく来たんだから早く上がって上がって。」
「わーい。お邪魔しまーす!ふぅー涼しいね!」
セラは背中に背負った大きなリュックからペットボトルの水を取り出してゴクゴク飲んだ。
「高校を卒業してから約半年、ぜんぜん会ってなかったわね。
どこに行ってたの?」
ソラはテーブルから身を乗り出して聞いた。
「あたし?あたしは高校の卒業式を終えてすぐタイに行ったのさ。」
「タイィィ?なんでタイへ!?」
ソラとセラは中学を卒業後、別々の高校へ進学した。
ソラは私立の共学の高校へ入学。そこでウミと出会う。
対してセラは全寮制の女子高に通いレスリングに夢中になった。
「ほら、あたしって総合格闘技をやってんじゃん?
ちょっと打撃の方ももっと強化したくてさ。
そんでムエタイの本場、タイに飛んだってわけ。
色々、学ぶ事が多かったよ。」
タンクトップの下から手を入れて腹回りを掻いている。
「アンタ、相変わらず行動力があるのね!
私なんかにはマネできないわよぉ。」
ソラは自分とは180度異なる人生を歩んでいる妹に驚きを隠せなかった。
「あたしからすれば姉貴の方がおもいっきりがいいっしょ。
だって、高校を卒業後、脇目もふらず一途に好きな人とすぐ結婚したんだよ。
あたしにはできないね。」
「あはは。面と向かってアンタに言われて恥ずかしいわ。」
ソラは無意味に両目の目尻を指で下げてタレ目のようにしている。
照れているのだろう。
際どいホットパンツ姿のセラは片膝を立てて部屋を見回しているとウミの所有している3本のエレキギターを見つけた。
「お義兄さん、高校時代からロックバンドで生計立てる夢持ってたもんね。
今もちゃんとやってる?」
「うん。やってるよ!
最近はメキメキ頭角を表してけっこう人気になったんだ。
その分、忙しくなっちゃって帰りが遅いもんだから、この前、カンチョーをお見舞いしてやったわ。」
「キャハハハ!姉貴のカンチョー攻撃は痛いんだよなあ。」
妹のセラは手を叩いて笑っている。
「ねぇねぇ、セラ?せっかくなんだから今日はウチで泊まっていきなさいよぉ?
この後、用事はあるの?
ロフトがあるから寝る場所も問題ないわ。」
「用事はないけど、さすがに申し訳ないよ。
だって姉貴は新婚さんじゃん?
あたしが居たら邪魔になっちゃうと思う。」
セラは姉のソラと瓜二つの大きな瞳をソラに向けて答えた。
「いつからそんなに水臭くなったのよ?
半年間、タイで暮らして変わっちゃったわね。
私達の事は遠慮しなくても大丈夫よ!ウミもきっと喜ぶから。
あ、もしかして泊まるの渋ったのは部屋が狭いから?」
「うん、そうだね。狭い部屋は無理だ。
っていうのは冗談。
基本的にあたしはどこでも寝られるよ。
野宿とかした事あるし。」
「野宿ぅぅ?なによそれ?セラ、アンタどんな生活してんのよぉ?」
「あたしは野生だから。
どんな環境下でも生きていく自信はある。」
中学まで同じ環境でともに生活をしてきた双子の姉妹であっても性格や価値観は全く異なっている。
とはいえタイプが違うからこそ、かえってそれが2人の関係を良好なものにしていて、これまでも姉妹の関係に亀裂が入ったことなど一切ない。
姉妹は強い絆で結ばれているのだ。
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