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01 美化され続ける過去
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人生。統計結果として。
私が恋心を抱いた対象は比較的女性が多かった。
複雑な理由などなく。
どちらでもいけるなどと寛容な精神を持ち合わせていたわけでもなく。
よくモテた幼稚園時代。
母が綺麗に結ってくれた長い髪。
正常体型にぷっくりしたほっぺ。愛嬌のある笑顔。
男女問わず仲良く遊んでいた。
喘息持ちで走り回れない体質ではあったものの、それが功を奏した。
野蛮な人種を避け、優しく寄り添ってくれる友人に恵まれた。
思い返せば、私は好きになった人間がとにかくいなくなる。
初めて好きになった幼稚園の先生は転勤。
一緒に泥んこ遊びをした男の子は転園。
女の子で1番仲良くしてくれた子は卒園と同時に転校。
失恋体質。これが小学校に入ると少し変化があった。
小学校時代に気になった子は皆、転校してしまった。
中学入りたては1人だった。
好きだった子が転校してしまった、のか。
転校をきっかけに「好きだった」事にしている、のか。
わからなくなった。
別れは平等に悲しかっただが、離れた事によって愛おしくなったのか。
わからなくなった。
「悲しい」と感じながら。同時に「快感」も覚え始めていたのだ。
無自覚の悲劇のヒロイン気取り。ナルシズムの誕生。
毎度リセットされる友人関係。
1からやり直せる安心と快感を覚えてしまった。
起こらなくなった偶然ーー「引っ越し」というイベント。
別れのレベルが跳ね上がった。
人が死んだ。
記憶に薄い父方の祖父の死。
メジロが大好きだった。物干しに刺した蜜柑に止まるメジロを眺める姿。
ーーそれよりも、入院してベットに横になる姿が記憶に新しい。
父は良く笑い叱る時は叱る良い父だ。
辛そうな様子は一切見せない父だった。
持病の偏頭痛が酷くなれば、黙って寝床につき、弱音も吐かなかった。
そんな父でも、実の父の死には動揺を見せた。
お見舞いに行こう、と祖母を迎えに行ったその日。
訃報を聞かせれ、咄嗟の出来事に、私に強がる余裕は無かった。
「じいじ、死んじゃったって。」
視線は自分の足元に落としたまま、優しい声色で私にそう告げた。
身近な人間の死はこれが初めてで。
末っ子であった私は、祖父と過ごす時間は短く、記憶にも薄い。
それでもその場の空気から感じ取れた。
愛おしさ。別れを惜しむ寂しさ。
理解しきれない感覚。非日常。異様な空間に恐怖して、私は泣いた。
しばらく起こらなかったリセットイベント。
リセットに依存し始めていた私は、自らリセットを行う様になった。
引っ越し、死別。向こうからのお別れイベントが起こらないなら。
と、言ってもまだ小学生。殺人衝動なんて思考には届かず。
ーー胸の中に湧き上がる苛立ち。
関係を持続することへの不安と面倒臭さが入り混じって耐えられなくなった。
私以外と私以上に仲良くなろうとする友人がいた。
唯一の、友人と呼べる存在。
他は所詮、クラスメイト。同級生。近所の子。
私が見つけた。私がここまで育てた。
「実は愛想の良い友人」の存在に気付いて手を伸ばし始めた外野。
ムカつく。生意気。触らないで。
私が見つけた原石。私が磨いた宝石なのに。
私が最初に手を出したのに。
ーーお前らはこの子を避けていた癖に。拒んでいた癖に。
歯車がかけて。ずれて。
上手くいかない関係性。復旧・持続の面倒臭さ。
承認欲求の爆発。
馬鹿女思考の誕生。
失敗。
二度とこんなミスしてたまるか、と。馬鹿女思考は誕生その後即、封印した。
とある日。学校を休んだ翌日だった。
友人が話していた相手は、私が嫌いだと断言していた人間だった。
喘息を原因に医者公認で持久走を休む私。それを仮病だと言いふらす女だった。
平熱が高く、休みたい時にいつでも休める女。それを仮病だと言いふらす私。
どっちもどっちだった。
友人はいつも私の味方をしてくれた。
ーーでも、私がいない時の友人は、どうやってやり過ごしていたのだろう。
休んだその日も仮病か風邪か。どちらだったか覚えていない。
私の嫌いな女と、他数人とグループで、ヒソヒソ話していた。
その1日で友人は何かを吹き込まれたのか、私と距離を置き始めた。
私は、手紙で、随分と幼稚な内容を送りつけてしまった。
「明日から、絶交ね。」
友人には私しか友達がいないとばかり思い込んでいた。
友人は、あの日から新しいコミュニティを築始めていたのだ。
私の言葉をすんなり受け入れ、綺麗に私の元を離れていった。
『ーーーーー』って言ってくれると思ってた。
具体的な言葉は思いつかない。謝罪なのか、お叱りなのか。
とにかく私を求める言葉や態度を欲してしまった。
こっちから折れるというのは、ゴミみたいなプライドが許さなかった。
離れたと確信した矢先。
雨の強い日。母が車で学校に迎えに来てくれた。
事情なんて知らない母が、友人も乗せてあげな、と提案した。
その事をそのまま友人に伝えると、何も言わずに車に乗ってくれた。
否定されないそれは、嫌われていない証拠だろう。
今までの拒絶は、私の勘違いだったのだ、と。
舞い上がった私から出た言葉。
「絶交、やっぱり無しにしよう」
「だめだよ」
即答だった。
私の茶化した言い方に対し、淡白な返事だった。
母の頭に疑問符が浮くだけの、気まずい空間が出来ただけだった。
友人は、どう考えて車に乗ってくれたのだろう。
復縁を願って乗ったのだろうか。
断るのが面倒で乗ったのか。
雨に濡れたくなくて乗ったのか。
許そうとして、乗ってくれたのではないだろうか。
第一声が、真面目なごめんなさいだったら、変わっていただろうか。
幼稚な私はその記憶を悲しみ悔うのではなく、面倒だと思い込むのだった。
あいつはシャイで面倒なところがあったから。
長い髪もどうにかしろ、と言っても聞かないし。
あいつの姉ちゃん怖いから遊ぶ時気を使うし。
裏切ったし。
何考えてるか、わかんないし。
探せばやっと見つかるくらいの、少数の嫌いなところを掘り出して固めて。
憎しみに作り替えた。
『私』という厄介な人間を相手にしてきた友人の対人スキルは、高くなっていただろう。
普通の人間の相手は、さぞかし楽だっただろう。
孤立していて、何も笑わない友人にしつこく声をかけ続けた。
良心なんかじゃない。
偽善だ。
喋らない孤独で根暗な人間をあえて選んだ。
孤独な私を知らない。
初対面の人間にとって私はおっせかいな世話焼きおしゃべり女。
勉強も運動も秀でていない私が。
唯一優位に立っている、と錯覚出来る方法。
とても気持ちよかった。
ーー唯一の友達になり、依存させた。
ーーと思っていた。
依存していたのは私だけだったのだろうか。
友人がそれを求めていたのならいいのだけど。
『女子生徒A』の『友達その1』になって。
深みのない相槌をして。意見、反発をせず。
不慣れな愛想笑いをして。爆笑なんか無縁だ。
必要性の薄い、何となくの存在。強く求められない。刺激のない関係性。
私が疲れて面倒になった様に、友人もそうだったのか?
皮肉にも中学、高校と同じ学校に通った。
救いにも同じクラスには一度もならなかった。
一度勇気を持って声をかけた時には、鼻と口に穴を開けていた。
私が突き放さなければ、こんなにグレなかっただろうに。
…と、無駄に親目線だった。
その先、気付いたら友人は学校に来なくなっていた。
次に会えたのは成人式まで先になる。
むしろ、よく成人式で会えたもんだ、と。
正直嬉しかった。
痛みの目立たない金髪。真ん中で分けられている長い前髪。
振袖の旧友に囲まれて。黒スーツにハイヒール姿は目立っていた。
ぶっきら棒な態度、話し方は変わらず。
よく笑っていた。話声も大きかった。
綺麗だと思った。
「久しぶり」
思わず声をかけた。
「ああ、久しぶり!」
その一言だけで、すぐに周りの人間との会話に戻っていった。
愛想の良い笑顔と、面倒な奴の交わし方が、上手になっていた。
口と鼻の穴は塞がっていて、上手に化粧がされていた。
美人になっていた。
大人になっていた。
あの輪に入れていない事が悔しかった。
嫉妬してた。
統計的に。
取られたくなくて、独占したくて嫉妬して、時にはされて。
キスやセックスとは無縁であったとしても。
再会したその時までも、何度も夢に出てきた。
復縁に、壊れなかった世界線に憧れ夢に見た。
これは、憧れ?恋?
引っ掛かるのは経験不足と性別だけ。
恋だ。失恋だ。
晴れて。
これで彼女との物語に終止符は打てたものだと思うのだが。
それもまた思い込み。
未練はたらたらで、未だに仲の良い状態を夢に見る。
こんなの望んで無いのに!と自分に言い聞かせながら、また続きを見たいと二度寝をしたりする。
1番会いたいと思っているはずの人間は、夢に出たことがない。
これも、自分への言い聞かせなのだろうか。
過去も思想も美化して。自分に酔い続ける。
終わりは、無い。
私が恋心を抱いた対象は比較的女性が多かった。
複雑な理由などなく。
どちらでもいけるなどと寛容な精神を持ち合わせていたわけでもなく。
よくモテた幼稚園時代。
母が綺麗に結ってくれた長い髪。
正常体型にぷっくりしたほっぺ。愛嬌のある笑顔。
男女問わず仲良く遊んでいた。
喘息持ちで走り回れない体質ではあったものの、それが功を奏した。
野蛮な人種を避け、優しく寄り添ってくれる友人に恵まれた。
思い返せば、私は好きになった人間がとにかくいなくなる。
初めて好きになった幼稚園の先生は転勤。
一緒に泥んこ遊びをした男の子は転園。
女の子で1番仲良くしてくれた子は卒園と同時に転校。
失恋体質。これが小学校に入ると少し変化があった。
小学校時代に気になった子は皆、転校してしまった。
中学入りたては1人だった。
好きだった子が転校してしまった、のか。
転校をきっかけに「好きだった」事にしている、のか。
わからなくなった。
別れは平等に悲しかっただが、離れた事によって愛おしくなったのか。
わからなくなった。
「悲しい」と感じながら。同時に「快感」も覚え始めていたのだ。
無自覚の悲劇のヒロイン気取り。ナルシズムの誕生。
毎度リセットされる友人関係。
1からやり直せる安心と快感を覚えてしまった。
起こらなくなった偶然ーー「引っ越し」というイベント。
別れのレベルが跳ね上がった。
人が死んだ。
記憶に薄い父方の祖父の死。
メジロが大好きだった。物干しに刺した蜜柑に止まるメジロを眺める姿。
ーーそれよりも、入院してベットに横になる姿が記憶に新しい。
父は良く笑い叱る時は叱る良い父だ。
辛そうな様子は一切見せない父だった。
持病の偏頭痛が酷くなれば、黙って寝床につき、弱音も吐かなかった。
そんな父でも、実の父の死には動揺を見せた。
お見舞いに行こう、と祖母を迎えに行ったその日。
訃報を聞かせれ、咄嗟の出来事に、私に強がる余裕は無かった。
「じいじ、死んじゃったって。」
視線は自分の足元に落としたまま、優しい声色で私にそう告げた。
身近な人間の死はこれが初めてで。
末っ子であった私は、祖父と過ごす時間は短く、記憶にも薄い。
それでもその場の空気から感じ取れた。
愛おしさ。別れを惜しむ寂しさ。
理解しきれない感覚。非日常。異様な空間に恐怖して、私は泣いた。
しばらく起こらなかったリセットイベント。
リセットに依存し始めていた私は、自らリセットを行う様になった。
引っ越し、死別。向こうからのお別れイベントが起こらないなら。
と、言ってもまだ小学生。殺人衝動なんて思考には届かず。
ーー胸の中に湧き上がる苛立ち。
関係を持続することへの不安と面倒臭さが入り混じって耐えられなくなった。
私以外と私以上に仲良くなろうとする友人がいた。
唯一の、友人と呼べる存在。
他は所詮、クラスメイト。同級生。近所の子。
私が見つけた。私がここまで育てた。
「実は愛想の良い友人」の存在に気付いて手を伸ばし始めた外野。
ムカつく。生意気。触らないで。
私が見つけた原石。私が磨いた宝石なのに。
私が最初に手を出したのに。
ーーお前らはこの子を避けていた癖に。拒んでいた癖に。
歯車がかけて。ずれて。
上手くいかない関係性。復旧・持続の面倒臭さ。
承認欲求の爆発。
馬鹿女思考の誕生。
失敗。
二度とこんなミスしてたまるか、と。馬鹿女思考は誕生その後即、封印した。
とある日。学校を休んだ翌日だった。
友人が話していた相手は、私が嫌いだと断言していた人間だった。
喘息を原因に医者公認で持久走を休む私。それを仮病だと言いふらす女だった。
平熱が高く、休みたい時にいつでも休める女。それを仮病だと言いふらす私。
どっちもどっちだった。
友人はいつも私の味方をしてくれた。
ーーでも、私がいない時の友人は、どうやってやり過ごしていたのだろう。
休んだその日も仮病か風邪か。どちらだったか覚えていない。
私の嫌いな女と、他数人とグループで、ヒソヒソ話していた。
その1日で友人は何かを吹き込まれたのか、私と距離を置き始めた。
私は、手紙で、随分と幼稚な内容を送りつけてしまった。
「明日から、絶交ね。」
友人には私しか友達がいないとばかり思い込んでいた。
友人は、あの日から新しいコミュニティを築始めていたのだ。
私の言葉をすんなり受け入れ、綺麗に私の元を離れていった。
『ーーーーー』って言ってくれると思ってた。
具体的な言葉は思いつかない。謝罪なのか、お叱りなのか。
とにかく私を求める言葉や態度を欲してしまった。
こっちから折れるというのは、ゴミみたいなプライドが許さなかった。
離れたと確信した矢先。
雨の強い日。母が車で学校に迎えに来てくれた。
事情なんて知らない母が、友人も乗せてあげな、と提案した。
その事をそのまま友人に伝えると、何も言わずに車に乗ってくれた。
否定されないそれは、嫌われていない証拠だろう。
今までの拒絶は、私の勘違いだったのだ、と。
舞い上がった私から出た言葉。
「絶交、やっぱり無しにしよう」
「だめだよ」
即答だった。
私の茶化した言い方に対し、淡白な返事だった。
母の頭に疑問符が浮くだけの、気まずい空間が出来ただけだった。
友人は、どう考えて車に乗ってくれたのだろう。
復縁を願って乗ったのだろうか。
断るのが面倒で乗ったのか。
雨に濡れたくなくて乗ったのか。
許そうとして、乗ってくれたのではないだろうか。
第一声が、真面目なごめんなさいだったら、変わっていただろうか。
幼稚な私はその記憶を悲しみ悔うのではなく、面倒だと思い込むのだった。
あいつはシャイで面倒なところがあったから。
長い髪もどうにかしろ、と言っても聞かないし。
あいつの姉ちゃん怖いから遊ぶ時気を使うし。
裏切ったし。
何考えてるか、わかんないし。
探せばやっと見つかるくらいの、少数の嫌いなところを掘り出して固めて。
憎しみに作り替えた。
『私』という厄介な人間を相手にしてきた友人の対人スキルは、高くなっていただろう。
普通の人間の相手は、さぞかし楽だっただろう。
孤立していて、何も笑わない友人にしつこく声をかけ続けた。
良心なんかじゃない。
偽善だ。
喋らない孤独で根暗な人間をあえて選んだ。
孤独な私を知らない。
初対面の人間にとって私はおっせかいな世話焼きおしゃべり女。
勉強も運動も秀でていない私が。
唯一優位に立っている、と錯覚出来る方法。
とても気持ちよかった。
ーー唯一の友達になり、依存させた。
ーーと思っていた。
依存していたのは私だけだったのだろうか。
友人がそれを求めていたのならいいのだけど。
『女子生徒A』の『友達その1』になって。
深みのない相槌をして。意見、反発をせず。
不慣れな愛想笑いをして。爆笑なんか無縁だ。
必要性の薄い、何となくの存在。強く求められない。刺激のない関係性。
私が疲れて面倒になった様に、友人もそうだったのか?
皮肉にも中学、高校と同じ学校に通った。
救いにも同じクラスには一度もならなかった。
一度勇気を持って声をかけた時には、鼻と口に穴を開けていた。
私が突き放さなければ、こんなにグレなかっただろうに。
…と、無駄に親目線だった。
その先、気付いたら友人は学校に来なくなっていた。
次に会えたのは成人式まで先になる。
むしろ、よく成人式で会えたもんだ、と。
正直嬉しかった。
痛みの目立たない金髪。真ん中で分けられている長い前髪。
振袖の旧友に囲まれて。黒スーツにハイヒール姿は目立っていた。
ぶっきら棒な態度、話し方は変わらず。
よく笑っていた。話声も大きかった。
綺麗だと思った。
「久しぶり」
思わず声をかけた。
「ああ、久しぶり!」
その一言だけで、すぐに周りの人間との会話に戻っていった。
愛想の良い笑顔と、面倒な奴の交わし方が、上手になっていた。
口と鼻の穴は塞がっていて、上手に化粧がされていた。
美人になっていた。
大人になっていた。
あの輪に入れていない事が悔しかった。
嫉妬してた。
統計的に。
取られたくなくて、独占したくて嫉妬して、時にはされて。
キスやセックスとは無縁であったとしても。
再会したその時までも、何度も夢に出てきた。
復縁に、壊れなかった世界線に憧れ夢に見た。
これは、憧れ?恋?
引っ掛かるのは経験不足と性別だけ。
恋だ。失恋だ。
晴れて。
これで彼女との物語に終止符は打てたものだと思うのだが。
それもまた思い込み。
未練はたらたらで、未だに仲の良い状態を夢に見る。
こんなの望んで無いのに!と自分に言い聞かせながら、また続きを見たいと二度寝をしたりする。
1番会いたいと思っているはずの人間は、夢に出たことがない。
これも、自分への言い聞かせなのだろうか。
過去も思想も美化して。自分に酔い続ける。
終わりは、無い。
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