転生した悪徳皇后はこの国が嫌いなので、悪役らしく頑張ってみることにした

まかだみあ

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さてと。

まず…私が日本でいた頃に読んでいた物語と、私が実際に体験して得た情報とをまとめて状況整理しますか。

リノに持ってきてもらったノートを開き、ペンを持つ。

まずは、『小説の名前』。

うん、忘れた、思い出せない。

よって、空欄。

物語の舞台は、『大陸の1/4の国土を持つ1500年続く巨大な大国、ディナヴィアラ帝国』。

私がこの世界で生まれ育った国ね。

主人公は、『辺境伯の令嬢』。

…帝国には国境にいくつかの辺境伯を配属しているんだけど、どこの辺境伯だったか…

ある意味処刑されないための一番のキーパーソンなのに。

しっかりしてよ、前世の私…。




こんな感じで一人で脳内会議をしながらノートに書いた内容をまとめると、こんな感じだ。

もともとはディナヴィアラ帝国は大変豊かな国だった。

国土の北側には鉱山があり、上質な金剛石(ダイヤモンド)が採取される事で世界的にも有名で、南側は温暖地域のため、農業が盛んである。

そして東側には海があり、北で採取された金剛石や南で収穫された農作物を輸出し、利益を得ていた。

そんな神々に愛された国と言っても過言ではない豊かな国土を持っているはずの帝国の先代皇帝(私のお祖父様)が、さらなる利益を得ようと各国周辺地域に戦を仕掛け始めた。

ディナヴィアラ帝国の周囲にある国々は、帝国の強大な国力、そして兵力を前に成す術もなく敗れ、属国になり、属国の数と比例するように、ディナヴィアラ帝国は豊かになっていった。

度重なる出征費を賄うため、属国となった地域に住んでいる住民に重い課税を課したからだ。

法律で年収の2/3を国へ納めるよう定められ、納税しない者は如何なる理由であろうとも、帝室反逆罪で斬首させられた。

ここでいう年収とは、その土地の一年を通して収穫される農作物の収穫量のことを指していた。

収穫物が半分以上帝国に奪われたがために、属国周辺では飢えで苦しみ亡くなる人々が後を立たなくなり、増えれば増えるほど属国となった人々は帝国への憎悪を募らせた。

その反感を抑えるために任命されたのが辺境伯だ。

辺境伯は、帝国の貴族ではあったが中央での力がない下級貴族が任命されることが多かった。

そのため、中央貴族からは田舎者だと、帝国貴族ではないと社交界では嘲笑の的となった。

こうして帝国の領土を増やしてから数年後、先代皇帝は亡くなり現皇帝(私のお父様)へ政権が移った。

現皇帝は、齢10歳の時に即位したため摂政に皇后の父が任命され、実権を握った。

摂政は自身の身内や自身の派閥に属している貴族を重用し、その他の貴族は蔑ろにした。

皇帝は摂政を筆頭にベロっベロに甘やかされ偏った教育をされたため、甘言しか聞き入れないまま成人を迎えた。

また、摂政は私腹を肥すため、属国地域の民ならず、自国の民にまで重税を課す法案を定めた。

それにより、帝国内でも貧困に喘ぐものが急激に増え、産業が停滞しはじめていた。

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