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プロローグ
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拝啓、いるかわからない神様。
前世の私はなにかとんでもない悪行を犯したのでしょうか?
いたって普通のOLだったと思うんですけど。
私、アスメリア・ヴィア・ディナヴィー。
このディナヴィアラ帝国の皇后だ。
そして、なぜこのタイミングで。
…前世の記憶を思い出してしまったのだろうか。
もっと別のタイミングとかあったでしょうに。
私はどうやら…私が日本で過ごしていた時に愛読していた小説の中に、転生していたらしい。
小説の物語の内容は、帝国の中央貴族から冷遇されていた辺境伯の令嬢が、重税や悪政を強いられていて、さらに飢饉に見舞われた民衆を鼓舞し、皇帝、皇后を捕縛し処刑し、その辺境伯の令嬢が女帝として新たに国の君主となるというざまあ要素満載の小説だった。
まさかのまさかだが、その処刑される皇后ポジションが今の私だ。
まさに今、…処刑台の上に引っ立てられて首を切るための板に顎を乗せた段階で、その前世の記憶を思い出してしまった。
もっと前の段階で思い出したかったんだけど…。
「どうして、私が」
いや、うん。
これまで【私】がした行動を省みると、処刑される理由はいっぱいあるんだけど。
「早く殺せー!!」
「この、売女!」
「死ね、毒華!」
民衆からは憎悪のこもった物騒な罵声があちらこちらから私に向かって放たれていた。
手は後ろ手で縛られている状態で、体制はうつ伏せ。
暴れるのを恐れてか、腰あたりを処刑人が足で抑えている状態。
…この状態から逃げるのは不可能。
「どうして、私が」
悪徳皇后なんかに転生してしまったの…?
「それは、自分の胸によーく手を当てて、考えてください」
あ、手動かせないか。
あざ笑うかのように冷たい処刑人の声が聞こえたかと思ったら。
ーーーーージャキッ。
ヴィアラ歴1535年。
ディナヴィアラ帝国の皇后にて皇室最後の直系である【アスメリア・ヴィア・ディナヴィー】が死去。
享年40歳、死因はーーー斬首刑による処刑。
前世の私はなにかとんでもない悪行を犯したのでしょうか?
いたって普通のOLだったと思うんですけど。
私、アスメリア・ヴィア・ディナヴィー。
このディナヴィアラ帝国の皇后だ。
そして、なぜこのタイミングで。
…前世の記憶を思い出してしまったのだろうか。
もっと別のタイミングとかあったでしょうに。
私はどうやら…私が日本で過ごしていた時に愛読していた小説の中に、転生していたらしい。
小説の物語の内容は、帝国の中央貴族から冷遇されていた辺境伯の令嬢が、重税や悪政を強いられていて、さらに飢饉に見舞われた民衆を鼓舞し、皇帝、皇后を捕縛し処刑し、その辺境伯の令嬢が女帝として新たに国の君主となるというざまあ要素満載の小説だった。
まさかのまさかだが、その処刑される皇后ポジションが今の私だ。
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もっと前の段階で思い出したかったんだけど…。
「どうして、私が」
いや、うん。
これまで【私】がした行動を省みると、処刑される理由はいっぱいあるんだけど。
「早く殺せー!!」
「この、売女!」
「死ね、毒華!」
民衆からは憎悪のこもった物騒な罵声があちらこちらから私に向かって放たれていた。
手は後ろ手で縛られている状態で、体制はうつ伏せ。
暴れるのを恐れてか、腰あたりを処刑人が足で抑えている状態。
…この状態から逃げるのは不可能。
「どうして、私が」
悪徳皇后なんかに転生してしまったの…?
「それは、自分の胸によーく手を当てて、考えてください」
あ、手動かせないか。
あざ笑うかのように冷たい処刑人の声が聞こえたかと思ったら。
ーーーーージャキッ。
ヴィアラ歴1535年。
ディナヴィアラ帝国の皇后にて皇室最後の直系である【アスメリア・ヴィア・ディナヴィー】が死去。
享年40歳、死因はーーー斬首刑による処刑。
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