僕は貴方を愛して･･･

9

ーーーーー翌日。


生徒会会計、新条  一輝はこの学校から姿を消した。


































ーーー通告。



生徒会会計    新条  一輝を退学と処す。





｢･････････････････････。｣




やばい、やりすぎた。


騒がしい中央の掲示板を前に、僕は立ち尽くす。



(･･････まさか退学までいくなんて･･････。)





思わず引き攣った笑みが出てしまい、手で隠した。





(仕返しとはいえ、最悪でも会計の辞任･･･。退学まではいかないはず･･････。)




ーーーではなぜ？





考えられるのは一つ。





(会計･･･、僕の忠告を聞かなかったのか･･････。)







後ろ盾の存在を知ってもなお、会計は僕に制裁を加えようとしたのだ。







｢ーーーッ、｣






そう思った僕は、駆け足で"ある場所"へと向かう。




ドンドンッ！！







｢失礼します！！｣










ガチャッッ！！バァンッッ！！






全力でノックして、全力で閉めた高級そうな扉。



扉のプレートには"神城専用室"と書いてある。








｢おいおい、唐突な登場はやめろよ。栗栖。ビックリするだろうが。｣





男女ともに魅了されてしまう低音ボイス。


それが嫌でも耳に入った。





中央のデスクに座る美丈夫は、僕の後にある扉を指差す。





｢それに扉の扱い雑すぎ。壊れたらどうするんだ。あれ、結構な値段するんだぞ。｣





この部屋に居座るのは、学園でただ一人。







｢････････････神城(ｶﾐｼﾞｮｳ)さん。｣







頬に手を置き、ニヤリと笑う美しい男。


美しすぎて、まるで芸術品のようだ。





その容姿は学園内でも一際目立ち、あまりの美しさに生徒が授業に集中できず、暴動な起きたほどだ。





そして学園は救済処置として、彼のために専用部屋まで用意した。





クラスはそのままで在籍しているが、神城の授業は全てここで行われている。




･･･って言うのは表向きで、本当は。




3年A組、神城   昴(ｶﾐｼﾞｮｳｽﾊﾞﾙ)。


まだ若いはずの彼がこの学園を望むままにできるのは、






･･･彼が、この学園の若き理事長だからだろう。





ーーーこの人が、僕の後ろ盾だ。