13 / 45
第13話 レイドクエストはいい特訓になります
しおりを挟む
ゴーレムのいるダンジョンはかつて王国の転覆を企んだ古代の魔法使が建造したと言われている。
その企みが時の国王に漏れた事でその軍隊によってこのダンジョンは攻略され魔法使いは討たれたが、魔法使いの死後もゴーレムだけはこのダンジョンを彷徨い続け、時々ダンジョンの外に出てきては無作為に付近の町を襲っていた。
ダンジョン内には魔法使いが仕掛けた罠が多く仕掛けられていたが、それらはダンジョンが攻略された時に全て解除されている。
ダンジョン内にはゴーレムがいるおかげで魔物も生息しておらず、俺達はただひたすらこの広大なダンジョン内に潜んでいるゴーレムを探し回る。
3時間程探索を続けたところで、前方の暗闇の中に赤く光る目玉を見つけた。
間違いない、ゴーレムだ。
「ガアアアアアアアアアアアアアアオォォ!」
ダンジョン内にゴーレムの咆哮が響き渡る。
ダンジョン内に入り込んだ異物を排除する為、ゴーレムはズシン、ズシンと大きな足音を響かせながらこちらに向かってくる。
「クサナギさん、ゴーレムがこちに来ます! どうしましょう……」
「早くガードレスを使って下さい! ガードレスを使えばあの岩石の身体も柔らかくなるんですよね?」
チルとサクヤは迫り来るゴーレムの威圧感に戦慄しながら俺の方をちらちら見るが、あっさり倒してしまっては特訓にならない。
俺はガードレスの呪文を詠唱する振りをして時間を引き伸ばす事にした。
「ああ、任せておけ。じゃあ俺がガードレスの呪文を唱える間、あいつを食い止めておいてね」
「分かりました、早くして下さいよ?」
「お姉様、私が後ろから援護します!」
チルとサクヤはそんな俺の意図を見破れるはずもなくゴーレムに向かっていく。
ゴーレムに向かってチル、サクヤ、俺の順番で一列に並ぶ形になる。
まずはチルがロングソードでゴーレムの身体を斬ろうとするが、当然店売りの剣程度ではゴーレムの身体には傷一つ付ける事ができない。
「サクヤ、お願い!」
「はいお姉様、横に避けて下さい! ……ファイアーウィンド!」
続いてサクヤが後方から炎の呪文を詠唱するが、岩石の身体を持つゴーレムには全く効いた様子はない。
「足止めにすらならないなんて……」
落胆するサクヤを横目に、ゴーレムは無表情のまま先頭に立つチルに向かって拳を叩きつける。
「きゃっ、危ない」
チルは辛うじて身をかわすも、間近で見たゴーレムの拳の迫力に気圧されて後ろに退く。
「クサナギさん、早くガードレスを!」
「チル、動き過ぎて狙いが定まらない! ちゃんとゴーレムの動きを押さえといて」
もちろんそんなものは嘘だ。
相手が目で追える程度の動きならガードレスを掛けるのは造作もない事だ。
「そ、そんな事言われたって私の剣じゃ足止めすら出来ませんでしたよ!」
「チル、まずは相手の攻撃を避ける事に専念するんだ。ゴーレムの動きは単純だ。落ち着いていれば避けられない速さじゃない。万が一避けそこなったとしてもこの傷薬があれば直ぐに治療できるから安心しろ」
「は、はい。やってみます」
「まあゴーレムにぶん殴られたら死ぬ程痛いけどな」
「鬼ですか!」
避け続けていてもいつか疲労が溜まって体力の限界が来る。
しかしそんな時の為にチルにはスタミナポーションも持たせてあるので当分は大丈夫だろう。
「サクヤはその位置から魔法でチルを援護するんだ。ダメージは通らないだろうが目を狙えば一瞬動きが鈍るはずだ。魔力が尽きたらさっき渡したマジックポーションで回復しろ!」
「やってみます!」
サクヤはゴーレムの動きを見ながら目を狙って様々な属性の攻撃魔法を放っている。
どの魔法をどのタイミングで放てば効果的なのかは実戦で覚えていくのが一番だ。
チルも俺の言いつけ通りゴーレムの攻撃を避ける事に専念をする。
やがてゴーレムの動きにも慣れてきたのか、隙を見て反撃をする程に余裕が出てきた。
相変わらずゴーレムの身体にはダメージは通らないが、どの道俺がガードレスを使えば一撃で倒すことができるから関係ない。
そして一時間程戦いを続けた頃には二人は完全にゴーレムの動きを見切れるようになっていた。
これ以上ゴーレムから得るものは何もない。
そう確信した俺はゴーレムに向かってガードレスの魔法を放つ。
ゴーレムの身体が青白く輝いた次の瞬間、チルのロングソードとサクヤの炎魔法が同時にゴーレムの身体に命中した。
ゴーレムの首から上は一瞬で消し炭と化し、ロングソードで斬られた胴体は真っ二つに分かれていた。
「二人ともお見事。今の呼吸を忘れないで」
俺はパチパチと手を叩きながらチルとサクヤを労う。
二人ともこの一戦で遥かに成長しているはずだ。
もう二人とも俺がガードレスを使わずにいた理由を理解しているだろうな。
「クサナギさん遅いですよ! すごく怖かったんだから!」
「マジックポーションも全部使い切っちゃいましたよ! 今の魔法でもう魔力が空っぽです! もうダメかと思いました!」
理解してなかった。
◇◇◇◇
ゴーレムを討伐した証拠にそのコアを冒険者ギルドワークス支部に持ち帰ると、受付嬢も含めたギルド内の皆はある者は目を丸くし、ある者は口をぽっかりと開けて、誰もが信じられないといった表情をしていた。
「これは間違いなくゴーレムのコアですね。チルさん、サクヤさん、ゴーレム討伐クエストの達成を確認しました」
ギルドの鑑定士がそう告げた刹那、ギルド内に拍手と喚声が巻き起こる。
「チル、サクヤ、凄いなお前達。いつの間にこんなに強くなったんだ?」
「もう万年C級の落ちこぼれ冒険者だなんて言えないな」
二人は元々優れた冒険者になれる素質は持っていた。
惜しむらくは今まで師となる人間が周りにいなかった事だ。
通常冒険者になったばかりの者は先輩となる冒険者が共に戦いながら教え導いていくものだが、彼の父親であるヤマツミ伯爵は既に引退済み。
他の冒険者達は偉大なる英雄の娘達という事で一歩引いてしまい、彼女達に冒険者としてのイロハを教えてくれるものがいなかったのだ。
その結果チルとサクヤは他の冒険者達よりも明らかに成長が遅れてしまった。
いつしかワークスの冒険者達はそんな彼女の事を英雄ヤマツミとは似ても似つかない出来損ない冒険者として腫物扱いで接するようになっていた。
冒険者達から褒め称えられた事がないがないチルとサクヤは慣れないこの状況に困惑し、はにかんだような笑顔を見せながら言う。
「いえ、クサナギさんが手伝ってくれたからです」
「結局クサナギさんのガードレスの魔法がなければ私達だけではゴーレムは倒せませんでした」
姉妹のその言葉に冒険者達の視線が俺に集まる。
「そうか、思い出したミャ」
S級パーティエキゾチックスのリーダーであるマドウカが人差し指をピンと立てて言った。
「確か以前勇者パーティに所属していた魔法使いの名前がクサナギとかいったミャ」
マドウカの話にギルド内がどよめく。
「これは思わぬライバル出現だミャ。バトルトーナメントが楽しみになってきたミャ」
もう俺とチル、サクヤの出場を反対する冒険者達はいなかった。
そしてその後も俺とチル、サクヤは特訓がてらにいくつかのクエストをこなし、バトルトーナメントの開催日を迎えた。
その企みが時の国王に漏れた事でその軍隊によってこのダンジョンは攻略され魔法使いは討たれたが、魔法使いの死後もゴーレムだけはこのダンジョンを彷徨い続け、時々ダンジョンの外に出てきては無作為に付近の町を襲っていた。
ダンジョン内には魔法使いが仕掛けた罠が多く仕掛けられていたが、それらはダンジョンが攻略された時に全て解除されている。
ダンジョン内にはゴーレムがいるおかげで魔物も生息しておらず、俺達はただひたすらこの広大なダンジョン内に潜んでいるゴーレムを探し回る。
3時間程探索を続けたところで、前方の暗闇の中に赤く光る目玉を見つけた。
間違いない、ゴーレムだ。
「ガアアアアアアアアアアアアアアオォォ!」
ダンジョン内にゴーレムの咆哮が響き渡る。
ダンジョン内に入り込んだ異物を排除する為、ゴーレムはズシン、ズシンと大きな足音を響かせながらこちらに向かってくる。
「クサナギさん、ゴーレムがこちに来ます! どうしましょう……」
「早くガードレスを使って下さい! ガードレスを使えばあの岩石の身体も柔らかくなるんですよね?」
チルとサクヤは迫り来るゴーレムの威圧感に戦慄しながら俺の方をちらちら見るが、あっさり倒してしまっては特訓にならない。
俺はガードレスの呪文を詠唱する振りをして時間を引き伸ばす事にした。
「ああ、任せておけ。じゃあ俺がガードレスの呪文を唱える間、あいつを食い止めておいてね」
「分かりました、早くして下さいよ?」
「お姉様、私が後ろから援護します!」
チルとサクヤはそんな俺の意図を見破れるはずもなくゴーレムに向かっていく。
ゴーレムに向かってチル、サクヤ、俺の順番で一列に並ぶ形になる。
まずはチルがロングソードでゴーレムの身体を斬ろうとするが、当然店売りの剣程度ではゴーレムの身体には傷一つ付ける事ができない。
「サクヤ、お願い!」
「はいお姉様、横に避けて下さい! ……ファイアーウィンド!」
続いてサクヤが後方から炎の呪文を詠唱するが、岩石の身体を持つゴーレムには全く効いた様子はない。
「足止めにすらならないなんて……」
落胆するサクヤを横目に、ゴーレムは無表情のまま先頭に立つチルに向かって拳を叩きつける。
「きゃっ、危ない」
チルは辛うじて身をかわすも、間近で見たゴーレムの拳の迫力に気圧されて後ろに退く。
「クサナギさん、早くガードレスを!」
「チル、動き過ぎて狙いが定まらない! ちゃんとゴーレムの動きを押さえといて」
もちろんそんなものは嘘だ。
相手が目で追える程度の動きならガードレスを掛けるのは造作もない事だ。
「そ、そんな事言われたって私の剣じゃ足止めすら出来ませんでしたよ!」
「チル、まずは相手の攻撃を避ける事に専念するんだ。ゴーレムの動きは単純だ。落ち着いていれば避けられない速さじゃない。万が一避けそこなったとしてもこの傷薬があれば直ぐに治療できるから安心しろ」
「は、はい。やってみます」
「まあゴーレムにぶん殴られたら死ぬ程痛いけどな」
「鬼ですか!」
避け続けていてもいつか疲労が溜まって体力の限界が来る。
しかしそんな時の為にチルにはスタミナポーションも持たせてあるので当分は大丈夫だろう。
「サクヤはその位置から魔法でチルを援護するんだ。ダメージは通らないだろうが目を狙えば一瞬動きが鈍るはずだ。魔力が尽きたらさっき渡したマジックポーションで回復しろ!」
「やってみます!」
サクヤはゴーレムの動きを見ながら目を狙って様々な属性の攻撃魔法を放っている。
どの魔法をどのタイミングで放てば効果的なのかは実戦で覚えていくのが一番だ。
チルも俺の言いつけ通りゴーレムの攻撃を避ける事に専念をする。
やがてゴーレムの動きにも慣れてきたのか、隙を見て反撃をする程に余裕が出てきた。
相変わらずゴーレムの身体にはダメージは通らないが、どの道俺がガードレスを使えば一撃で倒すことができるから関係ない。
そして一時間程戦いを続けた頃には二人は完全にゴーレムの動きを見切れるようになっていた。
これ以上ゴーレムから得るものは何もない。
そう確信した俺はゴーレムに向かってガードレスの魔法を放つ。
ゴーレムの身体が青白く輝いた次の瞬間、チルのロングソードとサクヤの炎魔法が同時にゴーレムの身体に命中した。
ゴーレムの首から上は一瞬で消し炭と化し、ロングソードで斬られた胴体は真っ二つに分かれていた。
「二人ともお見事。今の呼吸を忘れないで」
俺はパチパチと手を叩きながらチルとサクヤを労う。
二人ともこの一戦で遥かに成長しているはずだ。
もう二人とも俺がガードレスを使わずにいた理由を理解しているだろうな。
「クサナギさん遅いですよ! すごく怖かったんだから!」
「マジックポーションも全部使い切っちゃいましたよ! 今の魔法でもう魔力が空っぽです! もうダメかと思いました!」
理解してなかった。
◇◇◇◇
ゴーレムを討伐した証拠にそのコアを冒険者ギルドワークス支部に持ち帰ると、受付嬢も含めたギルド内の皆はある者は目を丸くし、ある者は口をぽっかりと開けて、誰もが信じられないといった表情をしていた。
「これは間違いなくゴーレムのコアですね。チルさん、サクヤさん、ゴーレム討伐クエストの達成を確認しました」
ギルドの鑑定士がそう告げた刹那、ギルド内に拍手と喚声が巻き起こる。
「チル、サクヤ、凄いなお前達。いつの間にこんなに強くなったんだ?」
「もう万年C級の落ちこぼれ冒険者だなんて言えないな」
二人は元々優れた冒険者になれる素質は持っていた。
惜しむらくは今まで師となる人間が周りにいなかった事だ。
通常冒険者になったばかりの者は先輩となる冒険者が共に戦いながら教え導いていくものだが、彼の父親であるヤマツミ伯爵は既に引退済み。
他の冒険者達は偉大なる英雄の娘達という事で一歩引いてしまい、彼女達に冒険者としてのイロハを教えてくれるものがいなかったのだ。
その結果チルとサクヤは他の冒険者達よりも明らかに成長が遅れてしまった。
いつしかワークスの冒険者達はそんな彼女の事を英雄ヤマツミとは似ても似つかない出来損ない冒険者として腫物扱いで接するようになっていた。
冒険者達から褒め称えられた事がないがないチルとサクヤは慣れないこの状況に困惑し、はにかんだような笑顔を見せながら言う。
「いえ、クサナギさんが手伝ってくれたからです」
「結局クサナギさんのガードレスの魔法がなければ私達だけではゴーレムは倒せませんでした」
姉妹のその言葉に冒険者達の視線が俺に集まる。
「そうか、思い出したミャ」
S級パーティエキゾチックスのリーダーであるマドウカが人差し指をピンと立てて言った。
「確か以前勇者パーティに所属していた魔法使いの名前がクサナギとかいったミャ」
マドウカの話にギルド内がどよめく。
「これは思わぬライバル出現だミャ。バトルトーナメントが楽しみになってきたミャ」
もう俺とチル、サクヤの出場を反対する冒険者達はいなかった。
そしてその後も俺とチル、サクヤは特訓がてらにいくつかのクエストをこなし、バトルトーナメントの開催日を迎えた。
11
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。

俺の畑は魔境じゃありませんので~Fランクスキル「手加減」を使ったら最強二人が押しかけてきた~
うみ
ファンタジー
「俺は畑を耕したいだけなんだ!」
冒険者稼業でお金をためて、いざ憧れの一軒家で畑を耕そうとしたらとんでもないことになった。
あれやこれやあって、最強の二人が俺の家に住み着くことになってしまったんだよ。
見た目こそ愛らしい少女と凛とした女の子なんだけど……人って強けりゃいいってもんじゃないんだ。
雑草を抜くのを手伝うといった魔族の少女は、
「いくよー。開け地獄の門。アルティメット・フレア」
と土地ごと灼熱の大地に変えようとしやがる。
一方で、女騎士も似たようなもんだ。
「オーバードライブマジック。全ての闇よ滅せ。ホーリースラッシュ」
こっちはこっちで何もかもを消滅させ更地に変えようとするし!
使えないと思っていたFランクスキル「手加減」で彼女達の力を相殺できるからいいものの……一歩間違えれば俺の農地(予定)は人外魔境になってしまう。
もう一度言う、俺は最強やら名誉なんかには一切興味がない。
ただ、畑を耕し、収穫したいだけなんだ!

おっさん付与術師の冒険指導 ~パーティーを追放された俺は、ギルドに頼まれて新米冒険者のアドバイザーをすることになりました~
日之影ソラ
ファンタジー
十年前――
世界は平和だった。
多くの種族が助け合いながら街を、国を造り上げ、繁栄を築いていた。
誰もが思っただろう。
心地良いひと時が、永遠に続けばいいと。
何の根拠もなく、続いてくれるのだろうと……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
付与術師としてパーティーに貢献していたシオン。
十年以上冒険者を続けているベテランの彼も、今年で三十歳を迎える。
そんなある日、リーダーのロイから突然のクビを言い渡されてしまう。
「シオンさん、悪いんだけどあんたは今日でクビだ」
「クビ?」
「ああ。もう俺たちにあんたみたいなおっさんは必要ない」
めちゃくちゃな理由でクビになってしまったシオンだが、これが初めてというわけではなかった。
彼は新たな雇い先を探して、旧友であるギルドマスターの元を尋ねる。
そこでシオンは、新米冒険者のアドバイザーにならないかと提案されるのだった。
一方、彼を失ったパーティーは、以前のように猛威を振るえなくなっていた。
順風満帆に見えた日々も、いつしか陰りが見えて……

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる