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第54話 バグり姫
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今日はダイヤモンドゴーレム討伐のクエストで王都の北西にある鉱山に来ていた。
ダイヤモンドゴーレムはその名の通りダイヤモンドの硬度を誇る魔法生物だ。
並の攻撃力ではダメージが通らない為、このクエストを受注できるのはS級以上の冒険者パーティだけに制限されている。
もちろん俺の攻撃力ではかすり傷すら与えられないので、岩陰に身を隠しながらユフィーアに丸投げをする。
「ユフィーア、右から来るぞ!」
「了解ですマール様。てりゃーっ!」
ユフィーアが右から飛びかかってきたダイヤモンドゴーレムに剣を突き刺すと、剣先から衝撃波が発生してゴーレムの身体は内部から弾け飛んだ。
ユフィーアが魔法を使った訳ではない。
これはユフィーアが今装備している息吹の剣の追加効果だ。
そもそもダイヤモンドすら豆腐のように切り裂くその切れ味の時点でおかしい。
オーバーキルにも程がある。
「本当に凄い武器ですねこれ。どんな原理で衝撃波が発生するんでしょう?」
ユフィーアは俺に問いかけるが、俺も原理はよく分からない。
恐らく剣の内部に衝撃波を発生させる魔道具でも組み込まれているのだろう。
本当に古代文明の技術とやらには驚かされる。
この武器を手に入れたのは一週間ほど前の事だ。
リーディアを王都へ連れ帰った後、俺とユフィーアは開拓村を訪れた。
発展状況を確認する為だ。
ヴェパルさんが精力的に商人と技術者の勧誘を行ってくれるおかげで、村には巨大な商会と工房が出来上がっていた。
しかしそれは俺が原作ファンタシー・オブ・ザ・ウィンドで見た商人の町や工房の町とは全く異なる発展をしていた。
コロッセオのすぐ隣に巨大なショッピングセンターが建っており、試合を観戦した後に買い物や食事をする事ができるようになっている。
そこで売られている商品はショッピングセンターの地下に作られた巨大な工場で生産されている。
シンドルフ村長に頼んで工場の見学をさせてもらうと、内部にはベルトコンベアーやフォークリフト等の前世で見覚えがある機械が沢山配備されていた。
リリエーンの記憶を元に古代の技術を再現したものらしい。
俺とユフィーアが特に興味を持ったのは古代の技術で作られた武器と防具だ。
古代の文明ではただ斬れるだけの剣や身を守るだけの鎧は消費者から見向きもされなかったそうで、技術者達は様々な追加機能を付加する事で差別化を図った。
斬った敵を凍らせたり燃やしたりする剣や、攻撃をした相手にダメージを返す鎧、アイテムとして使用するとHPが回復する盾や、ソーシャルゲームがインストールされている遠距離通話魔道具など色々なアイテムが作られたという。
当時の完全再現とまではいかないが、今の開拓村はそれに近い武器を製造できるまで技術が発展していた。
さしあたって俺は少しでも敵にやられにくくなるように、装備していると防御力がアップするガーディアンソードや、回避率が上がる転脱の服、運の良さが上がるラッキーヘルム等を購入した。
ユフィーアは斬った相手に追加ダメージを与える息吹の剣、攻撃力がアップする剛力の鎧、攻撃力がアップするマッシブシールド、攻撃力がアップする破壊の兜等を購入していた。
……攻撃する事しか考えていないのかこの人は。
どれも原作では見た事も聞いた事もない武具ばかりだ。
おかげで俺達の戦力を大幅に強化する事ができた。
◇◇◇◇
ダイヤモンドゴーレム討伐のクエストを終わらせた俺達は、その破片を回収して戦利品として持ち帰る事にした。
ダイヤモンドゴーレムの身体は厳密にはダイヤモンドとは異なる物質でできている。
宝石としての価値は全くないが、武器の素材としては申し分ない。
商会へ持っていけばそれなりの値段で買い取ってくれるはずだ。
王都へ戻るとまずは冒険者ギルドで依頼達成の報告をして報酬を受け取る。
その後は商会へ向かい、ダイヤモンドゴーレムの破片を売り捌くつもりだった。
「あなた達少しお待ちあそばせ」
商会へ向かう道の途中で俺達を呼び止める声がする。
足を止めて振り向くとそこに一人の高貴そうな女性が立っていた。
「えっと、俺達に何か用──」
「シンディア姫、こんな所で何をされているんですか!?」
横を見るとユフィーアが目を丸くして固まっている。
「シンディア姫? どこかで聞いた事があるような……」
「マール様、何を言っているんですか。シンディア王女殿下ですよ」
「あっ……」
思い出した。
シンディア姫はアレス殿下の妹に当たる人物だ。
神出鬼没な人物で、エンディングまで一度も出会う事なくクリアしたというプレイヤーもいる。
かくいう俺もラスボスを倒すまで一度も会った事がなかった口だ。
名前は知っているが、どんな顔だったか全然覚えていない。
いや、むしろあえて出会わないように彼女が出没しそうな場所を避けながらプレイしていたと言った方が正解だろう。
原作プレイヤーの間ではシンディア姫はバグり姫と呼ばれている。
彼女に関わるとよく原因不明のバグが発生するからだ。
そもそも一国のお姫様がお供もつけずにひとりで街中を歩くはずがない。
これもバグの一種だろう。
俺は身構えてシンディア姫の出方を窺う。
「あなたは……そうそう、確か理の勇者マールといいましたね。その手に持っているものは何でしょうか? きらきらと輝いて綺麗ですね」
「これですか? これはダイヤモンドゴーレムの破片ですよ。武器や防具の素材になるので今から売りに行くところです」
「そのようなものがあるんですね。見せていただいても宜しいですか?」
「あっはい。どうぞ」
シンディア姫は俺からダイヤモンドゴーレムの破片を受け取ると、裏返したり太陽にかざしたりしながら品定めをしている。
「やはり本物のダイヤモンドとは違うようですね。お返しします」
「どうも」
シンディア姫は俺にダイヤモンドゴーレムの破片を返すと、そのままどこかに立ち去って行った。
行動が全く読めないな。
本物のダイヤモンドだったら没収でもするつもりだったんだろうか?
そういえば俺はシンディア姫の性格とか全然知らないな。
今度アレス殿下に聞いてみようかな。
いや、今はそれよりも俺の周りで何かバグが発生していないか確認をしなくちゃ。
所持しているアイテムが変化してしまう事もある。
まずは魔法の袋の中身を含めて自分の持ち物を確認する。
武器や防具、エリクサーやその他消耗品に貴重品、どれも大丈夫だ。
よかった、どうやら何も起きなかったようだ。
俺はほっと胸を撫で下ろす。
「ユフィーア、それじゃあ商会へ行こうか」
……。
返事がない。
「ユフィーア? あれ?」
さっきまでそこにいたはずのユフィーアがどこにもいない。
まさか……何かのバグか?
ダイヤモンドゴーレムはその名の通りダイヤモンドの硬度を誇る魔法生物だ。
並の攻撃力ではダメージが通らない為、このクエストを受注できるのはS級以上の冒険者パーティだけに制限されている。
もちろん俺の攻撃力ではかすり傷すら与えられないので、岩陰に身を隠しながらユフィーアに丸投げをする。
「ユフィーア、右から来るぞ!」
「了解ですマール様。てりゃーっ!」
ユフィーアが右から飛びかかってきたダイヤモンドゴーレムに剣を突き刺すと、剣先から衝撃波が発生してゴーレムの身体は内部から弾け飛んだ。
ユフィーアが魔法を使った訳ではない。
これはユフィーアが今装備している息吹の剣の追加効果だ。
そもそもダイヤモンドすら豆腐のように切り裂くその切れ味の時点でおかしい。
オーバーキルにも程がある。
「本当に凄い武器ですねこれ。どんな原理で衝撃波が発生するんでしょう?」
ユフィーアは俺に問いかけるが、俺も原理はよく分からない。
恐らく剣の内部に衝撃波を発生させる魔道具でも組み込まれているのだろう。
本当に古代文明の技術とやらには驚かされる。
この武器を手に入れたのは一週間ほど前の事だ。
リーディアを王都へ連れ帰った後、俺とユフィーアは開拓村を訪れた。
発展状況を確認する為だ。
ヴェパルさんが精力的に商人と技術者の勧誘を行ってくれるおかげで、村には巨大な商会と工房が出来上がっていた。
しかしそれは俺が原作ファンタシー・オブ・ザ・ウィンドで見た商人の町や工房の町とは全く異なる発展をしていた。
コロッセオのすぐ隣に巨大なショッピングセンターが建っており、試合を観戦した後に買い物や食事をする事ができるようになっている。
そこで売られている商品はショッピングセンターの地下に作られた巨大な工場で生産されている。
シンドルフ村長に頼んで工場の見学をさせてもらうと、内部にはベルトコンベアーやフォークリフト等の前世で見覚えがある機械が沢山配備されていた。
リリエーンの記憶を元に古代の技術を再現したものらしい。
俺とユフィーアが特に興味を持ったのは古代の技術で作られた武器と防具だ。
古代の文明ではただ斬れるだけの剣や身を守るだけの鎧は消費者から見向きもされなかったそうで、技術者達は様々な追加機能を付加する事で差別化を図った。
斬った敵を凍らせたり燃やしたりする剣や、攻撃をした相手にダメージを返す鎧、アイテムとして使用するとHPが回復する盾や、ソーシャルゲームがインストールされている遠距離通話魔道具など色々なアイテムが作られたという。
当時の完全再現とまではいかないが、今の開拓村はそれに近い武器を製造できるまで技術が発展していた。
さしあたって俺は少しでも敵にやられにくくなるように、装備していると防御力がアップするガーディアンソードや、回避率が上がる転脱の服、運の良さが上がるラッキーヘルム等を購入した。
ユフィーアは斬った相手に追加ダメージを与える息吹の剣、攻撃力がアップする剛力の鎧、攻撃力がアップするマッシブシールド、攻撃力がアップする破壊の兜等を購入していた。
……攻撃する事しか考えていないのかこの人は。
どれも原作では見た事も聞いた事もない武具ばかりだ。
おかげで俺達の戦力を大幅に強化する事ができた。
◇◇◇◇
ダイヤモンドゴーレム討伐のクエストを終わらせた俺達は、その破片を回収して戦利品として持ち帰る事にした。
ダイヤモンドゴーレムの身体は厳密にはダイヤモンドとは異なる物質でできている。
宝石としての価値は全くないが、武器の素材としては申し分ない。
商会へ持っていけばそれなりの値段で買い取ってくれるはずだ。
王都へ戻るとまずは冒険者ギルドで依頼達成の報告をして報酬を受け取る。
その後は商会へ向かい、ダイヤモンドゴーレムの破片を売り捌くつもりだった。
「あなた達少しお待ちあそばせ」
商会へ向かう道の途中で俺達を呼び止める声がする。
足を止めて振り向くとそこに一人の高貴そうな女性が立っていた。
「えっと、俺達に何か用──」
「シンディア姫、こんな所で何をされているんですか!?」
横を見るとユフィーアが目を丸くして固まっている。
「シンディア姫? どこかで聞いた事があるような……」
「マール様、何を言っているんですか。シンディア王女殿下ですよ」
「あっ……」
思い出した。
シンディア姫はアレス殿下の妹に当たる人物だ。
神出鬼没な人物で、エンディングまで一度も出会う事なくクリアしたというプレイヤーもいる。
かくいう俺もラスボスを倒すまで一度も会った事がなかった口だ。
名前は知っているが、どんな顔だったか全然覚えていない。
いや、むしろあえて出会わないように彼女が出没しそうな場所を避けながらプレイしていたと言った方が正解だろう。
原作プレイヤーの間ではシンディア姫はバグり姫と呼ばれている。
彼女に関わるとよく原因不明のバグが発生するからだ。
そもそも一国のお姫様がお供もつけずにひとりで街中を歩くはずがない。
これもバグの一種だろう。
俺は身構えてシンディア姫の出方を窺う。
「あなたは……そうそう、確か理の勇者マールといいましたね。その手に持っているものは何でしょうか? きらきらと輝いて綺麗ですね」
「これですか? これはダイヤモンドゴーレムの破片ですよ。武器や防具の素材になるので今から売りに行くところです」
「そのようなものがあるんですね。見せていただいても宜しいですか?」
「あっはい。どうぞ」
シンディア姫は俺からダイヤモンドゴーレムの破片を受け取ると、裏返したり太陽にかざしたりしながら品定めをしている。
「やはり本物のダイヤモンドとは違うようですね。お返しします」
「どうも」
シンディア姫は俺にダイヤモンドゴーレムの破片を返すと、そのままどこかに立ち去って行った。
行動が全く読めないな。
本物のダイヤモンドだったら没収でもするつもりだったんだろうか?
そういえば俺はシンディア姫の性格とか全然知らないな。
今度アレス殿下に聞いてみようかな。
いや、今はそれよりも俺の周りで何かバグが発生していないか確認をしなくちゃ。
所持しているアイテムが変化してしまう事もある。
まずは魔法の袋の中身を含めて自分の持ち物を確認する。
武器や防具、エリクサーやその他消耗品に貴重品、どれも大丈夫だ。
よかった、どうやら何も起きなかったようだ。
俺はほっと胸を撫で下ろす。
「ユフィーア、それじゃあ商会へ行こうか」
……。
返事がない。
「ユフィーア? あれ?」
さっきまでそこにいたはずのユフィーアがどこにもいない。
まさか……何かのバグか?
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