105 / 177
旧雨今雨同志们(古き友と今の友)
101:倚門之望(一)
しおりを挟む
霧谷関で待っていたのは思いもよらぬ人物だった。
「よぉ、煬鳳!」
「藍方!?」
馬車を下りるなり駆け寄ってきたのは見知った人物。彩鉱門の彩藍方だった。彩藍方は煬鳳の傍にいた翳黒明を見るなり「げっ!」と叫び後退る。
「なんだ、彩鉱門の若造か」
「黒冥翳魔……もがが」
大声で彼の二つ名を呼びそうになった彩藍方の口を慌てて煬鳳は塞ぐ。いまここで彼の存在が雪岑谷の門弟に見つかってしまったら、面倒なことになる。
「しーっ! しーっ! 頼むからいまは見逃してくれ、あとで説明するから!」
それでも何か言いたげな彩藍方をなだめすかし、なんとか落ち着かせた。
「絶対だぞ、ちゃんと説明しろよ!」
彼がそう言うのも無理はない。なにせ翳黒明がいま宿っている体は、彼の兄弟子である彩菫青の体であるからだ。しかしいくら兄弟子の望みでそうなったとはいえ、幼い頃より彼を見ていた彩藍方としては、やはり簡単に納得ができるようなことではない。
「分かった、ちゃんと説明する。それより何でここに?」
「ああ、それはな……」
そう言って彩藍方は凰黎の方を見た。そこには驚きのあまり硬直した凰黎が立っている。彼の視線の先にいるのは意外な人物だった。
「兄上!? ……あっ、宮主様! 何故こちらに?」
なんと、恒凰宮の凰神偉まで彼らと共にやって来たのだ。これには凰黎も驚きを隠せずに、動揺のあまり恒凰宮でもないのに兄上、と呼んでしまい、慌てて無理やり誤魔化した。
「いや、俺は凰殿の事情をある程度知ってるからさ、気にしなくて大丈夫だぞ。でも、俺がどこの門派であるかは皆には内緒な」
彩鉱門は恒凰宮ともやり取りがあり、現在でも蓬静嶺とも繋がっている。だから凰黎の複雑な事情もある程度は知っているのかもしれない。
「実はさ、万晶鉱のこと上手くいったか気になって、恒凰宮まで行ったんだ。そうしたら宮主殿がお前たちが霧谷関に行ったと聞いて迎えに行くって言うから、俺もそれに乗っかったってわけさ」
そこまで話すと彩藍方は言葉を切って、小声で煬鳳の耳元に口を寄せる。
「もしかして、上手くいったのか? 黒冥翳魔の件」
彩鉱門での一件のとき、凰黎は確かに彩藍方に言ったのだ。
『彼が暴走してしまうような切っ掛けがあったのかもしれません。……その謎を解くのが黒曜と、そして黒冥翳魔、二人にとって共通の願いであり、その内容次第では彼は戦う必要がなくなり、煬鳳が敵視されることもなくなる……かもしれませんね』
――と。
煬鳳はすぐにそのことを思い出し、彩藍方に頷いた。
「ああ。魔界では結構いろんなことがあって、少し気になることもあるけど、黒冥翳魔……黒明の件はある程度落ち着いたし、恒凰宮の望みだった翳冥宮復興についてもなんとかなりそうだ」
「あの悪名高い黒冥翳魔がねえ……」
することもなくぼんやりと霧谷関の関所の隅に佇んでいる翳黒明をしげしげと見ながら彩藍方は言う。彼の瞳には多少の驚きと、複雑な感情が入り混じっている。最後に彼が翳黒明に会ったときから考えれば、とてもいまのような姿は想像できなかったはずだ。
だから驚くのも仕方のないことだろう。
「あー。阿黎……」
煬鳳と彩藍方の後ろから小さな声が聞こえてくる。二人で振り返ればそこにいたのは凰神偉だ。
先ほどの話が本当なら、彼は凰黎たちを迎えるためにこの霧谷関までやってきたらしい。どう言葉を返して良いか分からない凰黎と、なんと言葉をかけて良いか分からない凰神偉。二人はどちらから言葉を言うべきか、迷っているようだ。
「静公子は……いや、もういい。どのみちこんな辺境の地なんだ。雪岑谷の門弟も気づきやしないだろう。阿黎、そなたが霧谷関 より魔界に行ったという話は恒凰宮に立ち寄った鸞快子から聞いた」
「鸞快子から? 兄上は彼をご存じなのですか?」
「五行盟で何度か顔を合わせている。恒凰宮に来たのは初めてだった。……それで、そなた達がもしも黒冥翳魔を連れて戻ってきたら、きっと交渉が成功しているだろうから、彼のことを翳冥宮まで連れて行ってやって欲しいと頼まれた」
「そういうことだったのですね……」
兄が霧谷関まで来た理由に凰黎は納得したようだ。しかし煬鳳は思う。……凰神偉は凰黎が魔界へ行ったと聞いて、やはり落ち着かなかったし心配もしたに違いない。それで、鸞快子からの頼みにかこつけて弟の顔を見にやって来たのだ。
――絶対に間違いない。
普段は冷たい表情の凰神偉が心なしか嬉しそうな顔をしているのを見て、煬鳳は確信した。
(そういえば……)
翳黒明の知り合いは誰一人ここにいない。彼のことをすっかり放りっぱなしにしてしまったことに気づいて、慌てて煬鳳は先ほど彼が佇んでいた場所を探す。
翳黒明は先ほどと同じように、物思いに耽りながらぼんやりと周りの景色を眺めている。彼を知らぬものが見たら、誰一人彼のことを昔その名を欲しいままにした悪名高い黒冥翳魔だとは思うまい。
「黒明」
だからわざと煬鳳は、黒冥翳魔ではない、彼の本当の名で呼ぶ。
「どうした? 久しぶりの再会なんだろう。俺は目的さえ果たせればそれでいい。落ち着くまで好きなだけ話して構わない」
「いや、あとは道すがら話すことにするよ。それより恒凰宮の宮主にお前のこと紹介しなきゃ」
煬鳳はそう言うと凰神偉を探す。彼はまだ凰黎と語らっているようだ。
(おいおい、黒明を翳冥宮に連れて行くんじゃなかったのかよ)
彼の話ではそちらが一番の目的であるはずなのだが、一向に翳黒明を気にかける様子もない。しかしこれではらちが明かないのだ。
「まさか兄上がこうして来てくださるとは思いませんでした」
「いくら取り引きであったとて、そなたに任せきりでは私も恒凰宮の宮主として忍びない。少しでも力になることができるのなら、私も傍観はしまい。……苦労はしなかったか? 怪我などしていないか?」
「大丈夫ですよ、兄上。あちらでも色々ありましたが……それは改めてお話します。そうだ、兄上にお渡ししたかった物があるのです」
凰黎は大切に懐に仕舞っていた箱を差し出した。漆塗りの箱は、別れ際に拝陸天から手渡されたもの。
「新たな魔界の皇帝陛下となられた皇太子殿下からの、翳冥宮についての手紙です。まずはお受け取り下さい。先に翳黒明から話が聞けると思いますが、我々もあとからご説明に伺います」
「分かった。待っている」
凰黎の言葉に凰神偉は頷く。
「凰の兄君」
どう呼ぶべきか悩んだが、ここには凰黎もいる。……なので悩んだ末に煬鳳は『凰の兄君』と呼ぶことにしたのだが。
「煬殿、いかがされたか」
何故か凰神偉の視線が鋭い。恐らく「誰がお前の兄君だ」とでも思っているに違いない。
(いや、別に俺はあんたが兄君だなんて思ってないよ。ただ、凰黎もいるから凰殿だとややこしいと思ってそう言っただけだよ!)
そんな煬鳳の心など知る由もない。仕方がないので最も無難な言い方に煬鳳は変えることにした。
「えっと、宮主殿。凰黎と話してるところ悪いんだけど、こいつ……翳冥宮の小宮主を迎えに来てくれたんだろ? いまはバレてないけどあまりここに長居はさせたくないんだ」
凰神偉は凰黎との時間を邪魔されて不服そうではあったが、いまの状況を考えて仕方ないと納得して貰えたらしい。諦めたように頷くと、翳黒明を見る。
「……そうだな。名残惜しいが煬殿の言い分は正しい。……そなたが翳冥宮の小宮主か。私は恒凰宮の宮主、凰神偉」
「そうだ。初めてお目にかかる。俺は翳冥宮の小宮主……元、といった方が正しいな。翳黒明だ。慣れないことも多く面倒をかけるかもしれないが、翳冥宮を復興させたい気持ちに変わりはない。どうかよろしく頼む」
「ふむ……」
凰神偉とて翳黒明が黒冥翳魔であることは知っている。しかし噂に聞く彼と目の前の彼とでは随分と異なっているため、それなりの真っ当な挨拶を返した翳黒明に対して意外そうな顔を向けた。
「では長居は無用だな、面倒が起きる前に翳冥宮まで行こう」
「異論はない」
凰神偉の言葉に翳黒明は頷くと、煬鳳たちの方を見る。
「よぉ、煬鳳!」
「藍方!?」
馬車を下りるなり駆け寄ってきたのは見知った人物。彩鉱門の彩藍方だった。彩藍方は煬鳳の傍にいた翳黒明を見るなり「げっ!」と叫び後退る。
「なんだ、彩鉱門の若造か」
「黒冥翳魔……もがが」
大声で彼の二つ名を呼びそうになった彩藍方の口を慌てて煬鳳は塞ぐ。いまここで彼の存在が雪岑谷の門弟に見つかってしまったら、面倒なことになる。
「しーっ! しーっ! 頼むからいまは見逃してくれ、あとで説明するから!」
それでも何か言いたげな彩藍方をなだめすかし、なんとか落ち着かせた。
「絶対だぞ、ちゃんと説明しろよ!」
彼がそう言うのも無理はない。なにせ翳黒明がいま宿っている体は、彼の兄弟子である彩菫青の体であるからだ。しかしいくら兄弟子の望みでそうなったとはいえ、幼い頃より彼を見ていた彩藍方としては、やはり簡単に納得ができるようなことではない。
「分かった、ちゃんと説明する。それより何でここに?」
「ああ、それはな……」
そう言って彩藍方は凰黎の方を見た。そこには驚きのあまり硬直した凰黎が立っている。彼の視線の先にいるのは意外な人物だった。
「兄上!? ……あっ、宮主様! 何故こちらに?」
なんと、恒凰宮の凰神偉まで彼らと共にやって来たのだ。これには凰黎も驚きを隠せずに、動揺のあまり恒凰宮でもないのに兄上、と呼んでしまい、慌てて無理やり誤魔化した。
「いや、俺は凰殿の事情をある程度知ってるからさ、気にしなくて大丈夫だぞ。でも、俺がどこの門派であるかは皆には内緒な」
彩鉱門は恒凰宮ともやり取りがあり、現在でも蓬静嶺とも繋がっている。だから凰黎の複雑な事情もある程度は知っているのかもしれない。
「実はさ、万晶鉱のこと上手くいったか気になって、恒凰宮まで行ったんだ。そうしたら宮主殿がお前たちが霧谷関に行ったと聞いて迎えに行くって言うから、俺もそれに乗っかったってわけさ」
そこまで話すと彩藍方は言葉を切って、小声で煬鳳の耳元に口を寄せる。
「もしかして、上手くいったのか? 黒冥翳魔の件」
彩鉱門での一件のとき、凰黎は確かに彩藍方に言ったのだ。
『彼が暴走してしまうような切っ掛けがあったのかもしれません。……その謎を解くのが黒曜と、そして黒冥翳魔、二人にとって共通の願いであり、その内容次第では彼は戦う必要がなくなり、煬鳳が敵視されることもなくなる……かもしれませんね』
――と。
煬鳳はすぐにそのことを思い出し、彩藍方に頷いた。
「ああ。魔界では結構いろんなことがあって、少し気になることもあるけど、黒冥翳魔……黒明の件はある程度落ち着いたし、恒凰宮の望みだった翳冥宮復興についてもなんとかなりそうだ」
「あの悪名高い黒冥翳魔がねえ……」
することもなくぼんやりと霧谷関の関所の隅に佇んでいる翳黒明をしげしげと見ながら彩藍方は言う。彼の瞳には多少の驚きと、複雑な感情が入り混じっている。最後に彼が翳黒明に会ったときから考えれば、とてもいまのような姿は想像できなかったはずだ。
だから驚くのも仕方のないことだろう。
「あー。阿黎……」
煬鳳と彩藍方の後ろから小さな声が聞こえてくる。二人で振り返ればそこにいたのは凰神偉だ。
先ほどの話が本当なら、彼は凰黎たちを迎えるためにこの霧谷関までやってきたらしい。どう言葉を返して良いか分からない凰黎と、なんと言葉をかけて良いか分からない凰神偉。二人はどちらから言葉を言うべきか、迷っているようだ。
「静公子は……いや、もういい。どのみちこんな辺境の地なんだ。雪岑谷の門弟も気づきやしないだろう。阿黎、そなたが霧谷関 より魔界に行ったという話は恒凰宮に立ち寄った鸞快子から聞いた」
「鸞快子から? 兄上は彼をご存じなのですか?」
「五行盟で何度か顔を合わせている。恒凰宮に来たのは初めてだった。……それで、そなた達がもしも黒冥翳魔を連れて戻ってきたら、きっと交渉が成功しているだろうから、彼のことを翳冥宮まで連れて行ってやって欲しいと頼まれた」
「そういうことだったのですね……」
兄が霧谷関まで来た理由に凰黎は納得したようだ。しかし煬鳳は思う。……凰神偉は凰黎が魔界へ行ったと聞いて、やはり落ち着かなかったし心配もしたに違いない。それで、鸞快子からの頼みにかこつけて弟の顔を見にやって来たのだ。
――絶対に間違いない。
普段は冷たい表情の凰神偉が心なしか嬉しそうな顔をしているのを見て、煬鳳は確信した。
(そういえば……)
翳黒明の知り合いは誰一人ここにいない。彼のことをすっかり放りっぱなしにしてしまったことに気づいて、慌てて煬鳳は先ほど彼が佇んでいた場所を探す。
翳黒明は先ほどと同じように、物思いに耽りながらぼんやりと周りの景色を眺めている。彼を知らぬものが見たら、誰一人彼のことを昔その名を欲しいままにした悪名高い黒冥翳魔だとは思うまい。
「黒明」
だからわざと煬鳳は、黒冥翳魔ではない、彼の本当の名で呼ぶ。
「どうした? 久しぶりの再会なんだろう。俺は目的さえ果たせればそれでいい。落ち着くまで好きなだけ話して構わない」
「いや、あとは道すがら話すことにするよ。それより恒凰宮の宮主にお前のこと紹介しなきゃ」
煬鳳はそう言うと凰神偉を探す。彼はまだ凰黎と語らっているようだ。
(おいおい、黒明を翳冥宮に連れて行くんじゃなかったのかよ)
彼の話ではそちらが一番の目的であるはずなのだが、一向に翳黒明を気にかける様子もない。しかしこれではらちが明かないのだ。
「まさか兄上がこうして来てくださるとは思いませんでした」
「いくら取り引きであったとて、そなたに任せきりでは私も恒凰宮の宮主として忍びない。少しでも力になることができるのなら、私も傍観はしまい。……苦労はしなかったか? 怪我などしていないか?」
「大丈夫ですよ、兄上。あちらでも色々ありましたが……それは改めてお話します。そうだ、兄上にお渡ししたかった物があるのです」
凰黎は大切に懐に仕舞っていた箱を差し出した。漆塗りの箱は、別れ際に拝陸天から手渡されたもの。
「新たな魔界の皇帝陛下となられた皇太子殿下からの、翳冥宮についての手紙です。まずはお受け取り下さい。先に翳黒明から話が聞けると思いますが、我々もあとからご説明に伺います」
「分かった。待っている」
凰黎の言葉に凰神偉は頷く。
「凰の兄君」
どう呼ぶべきか悩んだが、ここには凰黎もいる。……なので悩んだ末に煬鳳は『凰の兄君』と呼ぶことにしたのだが。
「煬殿、いかがされたか」
何故か凰神偉の視線が鋭い。恐らく「誰がお前の兄君だ」とでも思っているに違いない。
(いや、別に俺はあんたが兄君だなんて思ってないよ。ただ、凰黎もいるから凰殿だとややこしいと思ってそう言っただけだよ!)
そんな煬鳳の心など知る由もない。仕方がないので最も無難な言い方に煬鳳は変えることにした。
「えっと、宮主殿。凰黎と話してるところ悪いんだけど、こいつ……翳冥宮の小宮主を迎えに来てくれたんだろ? いまはバレてないけどあまりここに長居はさせたくないんだ」
凰神偉は凰黎との時間を邪魔されて不服そうではあったが、いまの状況を考えて仕方ないと納得して貰えたらしい。諦めたように頷くと、翳黒明を見る。
「……そうだな。名残惜しいが煬殿の言い分は正しい。……そなたが翳冥宮の小宮主か。私は恒凰宮の宮主、凰神偉」
「そうだ。初めてお目にかかる。俺は翳冥宮の小宮主……元、といった方が正しいな。翳黒明だ。慣れないことも多く面倒をかけるかもしれないが、翳冥宮を復興させたい気持ちに変わりはない。どうかよろしく頼む」
「ふむ……」
凰神偉とて翳黒明が黒冥翳魔であることは知っている。しかし噂に聞く彼と目の前の彼とでは随分と異なっているため、それなりの真っ当な挨拶を返した翳黒明に対して意外そうな顔を向けた。
「では長居は無用だな、面倒が起きる前に翳冥宮まで行こう」
「異論はない」
凰神偉の言葉に翳黒明は頷くと、煬鳳たちの方を見る。
10
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説
偽物の僕。
れん
BL
偽物の僕。
この物語には性虐待などの虐待表現が多く使われております。
ご注意下さい。
優希(ゆうき)
ある事きっかけで他人から嫌われるのが怖い
高校2年生
恋愛対象的に奏多が好き。
高校2年生
奏多(かなた)
優希の親友
いつも優希を心配している
高校2年生
柊叶(ひいらぎ かなえ)
優希の父親が登録している売春斡旋会社の社長
リアコ太客
ストーカー
登場人物は増えていく予定です。
増えたらまた紹介します。
かなり雑な書き方なので読みにくいと思います。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
恋のキューピットは歪な愛に招かれる
春於
BL
〈あらすじ〉
ベータの美坂秀斗は、アルファである両親と親友が運命の番に出会った瞬間を目の当たりにしたことで心に深い傷を負った。
それも親友の相手は自分を慕ってくれていた後輩だったこともあり、それからは二人から逃げ、自分の心の傷から目を逸らすように生きてきた。
そして三十路になった今、このまま誰とも恋をせずに死ぬのだろうと思っていたところにかつての親友と遭遇してしまう。
〈キャラクター設定〉
美坂(松雪) 秀斗
・ベータ
・30歳
・会社員(総合商社勤務)
・物静かで穏やか
・仲良くなるまで時間がかかるが、心を許すと依存気味になる
・自分に自信がなく、消極的
・アルファ×アルファの政略結婚をした両親の元に生まれた一人っ子
・両親が目の前で運命の番を見つけ、自分を捨てたことがトラウマになっている
養父と正式に養子縁組を結ぶまでは松雪姓だった
・行方をくらますために一時期留学していたのもあり、語学が堪能
二見 蒼
・アルファ
・30歳
・御曹司(二見不動産)
・明るくて面倒見が良い
・一途
・独占欲が強い
・中学3年生のときに不登校気味で1人でいる秀斗を気遣って接しているうちに好きになっていく
・元々家業を継ぐために学んでいたために優秀だったが、秀斗を迎え入れるために誰からも文句を言われぬように会社を繁栄させようと邁進してる
・日向のことは家族としての好意を持っており、光希のこともちゃんと愛している
・運命の番(日向)に出会ったときは本能によって心が惹かれるのを感じたが、秀斗の姿がないのに気づくと同時に日向に向けていた熱はすぐさま消え去った
二見(筒井) 日向
・オメガ
・28歳
・フリーランスのSE(今は育児休業中)
・人懐っこくて甘え上手
・猪突猛進なところがある
・感情豊かで少し気分の浮き沈みが激しい
・高校一年生のときに困っている自分に声をかけてくれた秀斗に一目惚れし、絶対に秀斗と結婚すると決めていた
・秀斗を迎え入れるために早めに子どもをつくろうと蒼と相談していたため、会社には勤めずにフリーランスとして仕事をしている
・蒼のことは家族としての好意を持っており、光希のこともちゃんと愛している
・運命の番(蒼)に出会ったときは本能によって心が惹かれるのを感じたが、秀斗の姿がないのに気づいた瞬間に絶望をして一時期病んでた
※他サイトにも掲載しています
ビーボーイ創作BL大賞3に応募していた作品です
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎
亜沙美多郎
BL
本編完結!番外編も無事完結しました♡
「私立秀麗学園高校ホスト科」とは、通常の必須科目に加え、顔面偏差値やスタイルまでもが受験合格の要因となる。芸能界を目指す(もしくは既に芸能活動をしている)人が多く在籍している男子校。
そんな煌びやかな高校に、中学生まで虐められっ子だった僕が何故か合格!
更にいきなり生徒会に入るわ、両思いになるわ……一体何が起こってるんでしょう……。
これまでとは真逆の生活を送る事に戸惑いながらも、好きな人の為、自分の為に強くなろうと奮闘する毎日。
友達や恋人に守られながらも、無自覚に周りをキュンキュンさせる二階堂椿に周りもどんどん魅力されていき……
椿の恋と友情の1年間を追ったストーリーです。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
※R-18バージョンはムーンライトノベルズさんに投稿しています。アルファポリスは全年齢対象となっております。
※お気に入り登録、しおり、ありがとうございます!投稿の励みになります。
楽しんで頂けると幸いです(^^)
今後ともどうぞ宜しくお願いします♪
※誤字脱字、見つけ次第コッソリ直しております。すみません(T ^ T)
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる