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藕断糸連哥和弟(切っても切れぬ兄弟の絆)
066:堅物宮主(七)
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『俺が封印された頃、それこそ黒炎山に関しての話は、到底弁解できるものではないし、自業自得だってこともよく分かってるつもりだ。ただ、そこに至るまでの話はもう少し色々あって、それを誰かに話したことはいままで一度も無かったし、封印されていたから当然誰にも話せなかった。でも最近思うことがある。やっぱりあの一件は妙だったってこと――』
黒曜――翳黒明は翳冥宮の宮主の長子として生を受けた。
弟は翳白暗といい、双子であるため互いの顔は両親も見分けがつかぬほど瓜二つ。翳黒明が黒髪、翳白暗が白髪と髪の色が違っていなければ途中でどちらか分からなくなってしまったかもしれない。性格もまた真逆の二人で、黒明は活動的、対して白暗はおっとりした内向的な性格だった。
不運だったのは二人を生んだ際に母は命を落としたこと。物心ついたときに傍にいた両親は、父である宮主一人であったが、それでも二人は何不自由なく日々を過ごすことができた。
この世に生を受けたときから翳冥宮のしきたりに乗っ取って、長男である翳黒明が宮主の跡を継ぐことは決まっていたし、それに対して翳白暗が異議を唱えたこともない。
性格こそ反対の二人だったが、それくらいには二人の関係は良好なものだったのだ。
――しかし、あるときから不可解なことばかりが起きるようになった。
まず、翳白暗の態度が豹変したのだ。まるで、別人のように。
二人は気づけばいがみ合うようになり、いつしか争いが絶えなくなった。
宮主もそんな彼を心配して様々な手を尽くしたが、翳白暗の態度は悪化の一途をたどる一方。宮主も、そして翳黒明も、どうすることもできない無力感に襲われた。
それから翳白暗は、彼を担ぎ上げる翳冥宮の一部の者たちを先導して自分こそが宮主に相応しいと主張したのだ。
宮主は翳白暗のことを厳しく叱咤したが、親子の関係はより悪化した。
翳黒明はなんとか翳白暗を元に戻そうとその原因を手を尽くして調べたが、これといった手掛かりもなく、日々ばかりが過ぎてゆく。
ある日、所用により外出していた翳黒明は、翳冥宮に戻ってすぐに異変に気づいた。
すぐさま屋敷の中に駆け込むと、目の前に広がっていたのは地獄のような光景。
その先では宮主と翳白暗が戦っていたが、宮主は既に手傷を負ってまともに戦うことは難しい様子だった。
慟哭が終わるより早く、宮主の体は切り裂かれる。
父の仇を討ったのあと、悲しみと同時にこみ上げる感情により、翳黒明の心は死んでしまった。
それからのことはもう殆ど何も覚えてはいない。どうやらあちこち彷徨ったようなのだが、ある日いちどは正気に戻った。
いったいどれほどの時間が経ったのだろうか。はっきりとは分からなかったが、とにかく翳冥宮へもう一度戻らなければならないと翳黒明は急いで翳冥宮に戻ったのだ。
しかし翳冥宮に戻った翳黒明は激しく驚き、動揺した。
何故なら、全てが無かったことになっていたからだ。
動く父。殺したはずの翳白暗。最後の記憶ではみな息を引き取っていたはずの門弟たち。
全てがまるで夢だったかのように――みな、生きていたのだ。
* * *
『そんな馬鹿なことってあると思うか?』
凰黎と凰神偉に向かって、黒曜は自嘲気味に笑う。
「死人を生き返らせることは不可能ではありませんが、相応の力や手段が必要です。いまの話から導き出された事実から推測するに、考えられる可能性は貴方が幻覚にかけられていたか、生き返ったと思った人々は偽物であったか」
すぐさま答えを出した凰黎に、黒曜は『当たってる』と頷いた。
『死体は生き返ったわけでも、夢だったわけでもない。生きている別の奴らが成り済ましただけだった』
翳黒明が自分を見失っている間に、死んだ者たちは同じ姿をした別の者たちにすり替わってしまったのだ。いくらそっくりに化けようとも翳黒明にはすぐにそれが別人であると見抜くことができた。
『そのとき悟った。そいつらの裏で糸を引いている誰かが、俺たちを陥れたんだって。こんな大掛かりなこと、数人が画策してできることじゃない』
翳黒明はすぐさま怒りのままに翳冥宮の中にいる偽物たちを殺し、そして今度こそ本当に翳冥宮には誰ひとりいなくなり、滅んだのだという。
「そのあとは何故、貴方は外に怒りの矛先を向けたのですか? 貴方が恨むべきは翳冥宮を乗っ取ろうとした何者か、でしょう?」
『その通りだ。でもその時の俺はまともな考えができなかった。多分、一時的に我に返っただけで、既に俺は正常ではいられなかったんだと思う。それに……』
「それに?」
凰黎の問いに黒曜は「なんでもない」と首を振る。
裏で糸を引いていた者が誰だったのか、いまもまだ分かってはいない。偽物を排除したあとに翳黒明が真っ先に考えたのは、恐らくこの世の全てに対する憎しみだったのだ。
恨みは翳黒明の感情全てを支配して、冷静な思考を奪い、暴走し歯止めが利かなくなってしまった。そうして最終的には五行盟によって黒炎山に封じられることになったのだ。
『あの時は完全に自分を見失ってしまい何も考えられなかったが、いったいあの偽物は誰だったのか、何の目的があったのか。全く分かっていなかった。もっと冷静になって周りに協力を仰いで諸悪を突き止めるべきだったんだ』
そこまで話すと、黒曜は力なく項垂れた。
『俺が言いたいのは――つまり、翳冥宮が滅びた直接の原因は俺にあるが、俺自身も知らない、悪意がその裏に隠されている。黒冥翳魔も薄々そのことには気づいていて、永らく囚われていた悪夢から抜け出したいま、その答えをあいつは欲している。もしも乗っ取りではなく正式な手段で翳冥宮を復興させることができるなら、黒冥翳魔自身にとってもそれは願ってもないことだと思う』
「根拠が聞きたい。何故そう思う?」
凰神偉は黒曜に問う。
黒曜は『そうだな……』と少し思案したあと、凰神偉を見た。
『黒冥翳魔はなんだかんだ、後悔を抱えている。もう少しできることがあったんじゃないか。自分のせいで一族が誇りを持って守っていた翳冥宮を滅ぼしてしまった、ってな。だから、もし黒冥翳魔の納得のいく結果が導き出されるのなら、あいつは翳冥宮の復興をむしろ喜ぶし、率先して俺たちに協力してくれる、と思う』
「それは同じ魂魄から分かれた者の、直感か?」
『かもな』
黒曜は頷いた。
「ひとつ疑問がある。なぜ翳冥宮を復興させるのは貴公ではなく黒冥翳魔なのか? 元が同じ魂魄であるのなら、はじめから貴公がその役目を請け負えばいいだけではないのか?」
凰神偉の言うことは最も効率的で正しい。だが当然ながら綻びがある。
『そりゃあ、俺が自由に動けるならな。考えてもみてくれ。この体は俺のものではなく煬鳳のものだ。俺は煬鳳と運命共同体ではあるが、決してこの体は俺の自由にしていいものじゃない。それくらいの分別はあるつもりだ』
黒曜はきっぱりと凰神偉に言い切った。
『それに……俺がこの体を好き勝手に使ったら、一番悲しい思いをするのは誰だと思う? 貴方の弟だ』
そう言った黒曜の視線の先には凰黎がいる。
「兄上、彼の言う通りです。私は……」
凰黎は煬鳳――の中にいる黒曜を見て、次いで兄を見た。縋るような視線に凰神偉は、一瞬戸惑いの表情を見せる。
『悪くないと思うぞ? 凰黎との取り引きは』
黒曜はそう言って凰神偉に『どうだ?』ともう一度尋ねたが、凰神偉はまだ思案しているようだ。
「燐瑛珂。お前はどう思う」
傍に控えていた燐瑛珂は突然呼びかけられて驚き入ったようだが、すぐに表情を戻すときっぱりと答えた。
「私は宮主様のお考えに従います。……ですが、彼の言葉は大変興味深いと私自身思っております。私の祖父も恒凰宮で宮主様にお仕えしておりましたが、翳冥宮の様子がおかしくなった当時の状況を語ってくれたことがあったのです。その時の話と、彼の話す話はよく似ています」
燐瑛珂の言葉で凰神偉の心は決まったようだ。
「……そこまで言うのなら、分かった。凰黎。そなたの取り引きに応じよう」
「有り難うございます、兄上。では、無事に魔界で約束を取り付けた暁には……」
言いかけた凰黎の言葉を遮るように、凰神偉は言葉を重ねた。
「大切な者の命にかかわることなら、協力を惜しむことはない。持っていきなさい」
凰神偉は懐から絹の包みを取り出すと、それを凰黎の手に強引に握らせる。驚いた凰黎が凰神偉を見上げたが、凰神偉は静かに首を振る。
「兄上、これは……」
「――普段は我を通さぬそなたがそれほどまでに願うのだから、彼はそなたにとって本当に大切な存在なのだろう。既に取り引きは成立した」
「ですが……」
それでも凰黎が凰神偉に何か言おうとすると、凰神偉は凰黎の胸を人差し指でとん、と突く。
「凰黎。そなたは、できぬ約束は言わぬのではなかったか? ならば、前に渡そうがあとに渡そうが同じこと。違うか?」
ぎこちない凰神偉の微笑みに、凰黎もつられて綻んだ。
「有り難うございます、兄上」
「対等な取り引きに礼など無用。……それより万晶鉱は扱いが難しい。くれぐれも気を付けろ」
「はい……!」
万晶鉱の宝剣をしっかりと抱えると、晴れやかな笑顔を凰神偉に顔を向けた。
黒曜――翳黒明は翳冥宮の宮主の長子として生を受けた。
弟は翳白暗といい、双子であるため互いの顔は両親も見分けがつかぬほど瓜二つ。翳黒明が黒髪、翳白暗が白髪と髪の色が違っていなければ途中でどちらか分からなくなってしまったかもしれない。性格もまた真逆の二人で、黒明は活動的、対して白暗はおっとりした内向的な性格だった。
不運だったのは二人を生んだ際に母は命を落としたこと。物心ついたときに傍にいた両親は、父である宮主一人であったが、それでも二人は何不自由なく日々を過ごすことができた。
この世に生を受けたときから翳冥宮のしきたりに乗っ取って、長男である翳黒明が宮主の跡を継ぐことは決まっていたし、それに対して翳白暗が異議を唱えたこともない。
性格こそ反対の二人だったが、それくらいには二人の関係は良好なものだったのだ。
――しかし、あるときから不可解なことばかりが起きるようになった。
まず、翳白暗の態度が豹変したのだ。まるで、別人のように。
二人は気づけばいがみ合うようになり、いつしか争いが絶えなくなった。
宮主もそんな彼を心配して様々な手を尽くしたが、翳白暗の態度は悪化の一途をたどる一方。宮主も、そして翳黒明も、どうすることもできない無力感に襲われた。
それから翳白暗は、彼を担ぎ上げる翳冥宮の一部の者たちを先導して自分こそが宮主に相応しいと主張したのだ。
宮主は翳白暗のことを厳しく叱咤したが、親子の関係はより悪化した。
翳黒明はなんとか翳白暗を元に戻そうとその原因を手を尽くして調べたが、これといった手掛かりもなく、日々ばかりが過ぎてゆく。
ある日、所用により外出していた翳黒明は、翳冥宮に戻ってすぐに異変に気づいた。
すぐさま屋敷の中に駆け込むと、目の前に広がっていたのは地獄のような光景。
その先では宮主と翳白暗が戦っていたが、宮主は既に手傷を負ってまともに戦うことは難しい様子だった。
慟哭が終わるより早く、宮主の体は切り裂かれる。
父の仇を討ったのあと、悲しみと同時にこみ上げる感情により、翳黒明の心は死んでしまった。
それからのことはもう殆ど何も覚えてはいない。どうやらあちこち彷徨ったようなのだが、ある日いちどは正気に戻った。
いったいどれほどの時間が経ったのだろうか。はっきりとは分からなかったが、とにかく翳冥宮へもう一度戻らなければならないと翳黒明は急いで翳冥宮に戻ったのだ。
しかし翳冥宮に戻った翳黒明は激しく驚き、動揺した。
何故なら、全てが無かったことになっていたからだ。
動く父。殺したはずの翳白暗。最後の記憶ではみな息を引き取っていたはずの門弟たち。
全てがまるで夢だったかのように――みな、生きていたのだ。
* * *
『そんな馬鹿なことってあると思うか?』
凰黎と凰神偉に向かって、黒曜は自嘲気味に笑う。
「死人を生き返らせることは不可能ではありませんが、相応の力や手段が必要です。いまの話から導き出された事実から推測するに、考えられる可能性は貴方が幻覚にかけられていたか、生き返ったと思った人々は偽物であったか」
すぐさま答えを出した凰黎に、黒曜は『当たってる』と頷いた。
『死体は生き返ったわけでも、夢だったわけでもない。生きている別の奴らが成り済ましただけだった』
翳黒明が自分を見失っている間に、死んだ者たちは同じ姿をした別の者たちにすり替わってしまったのだ。いくらそっくりに化けようとも翳黒明にはすぐにそれが別人であると見抜くことができた。
『そのとき悟った。そいつらの裏で糸を引いている誰かが、俺たちを陥れたんだって。こんな大掛かりなこと、数人が画策してできることじゃない』
翳黒明はすぐさま怒りのままに翳冥宮の中にいる偽物たちを殺し、そして今度こそ本当に翳冥宮には誰ひとりいなくなり、滅んだのだという。
「そのあとは何故、貴方は外に怒りの矛先を向けたのですか? 貴方が恨むべきは翳冥宮を乗っ取ろうとした何者か、でしょう?」
『その通りだ。でもその時の俺はまともな考えができなかった。多分、一時的に我に返っただけで、既に俺は正常ではいられなかったんだと思う。それに……』
「それに?」
凰黎の問いに黒曜は「なんでもない」と首を振る。
裏で糸を引いていた者が誰だったのか、いまもまだ分かってはいない。偽物を排除したあとに翳黒明が真っ先に考えたのは、恐らくこの世の全てに対する憎しみだったのだ。
恨みは翳黒明の感情全てを支配して、冷静な思考を奪い、暴走し歯止めが利かなくなってしまった。そうして最終的には五行盟によって黒炎山に封じられることになったのだ。
『あの時は完全に自分を見失ってしまい何も考えられなかったが、いったいあの偽物は誰だったのか、何の目的があったのか。全く分かっていなかった。もっと冷静になって周りに協力を仰いで諸悪を突き止めるべきだったんだ』
そこまで話すと、黒曜は力なく項垂れた。
『俺が言いたいのは――つまり、翳冥宮が滅びた直接の原因は俺にあるが、俺自身も知らない、悪意がその裏に隠されている。黒冥翳魔も薄々そのことには気づいていて、永らく囚われていた悪夢から抜け出したいま、その答えをあいつは欲している。もしも乗っ取りではなく正式な手段で翳冥宮を復興させることができるなら、黒冥翳魔自身にとってもそれは願ってもないことだと思う』
「根拠が聞きたい。何故そう思う?」
凰神偉は黒曜に問う。
黒曜は『そうだな……』と少し思案したあと、凰神偉を見た。
『黒冥翳魔はなんだかんだ、後悔を抱えている。もう少しできることがあったんじゃないか。自分のせいで一族が誇りを持って守っていた翳冥宮を滅ぼしてしまった、ってな。だから、もし黒冥翳魔の納得のいく結果が導き出されるのなら、あいつは翳冥宮の復興をむしろ喜ぶし、率先して俺たちに協力してくれる、と思う』
「それは同じ魂魄から分かれた者の、直感か?」
『かもな』
黒曜は頷いた。
「ひとつ疑問がある。なぜ翳冥宮を復興させるのは貴公ではなく黒冥翳魔なのか? 元が同じ魂魄であるのなら、はじめから貴公がその役目を請け負えばいいだけではないのか?」
凰神偉の言うことは最も効率的で正しい。だが当然ながら綻びがある。
『そりゃあ、俺が自由に動けるならな。考えてもみてくれ。この体は俺のものではなく煬鳳のものだ。俺は煬鳳と運命共同体ではあるが、決してこの体は俺の自由にしていいものじゃない。それくらいの分別はあるつもりだ』
黒曜はきっぱりと凰神偉に言い切った。
『それに……俺がこの体を好き勝手に使ったら、一番悲しい思いをするのは誰だと思う? 貴方の弟だ』
そう言った黒曜の視線の先には凰黎がいる。
「兄上、彼の言う通りです。私は……」
凰黎は煬鳳――の中にいる黒曜を見て、次いで兄を見た。縋るような視線に凰神偉は、一瞬戸惑いの表情を見せる。
『悪くないと思うぞ? 凰黎との取り引きは』
黒曜はそう言って凰神偉に『どうだ?』ともう一度尋ねたが、凰神偉はまだ思案しているようだ。
「燐瑛珂。お前はどう思う」
傍に控えていた燐瑛珂は突然呼びかけられて驚き入ったようだが、すぐに表情を戻すときっぱりと答えた。
「私は宮主様のお考えに従います。……ですが、彼の言葉は大変興味深いと私自身思っております。私の祖父も恒凰宮で宮主様にお仕えしておりましたが、翳冥宮の様子がおかしくなった当時の状況を語ってくれたことがあったのです。その時の話と、彼の話す話はよく似ています」
燐瑛珂の言葉で凰神偉の心は決まったようだ。
「……そこまで言うのなら、分かった。凰黎。そなたの取り引きに応じよう」
「有り難うございます、兄上。では、無事に魔界で約束を取り付けた暁には……」
言いかけた凰黎の言葉を遮るように、凰神偉は言葉を重ねた。
「大切な者の命にかかわることなら、協力を惜しむことはない。持っていきなさい」
凰神偉は懐から絹の包みを取り出すと、それを凰黎の手に強引に握らせる。驚いた凰黎が凰神偉を見上げたが、凰神偉は静かに首を振る。
「兄上、これは……」
「――普段は我を通さぬそなたがそれほどまでに願うのだから、彼はそなたにとって本当に大切な存在なのだろう。既に取り引きは成立した」
「ですが……」
それでも凰黎が凰神偉に何か言おうとすると、凰神偉は凰黎の胸を人差し指でとん、と突く。
「凰黎。そなたは、できぬ約束は言わぬのではなかったか? ならば、前に渡そうがあとに渡そうが同じこと。違うか?」
ぎこちない凰神偉の微笑みに、凰黎もつられて綻んだ。
「有り難うございます、兄上」
「対等な取り引きに礼など無用。……それより万晶鉱は扱いが難しい。くれぐれも気を付けろ」
「はい……!」
万晶鉱の宝剣をしっかりと抱えると、晴れやかな笑顔を凰神偉に顔を向けた。
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