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陳蔡之厄黒炎山(黒炎山での災難)
046:狐死首丘(四)
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「俺たちが離れ離れになったあの噴火のときに、彩鉱門の人たちは結界の外に出て村の人たちを助けようとしてくれたんだ。でも、あまりに突然の噴火だったから殆ど誰も助けることができなくて……。俺はたまたま、皆散り散りになって逃げたあと、運よく彩鉱門の門弟に助けて貰うことができた。それから俺は彩鉱門の掌門の養子になって……それからは弟子として暮らすようになったんだ」
あっけらかんと藍方……彩藍方は煬鳳にそう話した。
元々逞しい性格ではあったのだが、あれから十数年経ってもそれは変わっていないらしい。子供のときはお互い身なりも汚く顔も泥だらけで酷いものだったが、あれから時を経て煬鳳も、そして彩藍方も面影は残せど随分と大人になったものだ。
宝器の生み出す強固な結界に守られ、長い時間をその場所で過ごした彩鉱門は黒炎山の一角に広大な屋敷を構えていた。手入れの行き届いた庭園やそのほかの場所には巨大な岩が置かれており、一風変わった趣を感じさせる。緑の少ない場所にあった鋼劍とは、同じ山であるとは思えない美しさだが、惜しむらくは黒冥翳魔がやってきたがために彩鉱門全体が物々しい雰囲気を醸し出していることだろうか。
「あの噴火が落ち着いたあと、何度も鋼劍に行ったけど、生きた人間は一人も見つからなかった。ただ、俺が初めてあの村に戻ったときに墓が作られていたから、絶対誰か生きてるはずだってずっと諦めなかった」
「そうだったのか……」
煬鳳があの村を訪れたあと、彩藍方は村に戻ってきたのだ。それから煬鳳は今日に至るまで鋼劍に戻ることもなかったから、随分と再会までに時間がかかってしまった。
こうして十年以上の時間を経て、再会が叶うとは実に感慨深いものだ。
小黄は黒冥翳魔の襲撃にかなり怯えた様子で、はじめは彩鉱門に着いても凰黎から離れようとはしなかった。彼の身なりは特別上等で、およそ荒事とは無縁の生活を送っていたに違いない。怯えるのも仕方のないことだと思う。
煬鳳たちが大丈夫だと何度も宥めすかし、彩藍方と兄弟子から貰ったお菓子を食べて、ようやく笑顔を取り戻してくれたのだ。今は二人からすぐ見える中庭で、彩藍方の兄弟子である彩菫青と共に散歩を楽しんでいる。
「そうだ。さっきは何で鋼劍に来たんだ?」
「ああ。それはな……黒冥翳魔が黒炎山に戻ってきたのが分かったからさ」
その名を聞いて、煬鳳は先ほどまでに起こった出来事を思い出す。
(そうだ。俺は黒冥翳魔と関係無いって証明するために黒炎山に来たんだ……)
このまま戻って説明しようものなら、下手をすると黒冥翳魔の仲間だと思われかねない事態だ。そうなっては庇ってくれた凰黎や鸞快子にも迷惑がかかってしまう。
「煬鳳。この黒炎山で暮らしてきて、ずっと思ってたことがあるんだ。黒炎山の火口……いや、この山全体に翳炎の力が宿っている」
「なんだって!?」
確かにこの黒炎山は肉体を失ってもなお暴れ続けた黒冥翳魔を封じた場所であり、彼の持つ翳炎は消えることなくずっと燃えていると言われている。凰黎が教えてくれたことだ。しかし、よもや山全体にその翳炎が宿っているとは思いもしなかった。
「それで、いつも火口を見るたび、燃える翳炎を見るたびに思い出したんだ。お前の頭の上に良く留まってた黒曜のこと。あの黒い鳥の炎と、この山の炎は本当に良く似ている、ってな。さっき黒冥翳魔とお前の黒曜の炎を見て間違いないって思った」
「……」
彼の言うことは間違っていない。
黒冥翳魔は『面識は全くないが無関係ではない』と言っていたが、あの翳炎が煬鳳の使う炎と同じものであり、もとは黒冥翳魔の物であると、先ほどお互いの力をぶつけて煬鳳自身も確信したのだ。
理由はわからない。しかし煬鳳の炎は元々黒冥翳魔のもので、何かの切っ掛けで煬鳳の物になったのだと。
「彩公子」
それまで二人の会話をじっと聞いていた凰黎が呼びかける。
「彩鉱門は様々な霊剣をこれまでに作り出してきたと聞いています。その中に『繋がった霊力をうまく断ち切ることができる』ような剣は存在しないものでしょうか」
「霊力を断ち切る!? なんでそんなことを!?」
驚く彩藍方に対し、凰黎はこれまでに煬鳳の体に起きた様々な出来事を正直に話した。彩藍方は煬鳳の幼馴染みであり、信頼し合った仲間だ。絶対に煬鳳の不利になるようなことはしないだろう、と考えたのだ。
そして霊力を切り離す霊剣を探すなら、彩鉱門に出会えたのは願ってもない幸運だった。駄目もとであっても、聞かない理由はないだろう。
「う~ん……なるほどな」
一通りの話を聞いた彩藍方は、難しい顔で腕を組み、考えている。
「いま彩鉱門にある霊剣じゃ無理だ。俺は定期的にこの彩鉱門で作られた全ての霊剣ひとつひとつ手入れをしているから間違いはない」
きっぱりと言われてしまい、煬鳳はしょげた。心なしか凰黎も意気消沈したように見える。
「あ、まだ完全に落ち込むのは早いぞ! 俺はまだ最後まで言ってないからな!」
「さらに落ち込むようなことじゃないだろうな」
「落ち着け落ち着け。そんなことならはなから言わないって。……実はもう一つ浮かんでる手がある」
彩藍方の言葉に凰黎が目を見開く。咄嗟に彩藍方の肩を掴むと「そ、それは!?」と激しく揺すぶった。
「あああ、揺さぶるんじゃねえ! ……ただ、それは彩鉱門の極秘の話だから、掌門に一度相談させてくれ。必ず解決できるとは限らないけど、少しでもお前の力になれるように説得する。信じて欲しい」
「彩藍方……」
「藍方でも構わないぞ。お前は昔から煬鳳だったけど、俺はお前には藍方って呼ばれてたんだからな」
「はは、ありがとな。藍方」
「なに、お前は俺の弟分だったんだからな。当然のことさ!」
まるで昔に戻ったかのように二人は笑いあう。しかし、凰黎の様子を窺うと、先ほどの穏やかな表情から打って変わって厳しい表情をしていた。凰黎は椅子から立ち上がると二人を交互に見つめる。
「お二人の楽しい話に水を差すつもりはありません。しかし、黒冥翳魔が結界を破るのもそう遠くはないでしょう。彩鉱門の方は大丈夫なのですか?」
「黒冥翳魔がこの山に戻ってきたときからそれは想定の範囲内だ。もともとこの黒炎山は奴が封じられた場所だったし、彩鉱門もそれを承知でここに拠点を移した。もし煬鳳がいなかったとしても、あいつは彩鉱門の存在に気づき、そして襲撃をしただろう。遅いか早いか、それだけさ。既にいま、掌門や他の門弟たちはいつ何があっても良いように備えているから安心してくれ」
彩藍方の言葉を聞いて、凰黎はようやく安心したようだ。再び椅子に座りなおすと、穏やかな顔で煬鳳を見た。
「安心しました。ならば黒冥翳魔が来る前に一つ聞きたいことがあります。いいですか? 『黒曜』」
凰黎の言葉に一瞬目を見開いた煬鳳だったが、次の瞬間には別人の微笑みを浮かべていた。
『――驚いた。何で俺だと気づいたんだ?』
咄嗟に彩藍方が身構えようとしたが、凰黎は「待って」とそれを止める。
「つい先ほど。貴方が彩公子の名を呼んだ瞬間です。煬鳳は今日初めて貴方が彩藍方であると知った。彼はそそっかしいので彩公子のことは昔の呼び方で呼ぶでしょう」
『はは、あんたには敵わないや』
黒曜はそう言って笑う。煬鳳の顔であるのに、いつもの彼ではない微笑み。凰黎はそれを見るのが辛く感じたのか、美しい顔を少し顰めた。
「それで、何が目的で?」
『そう怖い顔しないでくれ。俺は煬鳳が生まれて間もないころからこいつと一緒にいるんだ。危害を加える気も乗っ取るつもりもない。ただ、黒冥翳魔が現れた以上、俺自身の口からこれまでのことを、多少なりあんたたちに伝えておきたいと思った、それだけだ』
「いいでしょう。私も聞きたいと思っていました。……黒曜というのは確か煬鳳を可愛がってくれた鋼劍の村の人がつけてくれた名だと聞きました。しかし貴方の本当の正体は黒炎山の炎に溶け込んだ、黒冥翳魔の意識のひとつですね」
「何だって!?」
凰黎の言葉を聞いて、堪らずに彩藍方が立ち上がる。
『お前も落ち着け、藍方。お前だって昔よく食べかけの饅頭を俺にわけてくれただろうが』
「それは、お前がただの鳥だと思っていたからだ!」
『ただの鳥は饅頭なんか食うか。別に見た目が変わっても俺が変わるわけじゃない。一緒だ』
「……」
鳥でも饅頭は食べるだろうが、いま重要なのはそこではない。
黒冥翳魔の一部に親し気に名を呼ばれ、彩藍方は苦々しい顔をした。しかし、先ほど交戦した黒冥翳魔と、黒曜とは、同じ人物でありながらやはりかなり異なっているように感じられる。
あっけらかんと藍方……彩藍方は煬鳳にそう話した。
元々逞しい性格ではあったのだが、あれから十数年経ってもそれは変わっていないらしい。子供のときはお互い身なりも汚く顔も泥だらけで酷いものだったが、あれから時を経て煬鳳も、そして彩藍方も面影は残せど随分と大人になったものだ。
宝器の生み出す強固な結界に守られ、長い時間をその場所で過ごした彩鉱門は黒炎山の一角に広大な屋敷を構えていた。手入れの行き届いた庭園やそのほかの場所には巨大な岩が置かれており、一風変わった趣を感じさせる。緑の少ない場所にあった鋼劍とは、同じ山であるとは思えない美しさだが、惜しむらくは黒冥翳魔がやってきたがために彩鉱門全体が物々しい雰囲気を醸し出していることだろうか。
「あの噴火が落ち着いたあと、何度も鋼劍に行ったけど、生きた人間は一人も見つからなかった。ただ、俺が初めてあの村に戻ったときに墓が作られていたから、絶対誰か生きてるはずだってずっと諦めなかった」
「そうだったのか……」
煬鳳があの村を訪れたあと、彩藍方は村に戻ってきたのだ。それから煬鳳は今日に至るまで鋼劍に戻ることもなかったから、随分と再会までに時間がかかってしまった。
こうして十年以上の時間を経て、再会が叶うとは実に感慨深いものだ。
小黄は黒冥翳魔の襲撃にかなり怯えた様子で、はじめは彩鉱門に着いても凰黎から離れようとはしなかった。彼の身なりは特別上等で、およそ荒事とは無縁の生活を送っていたに違いない。怯えるのも仕方のないことだと思う。
煬鳳たちが大丈夫だと何度も宥めすかし、彩藍方と兄弟子から貰ったお菓子を食べて、ようやく笑顔を取り戻してくれたのだ。今は二人からすぐ見える中庭で、彩藍方の兄弟子である彩菫青と共に散歩を楽しんでいる。
「そうだ。さっきは何で鋼劍に来たんだ?」
「ああ。それはな……黒冥翳魔が黒炎山に戻ってきたのが分かったからさ」
その名を聞いて、煬鳳は先ほどまでに起こった出来事を思い出す。
(そうだ。俺は黒冥翳魔と関係無いって証明するために黒炎山に来たんだ……)
このまま戻って説明しようものなら、下手をすると黒冥翳魔の仲間だと思われかねない事態だ。そうなっては庇ってくれた凰黎や鸞快子にも迷惑がかかってしまう。
「煬鳳。この黒炎山で暮らしてきて、ずっと思ってたことがあるんだ。黒炎山の火口……いや、この山全体に翳炎の力が宿っている」
「なんだって!?」
確かにこの黒炎山は肉体を失ってもなお暴れ続けた黒冥翳魔を封じた場所であり、彼の持つ翳炎は消えることなくずっと燃えていると言われている。凰黎が教えてくれたことだ。しかし、よもや山全体にその翳炎が宿っているとは思いもしなかった。
「それで、いつも火口を見るたび、燃える翳炎を見るたびに思い出したんだ。お前の頭の上に良く留まってた黒曜のこと。あの黒い鳥の炎と、この山の炎は本当に良く似ている、ってな。さっき黒冥翳魔とお前の黒曜の炎を見て間違いないって思った」
「……」
彼の言うことは間違っていない。
黒冥翳魔は『面識は全くないが無関係ではない』と言っていたが、あの翳炎が煬鳳の使う炎と同じものであり、もとは黒冥翳魔の物であると、先ほどお互いの力をぶつけて煬鳳自身も確信したのだ。
理由はわからない。しかし煬鳳の炎は元々黒冥翳魔のもので、何かの切っ掛けで煬鳳の物になったのだと。
「彩公子」
それまで二人の会話をじっと聞いていた凰黎が呼びかける。
「彩鉱門は様々な霊剣をこれまでに作り出してきたと聞いています。その中に『繋がった霊力をうまく断ち切ることができる』ような剣は存在しないものでしょうか」
「霊力を断ち切る!? なんでそんなことを!?」
驚く彩藍方に対し、凰黎はこれまでに煬鳳の体に起きた様々な出来事を正直に話した。彩藍方は煬鳳の幼馴染みであり、信頼し合った仲間だ。絶対に煬鳳の不利になるようなことはしないだろう、と考えたのだ。
そして霊力を切り離す霊剣を探すなら、彩鉱門に出会えたのは願ってもない幸運だった。駄目もとであっても、聞かない理由はないだろう。
「う~ん……なるほどな」
一通りの話を聞いた彩藍方は、難しい顔で腕を組み、考えている。
「いま彩鉱門にある霊剣じゃ無理だ。俺は定期的にこの彩鉱門で作られた全ての霊剣ひとつひとつ手入れをしているから間違いはない」
きっぱりと言われてしまい、煬鳳はしょげた。心なしか凰黎も意気消沈したように見える。
「あ、まだ完全に落ち込むのは早いぞ! 俺はまだ最後まで言ってないからな!」
「さらに落ち込むようなことじゃないだろうな」
「落ち着け落ち着け。そんなことならはなから言わないって。……実はもう一つ浮かんでる手がある」
彩藍方の言葉に凰黎が目を見開く。咄嗟に彩藍方の肩を掴むと「そ、それは!?」と激しく揺すぶった。
「あああ、揺さぶるんじゃねえ! ……ただ、それは彩鉱門の極秘の話だから、掌門に一度相談させてくれ。必ず解決できるとは限らないけど、少しでもお前の力になれるように説得する。信じて欲しい」
「彩藍方……」
「藍方でも構わないぞ。お前は昔から煬鳳だったけど、俺はお前には藍方って呼ばれてたんだからな」
「はは、ありがとな。藍方」
「なに、お前は俺の弟分だったんだからな。当然のことさ!」
まるで昔に戻ったかのように二人は笑いあう。しかし、凰黎の様子を窺うと、先ほどの穏やかな表情から打って変わって厳しい表情をしていた。凰黎は椅子から立ち上がると二人を交互に見つめる。
「お二人の楽しい話に水を差すつもりはありません。しかし、黒冥翳魔が結界を破るのもそう遠くはないでしょう。彩鉱門の方は大丈夫なのですか?」
「黒冥翳魔がこの山に戻ってきたときからそれは想定の範囲内だ。もともとこの黒炎山は奴が封じられた場所だったし、彩鉱門もそれを承知でここに拠点を移した。もし煬鳳がいなかったとしても、あいつは彩鉱門の存在に気づき、そして襲撃をしただろう。遅いか早いか、それだけさ。既にいま、掌門や他の門弟たちはいつ何があっても良いように備えているから安心してくれ」
彩藍方の言葉を聞いて、凰黎はようやく安心したようだ。再び椅子に座りなおすと、穏やかな顔で煬鳳を見た。
「安心しました。ならば黒冥翳魔が来る前に一つ聞きたいことがあります。いいですか? 『黒曜』」
凰黎の言葉に一瞬目を見開いた煬鳳だったが、次の瞬間には別人の微笑みを浮かべていた。
『――驚いた。何で俺だと気づいたんだ?』
咄嗟に彩藍方が身構えようとしたが、凰黎は「待って」とそれを止める。
「つい先ほど。貴方が彩公子の名を呼んだ瞬間です。煬鳳は今日初めて貴方が彩藍方であると知った。彼はそそっかしいので彩公子のことは昔の呼び方で呼ぶでしょう」
『はは、あんたには敵わないや』
黒曜はそう言って笑う。煬鳳の顔であるのに、いつもの彼ではない微笑み。凰黎はそれを見るのが辛く感じたのか、美しい顔を少し顰めた。
「それで、何が目的で?」
『そう怖い顔しないでくれ。俺は煬鳳が生まれて間もないころからこいつと一緒にいるんだ。危害を加える気も乗っ取るつもりもない。ただ、黒冥翳魔が現れた以上、俺自身の口からこれまでのことを、多少なりあんたたちに伝えておきたいと思った、それだけだ』
「いいでしょう。私も聞きたいと思っていました。……黒曜というのは確か煬鳳を可愛がってくれた鋼劍の村の人がつけてくれた名だと聞きました。しかし貴方の本当の正体は黒炎山の炎に溶け込んだ、黒冥翳魔の意識のひとつですね」
「何だって!?」
凰黎の言葉を聞いて、堪らずに彩藍方が立ち上がる。
『お前も落ち着け、藍方。お前だって昔よく食べかけの饅頭を俺にわけてくれただろうが』
「それは、お前がただの鳥だと思っていたからだ!」
『ただの鳥は饅頭なんか食うか。別に見た目が変わっても俺が変わるわけじゃない。一緒だ』
「……」
鳥でも饅頭は食べるだろうが、いま重要なのはそこではない。
黒冥翳魔の一部に親し気に名を呼ばれ、彩藍方は苦々しい顔をした。しかし、先ほど交戦した黒冥翳魔と、黒曜とは、同じ人物でありながらやはりかなり異なっているように感じられる。
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